【旅行記】異常独身男性の九州一周ひとり旅(3)
不人気シリーズ、イジョドク一人旅九州編の第3弾です。1月上旬~中旬にかけて、九州をぐるっと反時計回りに一周する9泊10日のひとり旅に出かけてきました。旅行のルートは以下画像のとおりです。
この記事では、5~7日目(鹿児島県内)の内容をまとめています。1~2日目(九州上陸~長崎)、3~4日目(島原~熊本~鹿児島初日)については以下の記事に書いていますので、まだご覧になっていない方は、こちらもあわせてお読みいただけると非常に嬉しいです。
(5日目①)出鼻を挫かれて
前日の夕方に鹿児島入りし、鹿児島随一の繁華街である天文館近くのホテルに宿泊中。今日はここにもう1泊します。朝はゆっくり起きました。ここ4日間、なかなかに過密なスケジュールで移動も多かったので、なるべくのんびり過ごしたいところです。
9:00過ぎにホテルを出て、まずは「鹿児島市維新ふるさと館」で歴史の勉強をします。鹿児島、薩摩といえば明治維新、明治維新を学ぶのであればここです。展示の内容も豊富とネットで見たので楽しみにしながら入口に着きましたが・・・
なんと工事で臨時休館!しかも今日から・・・。運悪すぎるヨ!
しばらく自分の不運とこの理不尽な状況を受け入れることができず、しばらく看板の前で茫然自失としていました。
やっと落ち着いたら、仕方ないので周辺を散策し、川沿いの道を散歩しながら鹿児島中央駅に向かいます。
(5日目②)ラーメンと白熊
そろそろランチの時間です。お昼前の空いている時間帯を狙って、鹿児島ラーメンの人気店に入ります。九州に来てから毎日麺類食ってますが、それだけ九州の食文化が豊かで活気があることが感じられます。
店名のとおりとろけるようなチャーシューがえも言われぬ美味しさでした。替え玉も頼みましたがスルスルと胃に入っていきます。あと2杯ぐらい食えそう!
続いてはデザート。鹿児島天文館といえばの、あの有名なお店に向かいます。
南国九州とはいえテイクアウトして外で食べるのはちょっと修行感があるな・・・と思ったので、ぼっち客で申し訳ないのですが中に入ります。なんとか並ばずに入れました。
レギュラーサイズ(1~2人前)とスモールサイズ(1人前)がありましたが、ここは迷わずレギュラーを注文。写真では伝わりづらいかもしれませんが、なかなかにデカいです!周りは2人で1人前を頼んでいる人も多かったですね。
練乳がたっぷりかかっているので、当たり前ですがめちゃくちゃ甘い!旅の疲れが癒されます。色んな果物、豆類、ゼリー、さつまいもも入っていて栄養価も高そうですね。
店内は当然暖房がきいていましたが、さすがに途中からは寒さに震えながら食べ進めました。さらに知覚過敏がけっこう辛いので、休み休み完食しました。本当は暑い夏に食べられたら最高でしょうが、それでも貴重な体験になりました!
