子供のためのルーブル美術館(42)誰の足?誰の手?/偉人たちが大好きな人はだれ・アングル
ルーブル美術館の天井にかざる絵
アングルは、古代の昔から偉人たちに尊敬され愛されてきた詩人ホメロスの絵を描きました。
ホメロスは、今から3000年前、イリアス・オデュッセイアという有名なお話を作った人です。
アングルの描いたホメロスの絵には、むかしむかしの古代ギリシアや古代ローマの偉人たち、そして名前を聞いたことがあるような有名な人たちも勢ぞろいしました。
真ん中に座っているホメロス。
ホメロスのお話の登場人物も赤と緑の服を着てホメロスの下に座っています。
古代の偉人たちは階段の上の方に。
そして、ダンテ、モリエール、モーツァルトや画家のプッサンたちは、下の階段にいます。
でも、アングルは、古代の人ではない画家のラファエロとミケランジェロを、階段上に描きました。
そのふたりは古代の偉人の仲間になるくらい素晴らしい画家だったからです。
アングルが描く美しい線、すきとおるような新鮮な色は、まるでフレスコ画のように見えます。
どの人も本物そっくりの顔で、みんな今にも動き出しそう!
アングルは、細かいところまで丁寧に描くために100枚ものデッサンを描きました。
ホメロスの足のデッサン。
この肖像画はラファエロ、そして手のデッサンもいっぱいあります。誰の手かな?
こうしてできあがった絵は、ルーブル美術館のシャルル10世の間の天井に飾られたのでした。
Jean-Auguste-Dominique INGRES
Homère déifié 1826-1827
アングル
ホメロスの神格化 1826
(天井画は1855年にバルゼ兄弟による模写に置き換えられ作品は絵画部門に展示)
Jean-Auguste-Dominique INGRES
Étude pour L'apothéose d'Homère (1827, Louvre) : les pieds d'Homère. 1826-1827.
ドミニク・アングル
ホメロスの神格化(1827年、ルーヴル美術館)のための習作:ホメロスの足。
Jean-Auguste-Dominique INGRES
Études pour L'apothéose d'Homère (1827, Louvre): profil et mains de Raphaël, mains d'Apelle, de Racine et de Poussin.
ラファエルの横顔と手、アペル、ラシーヌ、プッサンの手
参考 Jean-Auguste-Dominique INGRES
Études pour L'apothéose d'Homère (1827, Louvre) : mains de Virgile, Corneille, Euripide et Shakespeare. 1826-1827.
お読みいただきありがとうございました。
アングルは、このラファエロのフレスコ画『アテナイの学堂』に匹敵する作品を目指しました。
フランス絵画の歴史でアングルは、ライバルのドラクロワと両翼をなす重要な画家ですが、ラファエロを敬愛する古典主義的な絵を描きました。
時代を超えて多くの偉人たちに愛されたホメロスの物語、お子様から大人まで楽しめるジュニア本だそうです。
パリは肌寒い日が続きます。日本はお暑いですよね、どうぞ皆様お大事に残りのお休みをお過ごしください。
こちらは静かなパラリンピックを迎えようとしています。また気球が上がります。
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