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『一九九一年未刊詩集 青春』

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人に読ませることのできる詩を書けるようになったのはおそらく、十七歳か十八歳、高校三年生か大学一年生のころのことだと思う。人に読ませることのできる文章を書けるようになった時期とほぼ…
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『一九九一年未完詩集 青春』

『一九九一年未完詩集 青春』

 01 序 詩人論01

この作品を純粋無垢な[詩集]と考えるのには、多少の無理があるかも知れない。まず、書いた本人が純粋の詩集として読者諸氏の鑑賞に耐えるだけの自信がない。最初、詩集のつもりで編集を始めたのだが、長い作業のなかで性格変化していった。よくよく読み込んでいくと、この詩集はじつは著者の個人的なドキュメントというか、ノンフィクションの装いをまとったフィクション小説であるのかも知れないから

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詩集『青春』 第二章 旅の場所 作品07〜作品10

詩集『青春』 第二章 旅の場所 作品07〜作品10



【作品07】 旅の場所(四)浅間高原

遠く異郷を旅していると

愛する人よ

自然に似て 心理はあなたのいた低みに向けて

流れていく

そんな時 わたしはどうしたらいいのだろう

わたしの旅の生活である

二つのボストンバッグを放り出して

原野の彼方まで走って行こうか

一人旅だからいいのだ

わたしを悩ませるものが訣別の記憶であっても

わたしの旅愁は

好きな煙草に似て甘く苦い

 

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詩集『青春』 第二章  旅の場所 作品11〜作品14

詩集『青春』 第二章 旅の場所 作品11〜作品14



【作品11】 祭の夜

夕暮れ

夏祭りの踊りの輪につながって

わたしは

さめる者であるのか

酔える者であるのか

おんなたち

華やかな帯を結んで

美しく化粧した少女たちよ

身にあふれる熱情を

饒舌に変えて

語れ 宵闇のうち

その時 わたしは

沈黙をまもる者のひとりでありたい

それはわたしが生まれた谷間の

祭りの夜のことだ

彼女らはついにわたしの隣人でありえず

わた

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