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【観劇感想】 2023年 八月納涼歌舞伎 第三部 『新・水滸伝』


この特別ポスターかっこいい!

あらすじと見どころ

筋書きの相関図とかあらすじを読むより実際に観たほうが分かりやすい。
梁山泊VS朝廷&独龍岡という感じ。
主人公、林冲は、元朝廷軍士官で様々な罪で牢に入れられているところから始まる。
そして最終的には、朝廷の高きゅう(漢字が出てこなかった) 浅野和之VS林冲 中村隼人になる。

ざっとした、ざっくりしすぎの大まかな概要はこんな感じ。
色々書くと話全部書くことになっちゃうし。

隼人くんの林冲はなかなか良かった。
堂々としていて、立廻りは速くて、慕いたくなるかっこいい林冲だった。
身体を大きく使った速い立廻りは、隼人くんならではの立廻りだと思うので、みどころの1つだと思う。

あと、梁山泊の壱太郎お夜叉と猿弥王英のコンビがめちゃめちゃ面白かった!
猿弥さんは、道化の役も最高なんだ。
そんな王英と独龍岡の青華との恋もみどころの1つ。


見ようかな、どうしようかな、と悶々と迷ってるなら観ることをオススメしますd(^-^)
たぶんまだ間に合うと思う!
私、時間があったらもう一度観たいくらい。

松竹のYouTubeでダイジェストが公開されました。うん、かっこいい!
何度でも見られるわ☆



個人的な感想

これより、個人的な感想を書いていきます。ネタバレになっちゃうので、これから観劇予定の方で、人の感想は見たくないという方(私はそのタイプ)は、ご遠慮くださいm(__)m


途中途中で、『オグリ』を思い出して結構ジーンとしてた。
隼人くんも主演やってたからかも。
猿之助さんだったら………と思うことは全然なかったな。
なにせ、私は初めて観る演目で、誰かの印象がないまっさらのままで観たからかな。

でも隼人くん、澤瀉屋感を掴んでると思う。萬屋のご子息だし、あまりこう言ってはいけないのかもだけど。
もっと堂々としてもいいかなって思う。
最初から自分が主演で決まってたんで。って感じで全然大丈夫。
ルックスだけじゃなくてかっこよくて、すごく良かった。
宙乗りの時に「萬屋!」って大向こうがかかって、いいぞいいぞ!って思った。


團子くん彭き(またしても漢字が出てこなかった)も実直な感じが良かった。頑張ってるなぁ。
林冲と彭きの最後の場面に感動して、拍手のしどころだったんだけど、シーンとしてて、勇気を出して拍手できなくて申し訳ない。
本当良かったんだよ。・゜゜(ノД`)

スーパー歌舞伎、展開が早いから拍手のしどころが難しい問題ある。


福之助くんはもうすっかりスーパー歌舞伎に慣れた感じ。いつものメンバーって勝手に思ってる。安定してていい。
歌之助くん今回結構いい感じだった。めきめきと成長してる感じ。
よっ!成駒屋!

壱太郎さんの肉饅頭姉さんお夜叉、すごく良かった。ちょっとやさぐれてるけど面倒見のいい感じも上手い。
「にっくまんじゅう」って結構怖いこと言ってるのに可愛かった。
猿弥さん王英とのやり取りがかなり面白かった。

猿弥さんの台詞がぐちゃってなって、自分でちょっと笑いながら台詞を続けるっていうハプニングとか、びっくりして思いっきりのけぞった瞬間にカツラと髭がずれるハプニングに笑いながらも対応する壱太郎さん、最高だった!!

こういう面白さがあるのも、生で見る舞台の醍醐味。

壱太郎さん、今年は澤瀉屋の演目に出てくれることが多くて、六月のおとく以外はもともと決まってただろうけど、ありがとうって思う。
よっ!成駒家!

笑也さん青華へひとめぼれした王英の想いが叶って良かったよ。・゜゜(ノД`)
青華の深く傷付いて閉ざした心を王英の優しさが癒してくれてさ、「三國志」と違ってちゃんとお互いの想いを伝えられて良かった!

