さくら便り

静岡で、個人と個人商店に特化したコンテンツを作成します。 大切な方やペットの記念日・遺…

さくら便り

静岡で、個人と個人商店に特化したコンテンツを作成します。 大切な方やペットの記念日・遺言に託すメッセージ動画。新人研修やセミナー用動画。お店の紹介やMVビデオの作成。チラシ・YouTube用動画・ホームページの作成など全て承ります。 いつやろうかの足踏みから、一歩前へ。

最近の記事

エンヤトット

僕が住む庵原という地区は、庵原川水系という流域にある。 庵原川流域は自然に恵まれ、南面の丘陵地帯には、縄文・弥生の時代からの遺跡が数多く発見されている。 大化の改新以前は、「いほはらの国」の中心地だった。 律令制(強力な国家体制)の設立から「いほはらの国」は駿河国に組み込まれ、「駿河国廬原郡廬原郷」が設置された。 静岡県内最古の寺院跡の一つと見られる「尾羽廃寺」や、古代の地方官庁としての「廬原郡衙」などが造られたとされる。 『日本書紀』の中に白村江の戦いに臨む百済王の余豊

    • 激しい雨が降る

      昨日の午後、今にも泣き出しそうな空を眺め、玄関から数歩で到着する車に向かおうと扉を開けたら、ポツポツ降り始めたところだった。空はゴロゴロと、不吉なうなり声をあげている。 家を出発し数百メートル進むころには、本格的な雷雨に変わっていた。ワイパーを強にしてもフロントガラスの視界はぼやけ、慎重に車を走らせる。 自宅からわずか数キロの郵便局に着いてドアを開けようとすれば、凄まじい雨の勢いにひるんでしまう。意を決し、助手席に置いた傘を急いで開いても、容赦ない雨粒が車内にまで侵入してき

      • 枠にはまった人生

        1981年、「アジア病問題」という実験に対して被験者の回答が、質問の仕方によってどのように変化するのか検証された。 特殊な感染症「アジア病」が流行し、死者が600人に及ぶと仮定された場合、2つの問いのうちどちらの対策を選ぶかというものだ。 実験では被験者を、ポジティブな言葉とネガティブな言葉の二通りで考えるグループに分けて行われた。 ポジティブな表現のグループに提示したのは、以下の2つの選択肢だ。 対策A:(600人中)200人が助かる 対策B:3分の1の確率で600人

        • 得したつもりが損してる?

          以下のような2つの選択肢が提示された場合、あなたはAとB、どちらを選ぶだろうか。 (質問1) A:何もせずに100万円が受け取れる B:コインを投げて、表が出たら200万円受け取れるが、裏が出たら何も受け取れない (質問2) あなたは今、200万円の借金を抱えている。その前提で以下の2つの選択肢が提示された場合、どちらを選ぶか? A:何もせずに100万円の借金が免除され、残りの借金は100万円となる B:コインを投げて表が出たら200万円の借金が免除されるが、裏が出たら何

        エンヤトット

          折れた煙草の吸殻で

          さて、今日もnoteをやるかとなって、ネタが思いつかず頭の後ろで手を組み、斜め上を見上げる。 いま、一節打ち終わったところで、気付けば同じ動作を繰り返している。 完全に、無意識の行動だ。 手の動きは言葉よりも雄弁に、その人の内面を物語っていると言われる。 相手との会話の内容よりもはるかに、その人の心理状態が的確に現れるそうだ。 僕なんぞ誰かに講釈垂れるほど立派な人間のはずもないが、現役の頃は立場上、新人研修や社員教育というのをやっていた。 僕以外の社員が自分の仕事に手いっ

          折れた煙草の吸殻で

          祭りのあとに

          昨日の「井戸端会議」は寂しかった。 まず、急逝したヒロシさんがいない。先月はお元気で引きこもりクンにエールを送っていた人が今いないという実感を、こういう機会あるごと深めていくのかもしれない。 広報紙のメンバーは僕を入れて5人になったが、うち2名が欠席している。 お一人は体調不良の電話が入り、もう一名は最近、なんの連絡もなく欠席が続いている。 「井戸端会議」は広報紙存続のための試みとして去年から始めたわけで、主催者側がこうなってしまっては、主旨から外れているような気がする。

          祭りのあとに

          ラスト・ワルツはあなたに

          今日は10時から、地元の滝へと続く遊歩道をお掃除する日だ。 そこから昼をはさんで、こちらも月1回恒例「井戸端会議」の予定になっている。 発案者のヒロシさんが急にあちらの世界へと旅立ってしまい、ひとまず現自治会長がまとめ役を務めることになった。 一度始めたものなら一人欠員が出たからといって、続けるに越したことはない。会長さんにはご苦労おかけするが、なんとか定着させていきたいもんである。 8月14日には、数年ぶりに集落の盆踊り大会が行われた。こちらも最後まで、ヒロシさんが開催

          ラスト・ワルツはあなたに

          日常からの切り抜き

          (前回の続き) 夫に先立たれた75歳の静子。息子夫婦と高校生の孫と、一つ屋根の下に暮らすようになった。 自分で決めたことは、ぜったいに守るのが信条の静子。家族の私生活に表立って口出しはせず、気付かれぬようにこっそり陰から手出しをする。 フィットネスクラブに通い始め、水泳に励む静子。 新聞配達に来る青年と、孫の部屋から持ち出したバーボンで意気投合する静子。 その青年からパソコンを習い、手紙を細工しては息子の出会い系をやめさせようとする静子。 ながく想い続けた男の晩年に再会する

