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子供のためのオルセー美術館(47)雪の中のモネ
初めて雪を描く
モネは雪が降る道に出ました。
これが最初の絵、
どんよりした灰色の空に鳥が2羽
![](https://assets.st-note.com/img/1703716145498-aQ8fTX7iHM.jpg?width=1200)
つもった雪から頭をもちあげた葉っぱも あと、まわりの木も
![](https://assets.st-note.com/img/1703716049992-yROFDk5qq0.jpg?width=1200)
黒い色ですばやくひと息に
![](https://assets.st-note.com/img/1703716049606-Kq59M1u4rH.jpg?width=1200)
それは日本の墨絵のように見えます。
それから次の日、
今度は 画家の友達がみんなで集まる大きな屋根の家の向かいから
反対方向の道を描きました。
お日様があたると
今日の雪はいろんな色が見えます。
![](https://assets.st-note.com/img/1703716409430-KdQPp7RYiG.jpg?width=1200)
大地の色、茶色や青が好きなモネは
そこに色々な色をまぜていきました。
![](https://assets.st-note.com/img/1703743224279-iRp3mEc3G1.jpg?width=1200)
にじ色にも見えるところがあるんだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1703743225430-sbomNhOtsW.jpg?width=1200)
変わっていく雪のひかり、
白だけじゃない雪のほんの少しの変化も モネは見のがしませんでした。
モネは言いました。
「もしかしたら、夏よりも冬のほうが楽しいかも」
"peut-être plus agréable encore l'hiver que l'été"
この後、雪の中の名作「カササギ」Pie (ピー) が生まれます。
![](https://assets.st-note.com/img/1703768540153-5BJ2MzpHLY.jpg?width=1200)
Claude-Oscar MONET
Environs de Honfleur Neige
vers 1867
クロード モネ
オンフルール近郊 雪 1867
![](https://assets.st-note.com/img/1703768609277-LrnU26o4sJ.jpg?width=1200)
Claude Monet
La Charrette Route sous la neige à Honfleur
Vers 1867
クロード・モネ
荷車 オンフルールの雪道 1867
左の屋根は、当時ノルマンディーのこの地方に滞在して制作を続けていた画家たち、すなわちトロワイヨン、ドービニー、コロー、クールベ、ブーダン、ジョンキン、バジーユ......そしてもちろんモネが集ったサン・シメオン農場の屋根だと考えられている。
モネはこのテーマを選ぶにあたって、さまざまな場面で雪景色を使っていたクールベに倣った。しかし、牡鹿と猟師を主なモチーフとし逸話に満ちていたクールベとは異なり、モネはほとんど無人の風景を描き、荷車とその乗員はごく副次的な役割しか与えなかった。
雪に覆われた田園風景は、モネに光の変化を研究し、ニュアンスで遊ぶ機会を与えた。彼はアースカラーを好み地面を一様に白く描くのではなく、虹色の光沢を与えるためにさまざまな色調を用いた。
モネは1860年代後半、この方法でいくつかの「雪の効果」を描いた。その中で最も注目すべきは、1868年から1869年の冬に描かれた有名な「ピー」(オルセー美術館)であることは間違いない。
1868年12月、彼は友人のバジーユに宛てた手紙の中で、ノルマンディーの田園風景を「おそらく夏よりも冬の方がもっと楽しい」と言っている。
お読みいただきありがとうございました。
今年もあとわずか寒さも続く中、雪の作品を2点お届けしました。
一つ目の作品はルーブル美術館に、二つ目はオルセー美術館に別々にあります。
雪の作品は地味ですが、この絵に込めたモネの熱い思いはいかばかりでしたでしょう。雪の細部に渡って鑑賞しますと心打たれます。
ご存知、名作「カササギ」"ピー"は静寂の中の黒の一点、オルセーでも人気の作品です。
(今回のモネの作品の隣に展示されている「カササギ」をデッサンする人がいました)
![](https://assets.st-note.com/img/1704831322539-ZiEy8RoQry.jpg?width=1200)
ピカピカと呼ばれるカササギのお話
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