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世界遺産サンティアゴ巡礼路854kmを歩く -毎日歩くという日常/16日目-



●これまでの道のり
1日目 初日31km / 2日目 猛烈な筋肉痛 / 3日目 大自然の中で一人大泣き / 4日目 足の痛みと色眼鏡の妄想 / 5日目 痛恨のエクストラステージ / 6日目 後半、雨の中での迷い / 7日目 旅仲間との出会い / 8日目 誰かの玉ねぎを使うこズルい自分 / 9日目 心身追い込まれる中での不思議な感覚 / 10日目 タフな作家さんと歩きッコ / 11日目 仲間とゆっくり歩く日 / 12日目 作家さんの○歳の誕生日 / 13日目 アクシデント!出発点に戻る! / 14日目 初めてのヒッチハイク / 15日目 作家さんと歩きくらべ

2014/3/7 Hontanas 〜 サンティアゴまで残り 461.9km

8時スタート。

今日はほんの少し一人先に出る。

一人で歩くのもやはりいい。

 

しばらく歩いたところで山越えがあった。

勾配が結構きつい。

息が上がるし、フリースの下にだいぶ汗もかく。

それでも休まず一気に登る。

登り終えると作家さんが頂上で休憩していた。

 

それからは作家さんとゆっくり並走して歩く。

昨日はハイペースで疲弊したので今日はゆっくり。

 

途中、休憩してホージンを待って合流。

中国人青年のゼェンドン君も追いついてきて一緒になる。

 

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その後、約10kmの長い長い一本道。

時折車の通る道路の側道を歩く。

作家さんと道を挟んで並走して歩く。

お互いそれとなくペースが上がる。

 

しかし後半、作家さんが止まる。

疲れたのと、足の痛みもあるとのこと。

自分も休憩し、その後はゆっくり歩いていった。

 

 

長い一本道もようやく終わり、目的地に到着。

アルベルゲを見つけ、まずは四人で併設のレストランでビールと食事。

自分はビールはやめておいた。

食事をしていると、作家さんがこの後一人次の街まで6km歩くと言う。

ここにはホテルが無いらしい。

それなら、と一緒に歩くことにみんな同意した。

  

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28km歩いて終わったと思った後のプラス6km。

はじめの動き出しはキツかった。

 

距離や時間の計算をして早く歩くゆっくり歩くやらどうするかより、自分であることを選択した。

選択肢がおかしいがそう思った。

計算して考えるのは座っていてもできる。

疲れただの痛いだのあと何キロだのと囚われて、今、スペインの地を歩いていることを忘れる。

もったいないと思った。

後6kmも、この路も歩いていればいつか終わる。

それを計算したりしてうわの空で終わらせるのはもったいない。

自分であること、自分の意志で歩いていること、それを思った。

 

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作家さんとほどよいペースで歩き、さほど辛さを感じないまま街についた。

ホージンとゼェンドン君も少し遅れて到着する。

 

今日のアルベルゲにはWi-Fiが無かったので、夜にひとり近くのカフェに行く。

暖炉があり、ジャズがかかっていて素敵な雰囲気。

暖炉の前に腰掛け、コーヒーを飲みながら日記を書く。

こうしてゆっくりするのも素敵な時間だ。

毎日歩くという日常から少し離れられた。

気がつけば距離的にほぼ中間地点。

予定通りのペースで来れている。

 

今日歩いた距離 34.4km

今日までの合計距離 426.9km

サンティアゴまで残り 427.5km