          日常からの切り抜き

          『静子の日常』読みました

          Xやnoteを始めてみると、僕のような駄文にもフォローしてくれる方が現れ始める。 せっかくのご縁なのでフォローバックし、その方の記事も拝読するようになっていく。 記事やつぶやきの全てが関心を抱く内容とはならず、それは相手の方も同じお気持ちなのか、しばらくすると反応が途切れたりする。 若干寂しくもなるが、仮想空間のおつきあいとなればそんなものなんだろう。僕の方でも相手へのレスポンスは、そこで止めている。 フォローが続けばお相手の主義主張、志向性も理解できるようになり、特に政治

          『静子の日常』読みました

          人生いろいろ

          (前回の続き) 4代目所長U氏にも触れようと思ったが、さすがに冗長すぎるので割愛する。 このU氏、新しく経営者となった旅館の社長に取り込み、僕のいた会社の従業員ごと横取りしようと画策した御仁で、相当なタマであったのは間違いない。まさに政治そのものの世界で、この旅館ではとても鍛えられた。 U氏が会社を辞め旅館の社員になるという段階で、新しい所長を決めなければならなくなる。 ひと月前から近くのホテルに住み込み、洗い場の仕事をしている関西の男性を紹介された。ここで彼のことは、個人

          人生いろいろ

          相手もいろいろ

          (前回の続き) 旅館に張り付いたままの業務係長Gから、Kという30代の女性を採用したと連絡を受ける。その電話をもらう前の日の朝、5歳の女の子連れで事務所にふらっと入って来たという。 箱根のこの界隈はワケありさんのメッカみたいな場所だから、ちょっと風変わりなシチュエーションであっても今さら驚かない。 契約先で所有するマンションの1室を借り、子供は保育園に預けて、さっそくKは旅館で働くようになった。 Kは、仕事のできる女性だったらしい。最初は部屋の片づけのみのはずが、人が足りな

          相手もいろいろ

          評価もいろいろ

          (前回の続き) 三代目所長選びには、かなり時間を要した。募集をかけても希望者は現れないし、現行の勢力の中で人の上に立てそうな人材は見当たらない。 サブのポジションで頑張ってくれる男性は残ってくれたが、所長は無理だとご自身が辞退している。 そんなある日、設備を受け持つ旅館の生き字引みたいな人が、最近入ったNさんが管理者として良さそうですよと紹介してくれる。 さっそく面談すると50代の男性で、柔らかい京都言葉を話す。面構えがいかにも経営者然としていて、話し方にも安定感がある。

          評価もいろいろ

          所長もいろいろ

          (前回の続き) 初代所長の件で懲りて、実績のない上っ面だけの人間は避けたいと思っていたところ、「他所で同じ規模の旅館を仕切っていた人間を見つけたよ」と連絡があった。 電話してきたのは30代後半、業務係長に任命されたばかりの本社所属の男性である。 彼はこの後、箱根に絡む人間関係から数奇な運命をたどる。 彼なしには、働き手が圧倒的に不足したこの旅館の立ち上げ危機を乗り越えることは、決して出来なかった。僕より3歳年上だが、数少ない「戦友」として今も忘れることはない。 最後は会社と

          所長もいろいろ

          旅館もいろいろ

          平成6年に30歳を過ぎて入社した(僕にとって今のところ唯一の)法人では、最初から従業員採用の面接も担っていた。 本社には実質、僕の外に上司しかおらず、本命の営業以外の業務は何でもやるのが当然といった雰囲気がある。 といって、新卒者や中途採用者の面談ではない。 本社以外の契約先はパート社員の雇用がほとんどで、若い世代に人気のない稼業だったから、選択肢はさほどなかったためもある。 入社当時は、それほど大きな現場もなかった。 入って3年目に、それまでやったことのない箱根の老舗旅

          旅館もいろいろ

          でしたノート

          ここ数か月、目覚めてから頭がちゃんと動き出すまで時間がかかるようになった。寝起きの頭はやけに重く、ボーッとした状態が1時間以上は続く。 その後、起きたばかりというのに再び睡魔が襲い、座ったまま目を閉じて数分経つと、不思議とスッキリした気分になっている。ようやく朝の活動が始められる感じだ。 早朝から外出するときなど誰に言い訳できるはずもなく、シャワーを浴びて強引に覚醒しているのだから、要は気の持ちようということかもしれない。 はたして最近のこの変化は、老化現象なのか、ダレてい

          でしたノート

          こんなつまらないものが 君を思い出させる

          定説によればチェット・ベイカーは1952年頃からドラッグを始め、あっという間にジャンキーになり、様々なトラブルを起こすようになった。 遅刻は常習で、ひどいときには現場に現れなかったりもした。 ジャズ界のジェームス・ディーンと評されたルックスと一流のテクニックを持っていながら、貰ったカネはドラッグや高級車などの浪費により、一瞬に消え去ったと言われている。 逮捕、裁判、投獄を国内外で繰り返し、挙句はドラッグ・ディーラーとのトラブルから用心棒達にボコボコに殴られ、殆どの歯を失う。

          こんなつまらないものが 君を思い出させる