僕がお邪魔したのは1階の喫茶コーナーでしたが、2階では食事もできるようですね。また機会があればご飯も食べてみたいです。
(5日目③)のんびり市内散策
さて、寒さに震えながらお店を出ます。お腹を壊さないように祈りつつ、次の目的地、西郷隆盛の銅像のところに向かいます。ちょうどボランティアの方がいて、西郷さんとのツーショット写真を撮ってもらいました(写真省略)。
次は鹿児島市内が見渡せる展望スポットに向かって山道を登っていきます。途中、入館無料の博物館があったので少しだけ立ち寄ります。奄美大島の特集の展示が組まれていました。よく考えてみると、島しょ部も含めたら鹿児島県って広いですね。機会があれば屋久島にある宮之浦岳に登ってみたいです(遠いけど・・・)。
ここに来たのは桜島を見るためでした。すごく美しいフォルムです。ずっと見ていても飽きません。大学生の時のゼミの先輩が鹿児島県出身で、「桜島は鹿児島県民の原風景というか、心の支えになっている」と言っていたのが記憶に残っています。とはいえ今もバリバリ現役の活火山であり、共存にはそれなりの苦労も伴うとは思いますが・・・。
続いて、あまりメジャーなスポットではないかもしれませんが、近くにあったので、西郷隆盛が自決した場所に立ち寄ってみました。西郷のファンでも何でもないですが、礼儀として、なんとなく手を合わせておきます。
マイナーな観光地も含めて市内をのんびり散策できました。とはいっても、歩数アプリを確認すると、相変わらず2万歩以上は歩いていました。ドッと疲れが出ないといいのですが・・・。
ホテルに戻って洗濯している間に飲み始めます。しゃぶしゃぶを1人前で出してくれる居酒屋が見つかったので行こうと思っていたのですが、旅行の予算が頭をよぎり、大人しくテイクアウトした料理をホテルで楽しみます。外食もいいですが、ホテルでのんびりお酒を飲む時間も大好きですね。
鹿児島といえば芋焼酎ですね。独特のクセが苦手であまり好んで飲みませんが、上のツイートの写真にあるRTDのやつは飲みやすくてスッキリしていました。いい感じに酔ってきたら、明日は早く出発したいので寝ます。
(6日目①)知覧へ
九州旅行6日目の朝。あっという間に旅も折り返し地点を過ぎました。そろそろ社会復帰が頭をよぎり、暗い気持ちになりますが、なんとかそれはそれ、これはこれと切り替えて楽しみたいところです(とは言いながら、全然うまくいきませんでした・・・)。
今日は薩摩半島の南部を周遊します。ホテルをチェックアウトし、1時間ほど車を走らせて到着したのは、南九州市にある知覧特攻平和会館です。るるぶのガイドブックには載っていませんでしたが、大学のゼミで話題になったことがきっかけで、前からずっと行きたいと思っていました。
説明は不要だと思いますが、第二次世界大戦の終戦間際になると爆弾を積んだ飛行機で敵の艦隊に衝突する、いわゆる特攻という戦法が取られるようになりました。「必」ず「死」ぬと書いてまさに必死の作戦です。その特攻隊の出撃基地のひとつとなったのがここ知覧だったのです。全国各地から集まった若者たちが、ここから沖縄の空へと出撃し散っていったわけですね。
初めに特攻隊の概要がわかる30分ほどの映像を見た後に館内を見て回りました。特攻隊員の写真、遺品、遺書などが展示されています。ほとんどが僕より若くしてその人生を終えた人たちです。
遺書の内容は、家族(とくに母親)や恋人に宛てたものがおおよそを占めていましたが、中には「閻魔大王、待っとけよ!」みたいな一風変わったものもありました(若くないとなかなか書けない台詞です)。ただ、黒い感情をぶつけているものはほとんど見当たらなかったと思います。もう自分で死に方、死に場所を選んでしまったのだから、心が晴れ晴れしているのでしょう。自分が同じ立場だったら一体何て書くんだろう・・・。
当然のことながら隊員ひとりひとりの生き方や散り様にも様々なドラマがあり、じっくり見ていると日が暮れてしまいそうでした。もう僕もいい年なので、言い方は悪いですが、ここの展示を見たことで大きく心を揺さぶられるとか、感化されるということはありませんでした。きっと心身の色々なところが摩耗したり麻痺したりしているのでしょう。もっと若い時に来ておくべきだったのかもしれません。
ただ、ここに来られてよかった、ということはひとつ言えると思います。とはいえ、たった2~3時間の滞在では、なかなか特攻隊員たちの人生に没入することはできなかったので、記念に参考図書も買いました。まだページを開いていないのですが、また時間があるときにじっくり読んでみます。
平和会館を出たら、周辺を散策してみます。近くには有名な庭園や武家屋敷があるようですが、あまり興味もないですし、時間の関係もあるので断念します。
当時、知覧基地には「富屋食堂」という軍の指定食堂があり、そこの女将さんは「特攻おばさん」と呼ばれ、隊員たちに親しまれていました。その方の子孫が経営されている食堂でランチです(詳しい情報は下のリンク先をどうぞ)。
