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そこに丁度、堺先生が通りかかった。 「ずいぶん長く話をしてたな」 今から帰るところか? …
村瀬さんに気にするなと背中を押され教室に戻ったのは二時間目が終わったころだった。 クラ…
「大丈夫?」 ゴミ箱をもって来てくれた。その中に写真を入れていく。一瞬、紙だからリサイク…
甲斐田さんが亡くなってから一週間。 あれから何も目新しい事実は見つからず、テレビのトップ…
昨日あんなに泣いているところを見られた達海は、今朝は来ないのではないかと思っていた。 …
その日は塾があった。甲斐田さんのことがあってから初めての塾だ。本当は休んでもよかったのだ…
渡利先生の部屋から出て暗い気持ちで家路についた。先生が新聞記者とつながっていることは不信感につながった。達海も同じ気持ちだったのか、一緒に帰って来たけれども一言も言葉を交わすことはなかった。 家に帰ると母さんがマンションの前で待っていた。 「ようやく帰ってきた」 母さんはあわてて、駆け寄ってくる。 「早く入って」 緊迫した面持ちだ。 「どうしたの? 」 「でかけるわよ」 「どこに? 」 「甲斐田さんのお宅」 「甲斐田さん? なんで? 」 「警察から連絡
ばたんと大きな音がして部屋が揺れる。 「……嫌われたもんだな」 村瀬は背もたれにもたれ…
甲斐田佳代子には秘密がある。 というのが達海の意見だった。それは私も同感だ。 私のこと…
……なにそれ。 予想外のことに目を見開いて彼を見つめることしかできない。 「お前が殺し…
『親友の高橋あずみちゃんへ あなたは私の憧れでした。これからもあずみちゃんのことずっ…
朝起きるとクラスラインの通知がたくさん来ていた。 『今日は学校あるらしいよ! 』 『一時…
目を覚ますと朝になっていた。曇ってはいるが雨は降っていない。湿度の高い、いつもと変わら…
途中、横断歩道でたむろしている同じ学校の人を見かけた。その中には井上くんと達海もいて、 「なあ、なあ。今どんな気持ち? どんな気持ち?」 と野次馬根性丸出しで聞く姿が本当に見苦しい。 そんな彼に対し、達海は何も言わない。ただじっと井上くんを見つめるだけ。そんな対応をさせると思っていなかったのだろう、井上くんは、 「な……なんだよ」 とたじろいた。 その顔もきれいなんだよなあと思いながら、私はペダルをこいだ。自分には関係のないこと。達海の気持ちも、井上くんの