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平安時代の茶碗はすげぇでかくてお櫃は半端ない

日本時間午前7時半。横浜の実家からイタリアにいるアンドレアとZoomを繋いで、チェスをしたりネットを見たりして過ごす。noteを開くと...

※この記事(上のリンクの記事ではなく、今あなたが読もうとしてくださっているこの文章)は、日本人の僕とイタリア人の友人アンドレアがイタリア語で交わした会話を、日本語に訳したものです。
ほぼ会話のみで構成されているので、どちらの発言であるかを明確にするため、僕の台詞にはL、アンドレアの台詞にはAを、「」の前に付けてお送りしたいと思います。


L「えっ? まだ4月じゃないのに、なんで? あー...4月の記事として予定してたけど、3月25日が "ダンテの日" だから『3月中にアップすることにしました』だって。Kaekoikさん、粋なことするねぇ」

A「4月に投稿するものが3月末にはすでに書きあがっているんだ。提出日当日の朝に慌ててる君とは違うね」

L「うるせぇ。僕だって明日投稿する予定の記事、2週間前に書いたもん。でもさぁ、昨日も自分の記事にKaekoikさんを巻き込んじゃったんだけど、明日のやつもなんだよね... 前々から準備してるとそういう調整ができないからなぁ...」

A「女性にしつこくすると嫌われるよ」

L「...なにそれ。体験談?」

A「...今月はどんなことが書いてあるのかなぁ? 早くイタリア語の部分見せて」

L「...『井筒』だって。『「井筒」には、「伊勢物語」の3つの説話が絡みあって取り込まれています』... 僕『伊勢物語』持ってるから該当部分読もうっと」

A「俺にも訳してよ」

L「やだよ、めんどくせぇ。Kaekoikさんがあらすじ書いてくれてるんだから、それを読めばいいだろ」

A「君、訳せないんだろ」

L「...は?」

A「Kaekoikはとてもしっかりしたイタリア語で、こんなに分かりやすく説明できるのに。君にはできないんだ」

L「そんなわけねぇだろ... 『昔々、幼馴染だった二人が結婚しました。しかし何年か経つと、奥さんの親が亡くなって経済状態が悪くなり、旦那は、貧乏暮らしなんかまっぴらごめんなんだよ、と、金持ちの女の子を見つけて、彼女のところへ通うようになりました。それを奥さんが快く送り出すものだから、旦那は、こいつ俺がいない間に浮気でもしてんじゃねぇのか、と疑い、ある日、出かけたふりをして庭の植え込みに隠れ、奥さんの様子をこっそり盗み見ます。すると奥さんは、『風吹けば 沖つ白浪 龍田山 夜半にや君が ひとり越ゆらむ (寂しく心細い龍田山をあの人は1人で越えているのかしら… 何事もなければいいけれど…)』と詠むのでした。それを見た旦那は、妻のことをたいそう愛おしく思い、それ以来、あんまり浮気相手のところへは行かなくなりました。たまに浮気相手のところへ行くと、最初は奥ゆかしさを取り繕っていた彼女でしたが、今となってはその恥じらいはどこへやら。しゃもじで飯を食っています。それを見て幻滅した男は嫌気がさして、とうとう浮気相手の元へは行かなくなってしまいましたとさ』 ...どうよ?」

A「この男、クズだな」

L「そうじゃなくて、僕の翻訳がどう?って聞いてんの」

A「...君は『しゃもじで飯を食っています』って言ったけど、Kaekoikは『杓子でご飯を盛る』って書いてるよ。どっちが正しいんだ...?」

L「...どっちも正しいだろ」

A「全然意味が違うだろ」

L「うるせぇ、僕のは “しゃもじで飯を(茶碗に盛って)食っています” の略なんだよ」

A「...ローリス、間違えたら素直に "ごめんなさい" だろ? あーぁ、昔はかわいかったのになぁ... 『インフェルノ』を読んでいた頃は『アンドレア、分からないところがあるから教えて!』ってすぐに寄ってきて...」

L「うるさい。それにしても懐かしいなぁ、『インフェルノ』。これ、中2の夏休みにお前のうちへ行く途中、フィウミチーノ空港の本屋で買ったんだよ」

A「そうそう。ここで一緒に読んだよね。これを読み終わったあと、君は『神曲』を読みたがったけど、まだ少し難しいからもう少し大人になってからにしような、って言って...」

L「そう! で、高校1年の夏休みに読んだんだ」

A「でも結局、何も学ばず今に至る...っていうw」

L「...お前ひとこと多いんだよ。なぁ、それより! 『来月からは、15世紀から16世紀にかけてイタリアで活躍した、日本でも有名なあの人に、まったく違うジャンルの日本文芸を紹介する予定です』だって。”15世紀から16世紀にかけてイタリアで活躍した人” って、誰だと思う?」

A「当然イタリア人だよな」

L「多分ね。僕はペトラルカ*だと思うんだけど」
*完全にダンテに引っ張られています。ペトラルカが活躍したのは15世紀から16世紀にかけてではありません。

A「俺はダンテつながりでボッカッチョ*だと思うな」
*同じく完全にダンテに引っ張られています。ボッカッチョが活躍したのは...以下同文。

L「ダンテつながり? なんで? ダンテとボッカッチョって仲良かったの?」

A「ローリス、何を言ってるんだ... ”Commedia戯曲” っていうタイトルに ”Divina神々しい” をつけて "Divina commedia神曲” にしたのはボッカッチョだろ。もしかして...知らなかったのか?」

L「...それって知ってるのが普通なの?」


今日は日曜日だというのに、横浜は雨です。
晴耕雨読ということで、読書でもしようかな。
久しぶりに『Il Principe君主論』でも読んでみるか...

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