食事処を出たら駐車場に戻ります。次どこに行くかははっきりとは決めておらず、時間を見て考えようと思っていましたが、ある程度時間に余裕がありそうなので、ちょっと足を伸ばしてみることにします。
(6日目②)開聞岳とタツノオトシゴ
Google Mapをぼんやり見ていると、「枕崎」という地名に目が留まりました。どこかで聞いたことがあると思ったらカツオ漁で有名なところです。取り立ててカツオが好きというわけではないですが、せっかくなので行ってみます。
上の写真の雰囲気からもわかるように、外装の工事中ということもあってか、あまり活気はありませんでした。が、ここまで来たのだからと、カツオのたたきを購入。建物の中で食事できるスペースはなかったし、車内で食べるにも醤油こぼしたらどうしようと思ったので、近くの公園に移動します。
カツオ食って休憩したらさっさと車に乗り込み、次は鹿児島南部を代表する映えスポットに向かいます。ちなみに上のツイートは枕崎市観光協会さんにいいねをもらいました。下関の唐戸市場のときも同じようなことがあったのを覚えています。たまにこういうことあると嬉しいですね。
さて、30分ほど車を走らせて東へ向かいます。やってきたのは「番所鼻自然公園」。先ほどの茶畑の写真でも紹介した名峰・開聞岳を海の向こうに一望できる海岸沿いのきれいな公園です。駐車場に車を停めてすぐ絶景を見ることができます。
絶景とかわいいタツノオトシゴに満足したので、今日の最終目的地である指宿市に向かいます。
道中に、先ほどの開聞岳の登山口になっている公園があったので立ち寄っります。開聞岳は標高924mと、まぁ日本百名山の中では言うてもそこまで高くない山ですが、登山口も海の近くにあるので、高低差は900m近くあるといい、なかなかにキツそうな山です。もう1日余裕があればぜひとも登りたかったです。またゆっくり時間が取れるときに来ようと思います。
(6日目③)人生初の砂蒸し風呂
日もだんだんと暮れかけてきた頃に指宿市に入りました。今日1日の疲れを癒すため、指宿といえばの砂蒸し風呂を体験します。これを楽しみにしていました。もちろん人生初です。
履物を脱ぎ、係員のおじさんに指定された場所に仰向けに寝っ転がると、温かい砂を全身にかけてくれました。頭のてっぺんから足の先まで、顔の周りも含めてことごとく砂に埋まります。なるほど、結構圧迫感があるせいか心拍数が上がりますね。この感覚、あまり得意ではないかもしれません・・・。
2~3分ほどそのまま待っていると全身がぽかぽかしてきました。砂はところどころかなり熱いですが火傷はしないぐらいの温度です。天井にテレビでも付いていれば良かったのですが、そんなものはないのでただ虚空を見つめて時が過ぎるのを待ちます。
入浴目安の10分間が終わり、起き上がって砂を払い、大浴場に戻ってシャワーを浴びて砂を流したらお風呂に浸かります。まあ、個人的には砂よりやっぱりお湯のお風呂のほうが好きですかね。
温泉でさっぱりしたら、指宿駅前の郷土料理のお店で夕食です。
今まで贅沢しすぎたのでこの日は旅費節約のために車中泊です。さらに酒も控えて大人しく寝ました。身長が低いのでラクラク足を伸ばして眠れます。どうでもいいですが、このあたりから旅行の終わりが見えてきて、後ろ向きなツイートが増えてきますね。
なお、この日の移動経路はこんな感じでした(アバウトですみません)。
(7日目①)果ての岬
「道の駅 いぶすき」で車中泊をしておりました。割とよく眠れました。
この日はフェリーで今いる薩摩半島から大隅半島に渡り、のんびりと北上して霧島市のホテルが最終目的地です。途中の旅程はかなりアバウトに考えていて、どれも時間があったら立ち寄るか程度のものでした。たまにはこんなゆるい日もないと、毎日キツキツのスケジュールでは、旅行でリフレッシュするどころかずっとあくせくしてしまいますね。
まずはX(旧Twitter)のフォロワーさんから教えていただいた池田湖を見に行きます。山道を登って20分くらいで到着しました。九州最大の湖とのことです。
短い時間でしたが自然とイッシーくんに癒されることができました。市街のほうへ戻り、みんな大好きジョイフルで朝ごはんにします。ちなみに下のツイートはジョイフルの公式アカウントにいいねをいただきました。
続いて「山川・根占フェリー」に乗り、大隅半島へ渡ります。50分の船旅、意外と長かったです。
時刻は11時、時間には余裕もありそうなので、今日の最終目的地の霧島市とは反対の方向に車を走らせ、九州本島の果ての地に向かっていきます。田舎道には昭和歌謡がよく合いますね。ノロノロ走る軽トラの後ろでのんびりとハンドルを握っていましたが、目的地が近づくにつれて次第に冒険心というか、浪漫がかき立てられてワクワクしてきます。
1時間弱ほどで、本土最南端の地「佐多岬」に到着しました!
