子供のための「はじめての美術館」美術館初心者の皆様にも/パリの美術館から1回1作品

ルーブル、オルセー/オランジュリー美術館から子供のためのやさしい美術作品紹介1回1作品…

子供のための「はじめての美術館」美術館初心者の皆様にも/パリの美術館から1回1作品

ルーブル、オルセー/オランジュリー美術館から子供のためのやさしい美術作品紹介1回1作品 美術館初心者の皆様も是非どうぞ。(X,instagram 美術館作品更新中) 美術館関係仕事の夫帯同で渡欧35年 楽器指導者 生徒:パリ国立高等音楽院、米普通大学入学卒業者多

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はじめまして 子供のための「はじめての美術館」パリ美術館から

パリ・ルーブル、オルセー、オランジュリー美術館から1回1作品、日本では紹介されていない作品も楽しいおはなしでお伝えします。  noteの掲載は7年前に考えていたのですが度々の病気療養などもあってやっと再開、noteに発信できるなんて!今まで皆さんの記事を拝読するばかりでしたのでとても嬉しいです。 私は、在欧35年、美術館関係の夫の帯同で渡欧、以来日本での仕事だった楽器指導をヨーロッパに住む子供たちに続けてきました。その子供たちも社会に出ていくようになり一段落したので、楽器を

    • 子供のためのオルセー美術館(90)白馬と戦うもの・ルドン/天井のドラクロワから・ルーブル美術館(43)

      空飛ぶ白馬と 昔のお話に出てくる白馬は、空を自由に駆けまわってどこにでも飛んでいけます。ほら、こんなふうに。 ルドンは神話のお話を、夢の中にいるようなきれいな色のパステルで描きました。 白馬たちは、その背に光を受けて浮き上がり、 まっすぐ上へ行けば行くほど、空は晴れやかな色になります。青やエメラルドの緑はきらきら輝いてまぶしいくらい。 けれど、下の方では暗い不気味な闇に、なにかうごめいています。 あの黄色いしましまの丸いものは、いったいなんでしょう。 ルーブル美

      • 子供のためのオルセー美術館(89)夢のなかの人たち/布団にくるまって・ロートレックとヴュイヤール

        このところちょっと寒いし、パリはすっかり秋になりました。 疲れちゃった。お布団にくるまってもう寝よう。 ロートレックは、すき通るようないつもの色で、赤い布団に寝ているふたりを描きました。 白い枕やシーツには、色を塗っていないボール紙のベージュ色がそのまんま見えてるけど、にじんだ緑や薄いピンクを描いていくと。どうでしょう、もっとふかふかのベッドになりました。 おや? こっちの部屋にも誰か寝ています。 ロートレックの友達、ブイヤールも、静かで寝息だけが聞こえるような、そん

        • 子供のためのオルセー美術館(88)雲、雲、雲/スイスの青い山・ホドラー

          どこかで見た雲 パリを出発、スイスへ向かう列車の窓から、ぽっぽっぽっと浮かんでいる雲がありました。こんな雲、どこかで見たことがあるかも。 パリのデパートの、こんな感じ?似てるけど。 ああ、これこれ!  こんな雲でした。 スイスの画家ホドラーは、アルプスの山ポワントダンディを描きました。ホドラーの描く山の線は本物そっくり、どこの山かわかるくらい正確です。 そして、雲は? 水色の空の雲は、金色になってうねうねと、青の山をもっとくっきり濃い青にしました。 ふわふわクリー

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        はじめまして 子供のための「はじめての美術館」パリ美術館から

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        • 子供のためのルーブル美術館
          40本
        • 子供のためのオルセー美術館
          90本
        • 子供のためのオランジュリー美術館
          8本
        • 子供のためのプチ・パレ美術館
          3本
        • マティスの危機〜再生へ やる気なくなっちゃったマチスおじさん
          5本

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          子供のためのオルセー美術館(87)白い馬の息づかい/ゴーギャン・神秘の森で

          あの馬は何色? ここは南の島タヒチ、見たこともない草や蔦をかきわけて森の奥に入って行くと、どこかで水の流れる音がします。 見上げればどこも木の葉でいっぱい、もう空も見えないくらいです。 あそこに何かいるみたい。 小川で水を飲んでいる白い馬。 ひたひた、ひたひた、小川はずっと向こうから静かに流れてきます。 ゴーギャンは、こんな奥深い森にいる南の島の白馬を描きました。 でも、この白馬、どうしてこんな緑色をしているのでしょう? あたり一面の苔や草、木の葉っぱをすかしてや

