マガジンのカバー画像

まとめ「私は彼女の親友だったらしい」

19
高校生の「私」は小学校からの同級生である佳代子が残した遺書から、自分が彼女にとって親友だったことを知る。 仲良くもなかった彼女から突然親友呼ばわりされて戸惑っているのに、佳代子の…
運営しているクリエイター

#高校

「私は彼女の親友だったらしい」第19話

その日もいつもと変わらない朝だった。 少しだけ降っている雨がやもうかという時、堺はいつも…

徳井空也
1年前
3

「私は彼女の親友だったらしい」第17話

無事に学校を終え、家に帰ってきて郵便ポストを開けると、一枚の封筒が入っていた。 達海が後…

徳井空也
1年前
4

「私は彼女の親友だったらしい」第16話

そこに丁度、堺先生が通りかかった。 「ずいぶん長く話をしてたな」 今から帰るところか? …

徳井空也
1年前
2

「私は彼女の親友だったらしい」第15話

村瀬さんに気にするなと背中を押され教室に戻ったのは二時間目が終わったころだった。  クラ…

徳井空也
1年前
7

「私は彼女の親友だったらしい」第13話

甲斐田さんが亡くなってから一週間。 あれから何も目新しい事実は見つからず、テレビのトップ…

徳井空也
1年前
2

「私は彼女の親友だったらしい」第12話

 昨日あんなに泣いているところを見られた達海は、今朝は来ないのではないかと思っていた。 …

徳井空也
1年前
3

「私は彼女の親友だったらしい」第11話

その日は塾があった。甲斐田さんのことがあってから初めての塾だ。本当は休んでもよかったのだけれど、私の高校の時間がストップしても世の中の勉強は待ってはくれない。休んだ分だけ苦労するのは目に見えている。だから他の友達も塾にはちゃんと行っていると教えてくれた。 家から自転車で行ける距離にある塾は、進学塾として有名だ。同じ高校の人が多いので、学校の続きのような雰囲気だが、違う学校の人もちらほらいる。 塾に着くと、違う高校の人が私のことを見てくる気がした。そりゃ、ニュースになるほど

「私は彼女の親友だったらしい」第10話

 渡利先生の部屋から出て暗い気持ちで家路についた。先生が新聞記者とつながっていることは不…

徳井空也
1年前
5

「私は彼女の親友だったらしい」第8話

 甲斐田佳代子には秘密がある。 というのが達海の意見だった。それは私も同感だ。 私のこと…

徳井空也
1年前
7

「私は彼女の親友だったらしい」第7話

……なにそれ。  予想外のことに目を見開いて彼を見つめることしかできない。 「お前が殺し…

徳井空也
1年前
3

「私は彼女の親友だったらしい」第6話

 『親友の高橋あずみちゃんへ  あなたは私の憧れでした。これからもあずみちゃんのことずっ…

徳井空也
1年前
11

「私は彼女の親友だったらしい」第5話

朝起きるとクラスラインの通知がたくさん来ていた。 『今日は学校あるらしいよ! 』 『一時…

徳井空也
1年前
6

「私は彼女の親友だったらしい」第4話

 目を覚ますと朝になっていた。曇ってはいるが雨は降っていない。湿度の高い、いつもと変わら…

徳井空也
1年前
6

「私は彼女の親友だったらしい」第1話

 私は彼女の親友だったらしい。  そのことを知ったのは彼女が死んだ後だった。  校長室のふかふかのソファの上で、先生たちと警察官に見守られながら、遺書が入った封筒を手にした私は、どうすればいいのかわからずに目の前にあるガラスのテーブルをじっと見つめる。  なんで今さら。そんなそぶり、見せてこなかったのに。  ショックを受けなかったと言えば嘘になる。同級生が死んだのだ。しかも小学校から高校まで一緒の。  彼女の名前は甲斐田佳代子。小学校の時は同じクラスになったこともあ