私は”シリトリ”で負けたことが無い！＜６２京都のコンサル社長の徒然草＞
社会人36年目を迎える私のつたない経験を徒然なるままに話してみる。
私はシリトリが強い。
今まで人生で一度たりとも負けたことが無い。
誰も私には勝てない。
しかし、たった1度だが人生の中で1度だけ”引き分けた”たことがある。
何故、私はシリトリが強いか？
それは小学校の頃に辞書でいっぱい言葉を調べていたからだ。
勿論勉強の為ではない。シリトリで勝つためにだ。
それほどシリトリには強かった。
奴に会うまでは。
奴は私の若い友人である。
渋谷のバーで知り合った30歳少しの変わり者なのである。
名前も変わっているのである。
”〇彦”
と言う。本名らしい。
日本の神話や古事記に出てくる”海幸彦（ウミサチヒコ）”や”山幸彦（ヤマサチヒコ）”ではないのだが。
動物の名前だ。
こやつが、
”僕はね、人生で今まで一度もシリトリに負けたことないんです”
と、のたまいやがった。
この私にだ！
”はっ！！！！！！？？？？？？？”
お前、誰に向かって口きいてんねん。
ナニワの”しり神様”と呼ばれた俺やぞ。
”君な、あんまりそんなこと表で言わない方がええよ”
とやんわりと諭してあげた。
それはそうだ、世の中どんな奴がいるかもわからない。
どこかのハングレがそれを聞いて絡んで来るかもわからない。
”いや。負けたことないっす”
”自分、シリトリ強いっす”
だと。
アホや。こいつ。まだわかれへんねんや。
”へーじゃ俺っとやってみるかな？”
と、少しからかってやった。
”じゃーやりましょうよ”
とどこまでもアホな男だ。
私には秘技
”るる攻撃”があるのだ
”りり攻撃”もあるのだ。
実はシリトリは”る”と”り”を制した者が勝つのだ。
私は世界中の”る”と”り”で始まる言葉だけでなく、”る”と”り”で終わる言葉をすでに小学生の時に調べつくしているのだ。
リンゴ
ゴリラ
ラッパ
ここまでは普通だ。
やってやるか。先ずはジャブだ
”パール”
どうだ。”る”だぞ。
”ルール”
と返して来た。
ほーーーーー！なかなかやるやんけ。
”ルール”と返してやった。
”それ出ましたよ”とつまらないことを奴は言う。
”君のルールは野球のルールだろ。俺のルールはドイツの街の名前のルールだ”
”そんなのありですか”
”おうっ、ありに決まってんやろ”
と、私のペースだ。
ところが何とこやつ。
私と同じく”るる攻撃”を仕掛けてきやがったのだ。
私以外にこの秘技を極めたやつがこの日本にいたのか。。。。。
ダメダメ押されてはならない。
る・・・
る・・・・
・・・・る
10往復ほどしただろうか
る・・・・り
と”りり攻撃”に変えてやった。
り・・・る
と返された。
何だこいつ！ やるやんけ。
だんだん声が大きくなる。
他のお客さんの話し声はとっくに止んでいる。
店内は異様な緊張感に包まれお客さん達は誰もが私達から視線をそらし黙々と葉巻を吸いながらお酒をのんでいる。
バーテンダーさんさえも目を合わさない。
それほど緊迫した男の戦いが続いていた。
終わる時が来るのだろうか？
る
り
る
り
る
り
どちらも意地だ。
気が付くと2時間以上経っている。
バーテンダーさんがもみ手で
”あのー、今日のところは引き分けと言う事で。。。。”
はぁーはぁーはぁー
どちらも息が上がている。
触れれば切れそうなそんな気迫が両者から湧きたつ。
武蔵と小次郎だ。
しゃーない許してやろう
とその日はそこで終わってやった。
”なかな君やるな” ”強いよ” ”今まで君の様な強い男に会ったことなよ”
強者はいつも的をいたわり、尊重し、そして称えるのだ。
”実は僕、シリトリ連盟の会員で日本で4位なんです”
？？？？？？
こいつアホか！
はよ言わんか。
それより日本にそんなもんあんのか。
ほんで4位？？？？？？？
他にやることないんかお前。もっと楽しいことあるやろ。
若い友人との楽しい思い出だ。
彼は私のバンドのボーカルでもある。
今は、いつもバーで寝てしまう事を先日とうとうバーテンダーさんに真剣に叱られて
”自主出禁”をしているそうだ。。
今度続きやろな。
東京の若い友人の話だ。
京都のコンサル社長の徒然草
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