見出し画像

医療制度には国の基本とする考え方が反映されている

おはようございます!


本日は、「イギリスの医療制度

何故、今回この記事を書こうと思ったか、
それは先日娘の体調不良で病院に行った時、
改めてイギリスの医療制度に関する良い面と
悪い面を感じたので自分なりに発信したいと
感じたからです。

日本と大きくことなる点もあるので、
是非イギリスに住んでいない方でも
こんな風に日本と違う制度があるんだと
読んでもらえれば嬉しいです。


◆日本と違う大きな特徴

イギリス医療の最も大きな特徴、

それは何といっても、原則無料であること
(処方箋、歯科等の一部例外は有)

National Health Service(通称、NHS)は、
イギリス政府が運営する国民保険サービス。

税収等の一般財源によって賄われている
医療機関であることから、原則無料で利用
することができ、利用者の経済的な支払い
能力は関係ありません。

半年以上イギリスに滞在することが可能
であるビザを取得していれば、だれでも
このNHSに登録して、医療を受けることが
できます。

◆一般的な診察の流れ

Step-1: GPへの登録

自身が滞在している近くでGP
(General Practitioner=かかりつけ医)を
決めて、登録します。

ここで、NHS番号というものを貰います。
マイナンバーや医療保険の番号の様なものです。

これで必要な事前手続きは完了。

Step-2: 必要な際にGPに予約を入れる

あとは、風邪を引いた、体調が優れないなど、
必要な時に登録したGPに診察の予約を入れて、
受診します。

Step-3: 処方箋は薬局で

GPの診察を受け、もし処方箋を貰った場合、
近くの薬局やBoots(日本のドラッグストア)に
処方箋を持っていき、購入します。

処方箋は無料ではありません
但し、一種類当たり一定の負担金額が決まっており、
日本のように高い薬代を支払うことはないです。

診察を受ける流れは、ざっとこんな感じです。

◆メリット

やはり大きなメリットは、無料であること

ご想像の通り、イギリスは様々な人種がおり、
家庭の経済環境もかなり大きな差があります。
(これは民主主義の国では共通ですかね)

そのため、高額な医療費を払えない人達も
沢山存在しており、原則無料で医療費が
掛からないというのは大きいです。

また、留学生であったり、私のような海外
からの一次的な赴任者の様な立場であっても、
きちんとビザを有していればイギリス国籍を
持つ人達と同じ条件で医療を受けられるという
ことも素晴らしい点の一つだと思います。

◆デメリット

然し、メリットだけではありません。
無料が故に大きなデメリットもあります。

私がこのNHSを実際に利用して感じた
デメリットは以下の2つ

GPの診察範囲は限定的

GPは治療できる範囲が限られており、
かかりつけ医の判断に因って専門医を
紹介されるケースも少なくありません。

お腹が痛くても、
耳が痛くても、
目が痛くても、

基本的には、先ずGPに行くしか選択肢がない

日本であれば、耳が痛ければ耳鼻科に行くし、
目が痛ければ眼科に行きます。

イギリスの場合、先ずはかかりつけ医なのです。

然し、当然ですが、かかりつけ医も内科、眼科、
耳鼻科全てのspecialistではないため、診察しても
詳細は分からない事もあり、それから違う専門医を
紹介するというone stepが原則必要
になります。

これは分業制の弊害と思っています。

緊急時や高度な医療が必要となる人は、
専門医、大学病院等の二次、三次医療を
受けることになりますが、必要なければ
原則GPという考えがあると思われます。

これは結構なストレスです。

タイムリーに受けられない

もう一つの問題。

私個人的にはこちらの方が深刻な
問題であると感じています。

それは、一般的に診察の待ち時間もかなり長く、
病院で数時間待たされることは当たり前という事。

先日、娘の件で緊急外来を訪問した際にも、
診察や採血をするだけで4時間近く掛かった。
緊急外来なのに・・・。

これは無料であることから、受診者に対して、
対応する医療者の数が不足しており、

所謂、「医療崩壊」のような状態にイギリスの
医療は陥っていると言われています。


上で挙げた様なデメリットがあることからも、
富裕層は高額は費用を支払ってプライベート医療を
受けているケースが殆どです。

実際、私も駐在員という立場故に会社の保険を利用し、
NHS以外のプライベート医療も受けています。

無料は一見素晴らしく見えますが、
実際には成り立っていない部分も多く、
改善しないといけない状況です。


日本の医療保険とは大きく違う点を
ご理解頂けたでしょうか?

国の考え方や在り方に沿った医療制度が、
世界各国それぞれあるということ。

それを今回の記事を通じて、
皆さんに知って頂き、
自分だったらどんな制度にしたいか?
どんな制度にすべきか?

そんなことを考えてみる
きっかけになればと思います。


最後までお読み頂きありがとうございます!

Shun


最後まで読んで頂きありがとうございます!! 少しでも読んで頂いた内容が何かの足しになれば嬉しいです。これからも宜しくお願いします!