想い
将来や未来を考えすぎて怖くなる。
怖いから一人になることを好んで、他人とは一定の距離を保ってしまう。
大切な人を失うことがとても怖い。
自分の中で大事になればなるほど、失ったときのことが頭から離れなくなって、いっそ自分から手を放してしまえば今抱えている苦しみから解放されるのかもしれないと思って放してしまった。
大切にしてくれていた人の手を。
私よりもあったかくて、大きなその手を。
いつも大事にしてくれていたのに私の中でずっと埋まらない何かがあった。
失ってみてはじめて新しい自分の感情と出会えた。
絶望感、悲壮感、虚無感という言葉では言い表せられない、経験したことのない新しい感情。
さみしいと感じなくなっていた。
会いたいと思わなくなっていた。
あなたのために自分の時間を割きたいと思わなくなってしまった。
連絡もこまめに返さなくていいって思ってしまった。
どこで私たちはすれ違ってしまったのだろう。
そもそもすれ違ってしまったのかな。
気づいた時にはどちらかだけの一方通行になってしまっていたのかな。
同じ道を一緒に歩いてきたはずなのに気づいたらあなたは私の隣にはいなかった。
あなたは毎日の連絡を怠らずにしてくれた。
いつも優しい言葉をくれた、私が一番だと言った。
どんな時もあたたかいその優しさで包み込んでくれた。
わがままだって許してくれた。
それでも、私の中にある何かはあなたには埋めることができなかった。
会えない時は寂しさに依存しないように自分の時間を充実させた。
声が聞けなくても遠くであなたが頑張ってるって思って私も頑張った。
あなたに会えることが楽しみだったのに、どうして時間というものは愛を冷ましてしまうのだろう。
気づいた時には自分の気持ちを伝えることをしなくなった。
我慢が多くなった。
悲しくなるくらいなら期待もしなければいいと思った。
本当は一人にされるのが悲しかった。
ほおっておかれているってわけじゃないこと、頭ではわかっていたけれど、一人でいる孤独よりも、あなたと一緒にいるのに感じる孤独はもっと寂しかった。
あなたからの愛情をもらう度に、私は本当は辛かったのかもしれない。
あなたに返す言葉がなくて、気持ちがないのに一緒にいることが。
距離を置いたり、話し合いをしていけば出会ったときのように戻れるかもしれないと思ったけれど、私たちはもうとっくに違う世界にいたんだよ。
ずっと怖かった。
あなたという存在がわたしの中からいなくなってしまうことが。
いつかどこかで会えたらいいな。
お互い成長した姿で。
あの時を懐かしいと笑いあえたら。
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