マガジンのカバー画像

実家通信

27
週に一度、都内の実家に泊まりで通っています。 こちらのnoteマガジンには、認知症で要介護認定を受けた母と過ごす時間の記録、ぼやきを含めたつぶやきなどをまとめています。 実家から…
運営しているクリエイター

2024年3月の記事一覧

食べてもらうしあわせ

食べてもらうしあわせ

最後に母が作ったものを食べたのはいつだったのだろう。
料理好きだった母が、料理をしなくなり半年近くが過ぎた。正確にはできなくなって、だが。

今でも私たちが「お母さん、このキャベツ切ってくれる?」「これ菜箸で炒めてくれる?」とお願いする形で作業をしてもらうことはある。
すると、迷いなく手は動く。何十年やってきたことだ。体が覚えている。

料理をするということは、思っている以上に様々な段取りや手順が

もっとみる

久しぶりの晴れ。抑うつ状態の母を促し散歩へ。よかった。その気になってくれた。お日さまのおかげ。歩き出すと前より更に歩幅が小さくなってしまったよう…それでも88で杖もなしで歩いているからいいのかな。あれこれ思いが巡る。ふと足元に黄色が目に入る。タンポポだ。何はともあれ春はくるのだ。

こんなことしてていいよ

こんなことしてていいよ

母の抑うつ状態が続いている。

「認知症になったら、人が変わったようにずっとニコニコしているの」
いつだったかそんなお友達の親御さんの話を聞いたこともあり、たとえ何もわからなくなっても、穏やかに微笑んでいてくれればいいなぁと思っていたが、現実はそうではなかった。もちろんこれからそうなることもあるのかもしれないが。

最近の母は
「お母さん、こんなことしてていいの?」
「お母さん、ここにいていいの?

もっとみる
きのう初めて母を

きのう初めて母を

きのう初めて母をお風呂に入れた。
すっかり足腰が弱くなり、認知機能も衰え、実家の古いお風呂に1人で入るのが難しくなってきたから。

着替えを手伝うことはしていたけれど、お風呂の介助は初めて。
私は服を着たままで。
腕まくり足まくりをしたら気合いが入った。

まだ寒いので、重ね着しているから服を脱がせるのも一苦労。一枚、一枚…脱ぐのにも時間がかかる。やっとのことでスッポンポンになった母は、痩せてしま

もっとみる

週に一度のおツトメ。夕方、実家に着くと母が驚いた表情で「どうしたの??」という。「毎週来てるでしょ」「お母さんのごはん作りにきたよ」と返してもワケわかってない。もう慣れたけど。台所に行くとテーブルにジャムの瓶。トースターにはパンが用意されている。母なりに夕飯の準備をしたらしい笑。