          子供のためのオルセー美術館(87)白い馬の息づかい/ゴーギャン・神秘の森で

          子供のためのオランジュリー美術館(8)庭で/セザンヌ、自分だけの道を行く

          庭で描くのは初めてだけど セザンヌはいつも、自分だけの絵の道を見つけようとしていました。 印象派の仲間たちと風景画を描いて8年、印象派を離れる時がきたのです。 ちょうどそのころ庭で描いた、セザンヌにとってはめずらしい絵を見てみましょう。 ここには、いろんな種類の植木鉢が並んでいます。 薄い色を少しずつ塗っただけ。でも植木鉢はひとつひとつが重そうです。手に取ったらかわいてザラザラしているかもしれません。 でも、しなやかな枝を描くと? どうでしょう! 葉っぱはちらちら

          子供のためのオランジュリー美術館(8)庭で/セザンヌ、自分だけの道を行く

          子供のためのオルセー美術館(86)このあざやかな黄色は?/出番が終わったら・ロートレック

          ムーランルージュの美しい道化師、130年前のパリから パリのムーラン・ルージュのダンサー、チャウカオは、当時ではめずらしいサーカスの女性のピエロです。 足上げカンカンダンスも上手だし、アクロバットもできる人気者でした。 おっ、チャウカオだ! スポットライトをあびてチャウカオが出てくると、お客さんは大喜び。拍手がなりやみません。 そして、舞台が終われば、楽屋に直行。 トレードマークの大きな黄色いフリルの襟を急いではずします。 もう暑いし邪魔!さっさと取らなくちゃ。

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          子供のためのオルセー美術館(85)泳ぎ終わったあとに/ドガ・夏の海

          夏の浜辺 ドガはノルマンディの海にやって来ました。 ここはいつも風がすごく強いけれど、今日は静かな海。みんな夏休み最後の海水浴を楽しんでいます。 浜辺には、犬を連れて話しをしてる人、手をつないで泳ぎにいく人もいます。 うううーーー寒いっ!  ノルマンディの海はやっぱり冷たい。おなかすいたよ、急いで帰っておやつにしよう。 海からあがった子たちは、みんな急いで帰っていきます。 おや? あそこのふたりは何をしているんでしょう。 泳いだあとのぬれた髪の毛を、とかしても

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          子供のためのルーブル美術館(42)誰の足?誰の手?/偉人たちが大好きな人はだれ・アングル

          ルーブル美術館の天井にかざる絵 アングルは、古代の昔から偉人たちに尊敬され愛されてきた詩人ホメロスの絵を描きました。 ホメロスは、今から3000年前、イリアス・オデュッセイアという有名なお話を作った人です。 アングルの描いたホメロスの絵には、むかしむかしの古代ギリシアや古代ローマの偉人たち、そして名前を聞いたことがあるような有名な人たちも勢ぞろいしました。 真ん中に座っているホメロス。 ホメロスのお話の登場人物も赤と緑の服を着てホメロスの下に座っています。 古代の偉人

          子供のためのルーブル美術館(42)誰の足?誰の手?/偉人たちが大好きな人はだれ・アングル

          子供のためのオルセー美術館(84)白と黒で描く大気/ブラックモン・第1回印象派展でターナーを描く

          ここはイギリス、テムズ川の鉄橋。 向こうから1840年に世界で初めて作られた機関車がやってきます。 時速80キロ!それでも当時は、世界最速機関車です。 霧の中から現れた機関車は、煙突から煙を3回、ぼっぼっぼーっと吹き出しました。ゆくての線路には、横なぐりの風と雨。 霧が立ち込める田園風景の大自然と、それに立ち向かう最新機関車をイギリスの画家ターナーは描いたのです。 1871年、ロンドンの美術館でこの絵を見た、モネやピサロはとても驚きました。 この激しく動くしめった空気、

          子供のためのオルセー美術館(84)白と黒で描く大気/ブラックモン・第1回印象派展でターナーを描く

          子供のためのオルセー美術館(83)夏のある日のレストラン/ゴッホ・印象派に最も近づいた日

          今まで見たことない色 まぶしい日差しの夏の日に、ゴッホはセーヌ川の小さな町、アスニエールにやってきました。 去年までいたオランダやベルギーでは見たことがない色が、ここにはあったのです。 白ぬりのテラスがまぶしいレストラン。 赤い壁の横には、緑の葉っぱのキョウチクトウ。オレンジ色の花がいくつもゆれています。 ゴッホは、すっすっとのびるたくさんの短い線で、この絵を描きました。 ゴッホの好きな黄色の空。レストランは青色の影でいっぱい。 日よけのブラインドは、今まで使ったこ

