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子供のためのオルセー美術館(76)ひかる海の向こう/黄金の島・クロス

なみおとだけ、こえるでしょう?


ここはみなみフランス、地中海ちちゅうかい浜辺はまべです。

日様ひさま金色きんいろになったすなに、うみの水がしみていきます。
タプン、ススス、タプンタプン、ススス。

うみの向こうには、イエールの黄金おうごんしまがピンクいろえました。


今日きょううみはとってもしずか。
きらきらかがやいているのは、ほんのちいさななみです。
すきとおったなみからえるきんすなは、あのしままでつづいています。


クロスは、地中海ちちゅうかいかぶイエールの黄金おうごんしまを、てんてんだけできました。

まえすなおおきなてんてんで、そうして、


うみこうのあお群青色ぐんじょういろのてんてんはどんどんちいさくなって、
しまいには、ピンクにひかしままでとどいてえなくなりました。


あのしままでおよいでけそう?
夏休なつやすみには、こんなうみってみたいね。



Henri-Edmond Cross
Les Iles d'Or  1891-92
アンリ-エドモン•クロス
黄金の島 1891-92

1905年3月21日、パリのドリュエ画廊でアンリ=エドモン・クロスの展覧会が始まった。
カタログの紹介文の中で、詩人エミール・ヴェルヘーレンは友人の画家クロスが南仏に移ってから暮らした風景を回想している。
「すぐ近くに海が見え、モーレス山脈が連なり、遠くには黄金の島と呼ばれるほど美しいイエールの島々が見える。[...] 山々が水平線に装飾的なラインを描いている。いくつもの大きな岬の間には、きめ細かい黄色の砂が光を受けて輝いている」この絵の主題は島であることに変わりはないが、画家は絵画的な美しさを一切排除し、色彩に及ぼす光の効果だけに焦点を絞っている。
砂、海、空という異なる平面は、微妙なグラデーションで混ざり合う3色の帯で構成されている。水平線が非常に高く、その線が構図の端から端まで走っているのは、日本の浮世絵の技法を取り入れたものである。

musée d’orsay 

お読みいただきありがとうございました。
ただただ穏やかに続く海と輝く島。壮大な地中海の静けさです。
クロスは、丸い筆致の浜辺の点々から水平線の小さな点まで大きさを変化させてその僅かな違いと間隔で遠近感を感じさせています。
新印象派のスーラが考案した点々の技法、色彩は見る者の目の中で溶け合う!は、もしかしたら人それぞれに違った色合いの海が見えているかもしれません。

夏休みには、このてんてんで何か作品が作れそうな気がしてきませんか?
大人も楽しめそう。お子様ともぜひどうぞ。


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