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UNTITLED REVIEW

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題名を記さない読書感想文です。本のタイトルに繋がるタグも付いていません。扉の鍵を傍に置いています。
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#読書感想文

UNTITLED REVIEW|神たる倫理の死

釈然としない想いを抱えて記事を書いている。この小説の読了直後は、物語に登場する殺人犯と僕…

Lotos-Eaters
3週間前
6

UNTITLED REVIEW|白いものたちの

雪深いまちで一度だけ冬を越したことがある。確かに現在いる場所にも雪は降る。でも、夜半過ぎ…

Lotos-Eaters
4か月前
9

UNTITLED REVIEW|訳者で本を選ぶ

以前から韓国文学というジャンルが気になってはいたものの、書店の新刊コーナーで面陳列されて…

Lotos-Eaters
4か月前
6

UNTITLED REVIEW|夢想或いは予感

村上春樹氏がこの小説を訳さなければと思ったのは2010年のことらしい。ご自身の手がけた日…

Lotos-Eaters
4か月前
12

UNTITLED REVIEW|画一化する世界

この小説に関するレビューをウェブ検索してみると、これまで崇高なものと信じて疑わなかった多…

Lotos-Eaters
7か月前
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UNTITLED REVIEW|企業人のパトス

これまでも「定年退職」という言葉を漠然とイメージすることはあった。だが自分の定年退職を明…

Lotos-Eaters
7か月前
8

UNTITLED REVIEW|無情の写実主義

市内を縦断する鉄道の終端駅からほど近い場所に樹齢数百年とも言われる原生林の森に抱かれた神社がある。世界遺産のひとつに登録されてはいるがターミナル駅からバスで30分ほどかかることもあり、いつ訪れても観光客の姿は疎らだ。若い頃、街の喧騒から逃れたくなったときや世の中の不条理にどうしても耐えられなくなったとき、よくその場所に足を運んだ。今はそれなりに年齢と経験を重ねて多少シニカルなものの見方ができるようになったこともあって、そこに行くのは初詣の時ぐらいになった。人は生きるために、感

UNTITLED REVIEW|単純化の果てに

人間関係のもち方に関する知見を得た。きっかけは社内会議の中で、とあるゼネラルマネージャー…

Lotos-Eaters
11か月前
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UNTITLED REVIEW|似て非なるもの

文庫本に換算すると数ページ程度にまとめたことになるビジネス書1冊分の要約を、約三千冊の中…

Lotos-Eaters
1年前
7

UNTITLED REVIEW|雨降る日の短編

太陽の光をプリズムに通せば七色の虹に分かれるということを小学校の理科の授業で教わった。も…

Lotos-Eaters
1年前
10

UNTITLED REVIEW|言葉を侮る勿れ

フィクションの中に潜むメタファーやアイロニーから示唆を得るのではなく、もっと端的に、さら…

Lotos-Eaters
1年前
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UNTITLED REVIEW|本は異端を魅す

いつもよりも乗り降りする人が少なく感じる最寄り駅のホームに降り立った時、誰かの視線のよう…

Lotos-Eaters
1年前
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UNTITLED REVIEW|カルエルの苦悩

ギフテッドと呼ばれる生まれながらにして秀でた才能を持つ子供たちの、自分を抑圧して生きる苦…

Lotos-Eaters
1年前
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UNTITLED REVIEW|ホヤガラスの炎

その短い物語を読み終えたとき、朝の通勤電車の車内で周囲の目も憚らずはしゃぎながら携帯ゲームに興じる少年たちの姿が脳裏をかすめた。彼らもいつかは大人になるんだろうか? そんなことをふと思った。 *休日になると走っている。その一方で、平日はまったく走らない。僕にとって「走る」とは落ち着いた色合いのコーディネートにアクセントカラーとして添えたポケットチーフのようなもの。日常におけるメインアイテムではない。とはいえ、気が向けば自体重トレーニングの定番であるトランクカールで腹筋を鍛え