          子供のためのオルセー美術館(83)夏のある日のレストラン/ゴッホ・印象派に最も近づいた日

          子供のためのオルセー美術館(82)空をうつす運河の水/印象派の絵を最初に描いた画家シスレー

          生まれかわるパリ、都市を描く若い画家たち シスレーの友達、マネやモネ、ルノワールは、新しい大通りができたパリを、広くて活気のある都市として絵に描きました。 昔からの教会や古い建物のとなりに新しいアパルトマンがたくさん建ったのです。都市の生活は、賑やかでとても豊かに見えました。 そんな時シスレーは、仲間たちとは距離をおいて違う絵を描いていました。 さあ、どんなところがモネたちと違うのか、見てみましょう。 ここはサンマルタン運河、 岸にははしけの船があって、石炭や工場で使う

          子供のためのオルセー美術館(82)空をうつす運河の水/印象派の絵を最初に描いた画家シスレー

          子供のためのオルセー美術館(81)助けて!気球に願いをかけて/シャバンヌ・オリンピックの気球の聖火と

          戦争パリがあぶない 1870年、第1回印象派展覧会が開かれる4年前のパリ、空にはたくさんの気球が上がりました。 いったいどうしたのでしょう。 戦争が始まって、パリの街のまわりをプロイセン軍に包囲されてしまったのです。 このままだとパリの人々は戦うどころか食べ物さえなくなります。 そこで、気球を飛ばして敵の動きを探り、写真を撮って地図を作り、たくさんの手紙を運んだのです。また、ガンベタ大臣を地方のフランス軍の基地にパリから脱出させたのも気球でした。 数カ月の間に何十回も気

          子供のためのオルセー美術館(81)助けて!気球に願いをかけて/シャバンヌ・オリンピックの気球の聖火と

          子供のためのオルセー美術館(80)緑の雨戸からもれる光/ゴッホ・夏休み、世界でいちばん有名な部屋を作りましょう!オルセー美術館

          アルルの黄色い家から 南フランスは、青い空にまぶしいくらいのお日様です。 パリではこんな強くてたっぷりした日差しは、見たことがありません。 あそこに、緑の窓と同じ、緑の雨戸が見えるでしょう? ゴッホは、あの黄色い家の2階の部屋にいました。 そこの雨戸を半分閉めると、ほら、強い日差しはちょうどいいくらい。ちょっと涼しい風も入るから。 緑の窓の日差しは、青い壁をライラック色にします。 ベッドの壁には自分の顔の絵もかざりました。 そしてゴッホは、わざわざ新しく鏡を買った

          子供のためのオルセー美術館(80)緑の雨戸からもれる光/ゴッホ・夏休み、世界でいちばん有名な部屋を作りましょう!オルセー美術館

          子供のためのオルセー美術館(79)晴れるといいんだけど。/セーヌのヨットレース・モネ

          今から150年前のフランスは、ヨットレースが人気、 セーヌ川のアルジャントイユは、日曜日になるとパリからも休日を楽しむ人で賑わいました。 モネもここが気に入ってましたから、7年間住んで、たくさんのセーヌ川の絵を描きました。 さあ、ヨットレースが始まった! 今日はあいにくの曇り空、でも風が強くて、ヨットの帆はぱんぱんにふくらんでいます。 ぐぐぐぐっと空に向かって持ち上がった帆に、モネは白い線を素早く描きました。 早い早い!セーヌの水はヨットの波でいっぱい。 川は、雲

          子供のためのオルセー美術館(79)晴れるといいんだけど。/セーヌのヨットレース・モネ

          子供のためのオルセー美術館(78)飛び込む!/はやりの水着は•カイユボット

          暑い! イエール川に飛びこもう。 絶対気持ちいいに決まってる。青と緑のまじるここの水はすごく冷たいから。 カイユボットは、川遊びを楽しんでいる人を描きました。 青いしましまの水着は、パリのおしゃれの最前線!  でもなんかかわいいね。 丸い背中、のばして組んだ手、足の先は飛びこみ板に力が入って今にも飛びこみそうです。 ターコイズブルーの川は、お日様の光とあの木の葉っぱもうつって、いろんな色に見えます。 あそこの木の葉は、スルスルのびて川に届きそう。てんてんの葉っぱはク

          子供のためのオルセー美術館(78)飛び込む!/はやりの水着は•カイユボット