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「論理的思考法」クイズ!【第11問】「おぼろげながら浮かんできたんです、46という数字が」

政治家発言の「コント」

日本の政治家は、いつから「お笑い芸人」になったのだろうか? 彼らの発言を聞いていると、まるで「コント」である。コメディアンが観客を笑わせようと意図しているのであれば理解できるが、彼らは国会や委員会や記者会見において公式声明を発しているのである。もはや、幼い子どもたちからさえ、大笑いされるレベルではないか!

読者は、次の発言をどのように思われるだろうか? その発言のあった状況を改めて確認した上で、なぜ「コント」になるのか、どこまで非論理的なのか、いかに日本語が破壊されてしまっているのか、自分自身の頭でよく考えて、発見してほしい。「論理的思考法」のよい訓練になるはずである。

「おぼろげながら浮かんできたんです、46という数字が」

2021年4月23日、小泉進次郎・環境大臣は、日本の2030年度の温室効果ガス削減目標値について、「くっきりとした姿が見えているわけではないけど、おぼろげながら浮かんできたんです、46という数字が。シルエットが浮かんできたんです」と述べた。これは、TBSテレビの単独インタビューに応じた際の発言である。

その前提として、次のような状況があった。アメリカのバイデン大統領が主催する「気候変動サミット」が4月21日に始まった。このサミットには40カ国の代表者が2日間参加して、世界的な温室効果ガスの削減を協議した。ちょうどアメリカを訪問中で、このサミットに参加した菅義偉・総理大臣は、「我が国は、2030年度において、温室効果ガスを2013年度から46%削減することを目指します」と述べた。

つまり、小泉氏の「46」という数字は、何も「おぼろげながら浮かんできた」ような曖昧な対象ではなく、ごく単純に、総理の発言に則しただけのものである。それを、なぜ彼は「菅総理が掲げた目標値が46%だからです」と率直に答えず、手振りまで交えながら、占い師のように勿体ぶった言い方で答えなければならなかったのか(笑)?!

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一方、小泉氏にインタビューしたTBSテレビ『NEWS23』メインキャスターの小川彩佳アナウンサーは、彼が「おぼろげながら浮かんできたんです、46という数字が」と発言した際、「浮かんできた……」と、こちらもぼんやりと言葉を反復している。もしかすると、呆れ果てて言葉が出なかったのかもしれないが……。

ここは、欧米のキャスターであれば、「それは総理がサミットで公表した数値ではないですか」とか「その数字の具体的な根拠は何ですか」とか「そんな回答では国民が納得しません」と突っ込む場面である。残念ながら、このインタビュー動画を見ていると、2人とも「お花畑」に佇んで夕日を眺めているようにしか映らない(笑)!

なぜ小泉氏は、これほどまでに信じ難い「占い師」のような発言(と手振り)ができるのだろうか(笑)?

ヒント:「占い師」・「お花畑」・「呆れ声」

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