駐車場に車を停めて、最果ての景色を見るために遊歩道を歩いていきます。
展望台の階段を上がり、ここまでたどり着いた者にしか見られない絶景を存分に楽しみます。平日の昼間なので一人占めでした。風がめちゃくちゃ強かったです。
東西南北それぞれの景色、水平線や岬の岩肌を眺めながらしばらくぼーっとして過ごします。はるばるここまで来たんだなぁ、来てよかったと思いました。
十分満足したので、また昭和歌謡を流しながらのんびりと来た道を戻ります。お腹もだいぶ空いてきました。
ランチのために道の駅に寄ってみると、店員さんもお客さんも店の外に出て何やら様子をうかがっています。困惑していると店員のお姉さんに話しかけられ、今ちょうど種子島でロケットが上がるところなのだそう。一緒に見ませんかと誘ってくださいました。ここからでも見えるんですね!
上のリンク先のとおり、ロケットは無事打ち上げに成功したようですが、ちょっと曇っていたのもあってか、残念ながら見られず・・・。でも打ち上げの瞬間を(たぶん)誰かと共有できただけでも良い思い出になりました。気を取り直してレストランに入ります。ギリギリラストオーダーに間に合いました。
(7日目②)ロングドライブと桜島さんぽ
お腹を満たしたら、あとはひたすら海沿いの国道を北上していきます。ちょうどお昼過ぎの時間帯なので必死にガムを噛みながら眠気を押し殺します。高速もバイパスもなく、単調な道がしばらく続きます。
1時間半ほどかかったでしょうか、桜島が大きく見えてきました。2日前に鹿児島市の城山公園で見た桜島が今はもうほぼ目の前にあります。
知っている方も多いでしょうが、実はこちら(大隅半島側)からだと、桜島にそのまま車で渡ることができます。100年ほど前の噴火で大量の溶岩によって埋め立てられ、大隅半島と桜島が地続きになったらしいです。噴火というと悪いことばかりを想像してしまいますが、こんな思わぬ結果になることもあるんですね。
一方、鹿児島市街(薩摩半島側)からはフェリーを使わないと桜島に行けません。ちなみに鹿児島港⇔桜島のフェリーは、なんと夜通し運航しているのだそう。桜島在住者は天文館で浴びるほど飲んで酔っ払っても、朝までどこで時間を潰すか気にすることなく家に帰れるのは大きなメリットですね。
桜島の入口から車で2~3分ほどで「有村溶岩展望所」に到着。桜島の地に初めて足を踏み下ろします。その名のとおり大小の溶岩がゴロゴロと剥き出しになっている場所です。
さらに10分ほど車を走らせ、道の駅に立ち寄ります。途中に見かけた下校中の小学生はみんなヘルメットを被っていました。火山灰除けですかね。
道の駅の近くに鹿児島港行きのフェリー乗り場やビジターセンターがあり、このあたりは観光の拠点にもなっているようです。しばらく散策してみます。
だいぶ薄暗くなってきたので、桜島を後にします。さすがに1時間30分くらいしかいなかったので、「車に火山灰が積もってる!」みたいなことはありませんでしたが、桜島に上陸できただけで満足感がありました。
車で1時間ちょっとで霧島市のホテルに到着、チェックインします。この日の移動経路は下の画像のような感じです。
霧島市は鹿児島第二の都市、繁華街もまあまあそこそこ飲食店があったのですが、特にこれだというところもなかったので、スーパーで見切り惣菜を買ってきてビールを飲みながら金曜ロードショーを見ていました。ご当地ものが1つもないのが寂しいですが、これもこれで旅の醍醐味です。
20年振りぐらいにハリーポッター第1作を観ましたね。子どものころから親しんでいたので、童心に帰ったような気分でした。そこに知らない土地の非日常感とお酒の酔いも相まって、幸福な気分で寝床につきました。このままずっと飽きるまで旅を続けられたらいいのに・・・。(次回〔最終回〕へ続く)
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