青山 央

ひとつ先の角を曲がるとどこからともなく聞こえてきて、耳を澄ますと消えてしまう。そんなぼ…

青山 央

ひとつ先の角を曲がるとどこからともなく聞こえてきて、耳を澄ますと消えてしまう。そんなぼんやりとした話が書ければなと思います。掌編やショートショートよりショートな話を、のんびり書いていきたいと思います。よろしくお願いします。

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a little something : candela

任意点を打つように ボクたちの前に灯ります 少しの間のんびりと揺れて 揺れながら昇りはじめます 高く高く高く ボクたちから 遠ざかってゆきます だんだん小さく …

青山 央
6日前
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a little something : new moon tonight

窓辺にネコがいる 闇に紛れ部屋を覗いている 近づいても臆することはなく ただ 目を細め ひげと耳をねかせるだけだ ネコを真似て尾を揺らしてみる 濁点を払うように…

青山 央
13日前
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掌編「淹れる」

毎朝 コーヒーを淹れる 季節が巡っても 部屋が変わっても 目覚めが良くても 悪くても 悔しくても 味気のないコーヒーを 何杯 淹れてきただろう 何杯 飲んできただろう…

青山 央
2週間前
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a little something : candela

a little something : candela

任意点を打つように

ボクたちの前に灯ります

少しの間のんびりと揺れて

揺れながら昇りはじめます

高く高く高く ボクたちから 遠ざかってゆきます

だんだん小さく ロウソクの灯りくらいになったら

ボクたちは そっと胸にしまいます

もう 忘れることはありません

それから ひとりずつ

ひとりぼっちになってゆくんです

a little something : new moon tonight

a little something : new moon tonight

窓辺にネコがいる

闇に紛れ部屋を覗いている

近づいても臆することはなく

ただ 目を細め ひげと耳をねかせるだけだ

ネコを真似て尾を揺らしてみる

濁点を払うようにはうまくいかない

ネコが跳ぶ

かすかに空気が揺れる

ネコから夜へ

夜の深みへ

窓を開けてみる

残された鳴き声に

猫背の孤独たちが尾を揺らしている

ひんやりと気持ちのいい夜だ

掌編「淹れる」

掌編「淹れる」

毎朝 コーヒーを淹れる
季節が巡っても
部屋が変わっても
目覚めが良くても 悪くても
悔しくても

味気のないコーヒーを
何杯 淹れてきただろう
何杯 飲んできただろう

豆を挽く
ふたり分 粗目に挽く
深く煎った豆が砕け 香ばしさが漂う
キミのブレンドは すごくおいしかった
近所のカフェなんかよりも ずっとね
キミを真似て ゆっくり湯を注ぐ
ポットを傾けながら思う
ボクのこと わかってたかな

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