猿弥さん、道化の役も面白いんだよねぇ!
特にこの人は何やってもスッとお芝居してて、アドリブとか笑いとか平気でぶっこんでくる。笑三郎さんもそう。
舞台上で何が起きても動じない人達。


二人の場面の曲も切なくもほっこりする感じで良かった。

猿翁さんは笑也さんを何か内に抱えた美女にするのが好きなのかな?
笑也さん、それをやるのが上手いんだよね。
後ろでハプニングを起こす猿弥さんに動じないのも凄い。
王英が仕立ててきた着物を抱えてそっと泣く姿にもらい泣きしたよ。
ちゃんと想ってもらえる人に出逢えて良かったね。・゜゜(ノД`)

この2人を見るためだけに行っても損はない。

青華を介抱していた段之さんとたぶん翔之亮さんコンビがまたちょっと面白い。


林冲の奥さんは亡くなってるから全然出てこないんだけど、亡くなったのは林冲の悪行を悲観して自害したのではなく、流行り病に罹ったからで、最期まで旦那さんの林冲を信じて待っていたという話に泣けた。

はっ!猿紫さんが楽和というお役で、めちゃめちゃ活躍してて、歌も上手くてびっくりした!!
ここ最近は女形で出番もあるといえばあるけど、台詞少なめだったから、なんだかなぁって思ってたんだけど、今回生き生きとしてて、女形じゃない猿紫さんってこんな感じなんだ!って発見があって良かった。

今回も歌があって、梁山泊のみんなで歌ってるんだけど、ジーンとして泣けた。
レミゼの「民衆の歌」みたいな感じだ。
「梁山泊の歌」の歌詞は猿紫さんのインスタに載せてくださってる。


良かったといえば、門之助さんも出番多くて、かっこいい公孫勝だった。女形じゃなくて、外国人役じゃない門之助さんを見るのは久しぶりだったかも。そんなことないかな。

青虎さんの祝彪、かなり嫌なやつだった。やられて良かったと思う(笑)


笑三郎さん姫虎は留守の晁蓋の代わりに皆をまとめる女親分。かっこいい。こういうお役がすごく合ってるんだよなぁ。
「なんだとこらぁ!」って言うのも最高!


アクションチームの皆さんもお馴染みになって、今回も華麗な立廻りを披露してくれてた。

浅野さん、嘉島さんもお馴染みで欠かせない方々。
浅野さんの高きゅう(また漢字が出てこなかった)は卑怯だし、最高に嫌なやつだった。
スーパー歌舞伎Ⅱでよく色々なお役をやってるなと思う。1番トリッキーだったのはイワンコフだけど。
テレビで見るのとまた違った面が見えていい。

嘉島さんの時遷はちょっとお調子者感もあって、ナミダドロップスを思い出したんだけど、この人も演技の幅が広くて凄いと思う。

中車さん晁蓋はこれは適役だと思う。こういう感じが1番似合ってる気がする。梁山泊をまとめる頭領としてはもう少し迫力というか、どっしり感が欲しい気がする。
林冲とはまた違ったというか、林冲を上回るどっしり感。この人の元で正義を貫いていこうと思える安心感みたいのがもう少し欲しい。
今の感じだと、姫虎か林冲が頭領で良くない?みたいな気がする。

幸四郎さんの魯知深の登場が本当に最後のほうで、見逃してるのかと思った(笑)
でもこの人が登場してまた場が締まる。

最後は林冲も梁山泊に加わって、「替天行道」を掲げて明るい感じで幕となってすっきりとして良かった。

本当に良かったな。
観に行って良かった。
隼人くんならやってくれると思って期待して正解だった。
歌舞伎を観ることというか、観劇自体に気持ちが半減してたのだけど、みんな心折れずに頑張ってて、ワクワク感とか舞台ならではの面白さを思い出させてくれた気がした。
ありがとう。

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