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ろうけつ 【心象散文】

薄暗くかさばる狭い雲間から橙色が閃光のように突き抜けようと潜んでいるところに、その瞬間とてつもなく黒い闇が焦げ付くだろうふちに、じっと息を詰めて目を凝らしていた。

もし、生涯こうしてここに座り、意識の裏のほうで何かを考え続け、自分にとっての僥倖に巡りあうことに腐心するとしたら。

“楽しみ”“喜び”“幸せ”とされていること、ゆえにそれをすればそうであると判断されること、そして自分にくっつければそうであると思い込める事柄を、それほど享受せず、蠢く遠くの世界として眺めそのまま死んでいくのなら。

他人からは『人生を棒に振った』と思われるのだろうか。

そうかもしれない。

しかし、人生を棒に振るとは、そういうことなのだろうか?





過去作。 ※今回の掲載にあたり、一部修正。
例え何も持っていなかったとしても、己の本質に忠実に生きられているのであれば、それはある意味ものすごく貴重な人生なのではないのか…?とも。

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