いじめる人はいじめられたな。自分もしかり。経験から生まれた物語

絵の中から物語が生まれたり、物語の中から絵が生まれたりすることは、結構あるみたいなんです。挿絵が全く別な人と言うこともあるんですが、自分の中の多面体のような才がいくつかあり、必要によって出現してくれたらすごいですね。私がつくった物語も私にとっての自分のテストみたいなものです。ヤムジャって男の子が旅をする物語。この子が本好きと言うところは私の子供が本好きだったから。そしていじめのシーンが出てきますが、わたしもいじめられたしいじめたし、小学校のころは両方やりました。具体的には無視ですね。自分には誰かに認めてほしい、という承認欲求があったので、そういう友人呼んでしまうのでしょうね。でも1週間くらいで飽きてまたいじめられる人がいじめる人になったりするのです。残酷と言えば残酷。あまり考えずに自己保身してたのでしょうね。

思い出話はこの辺にして、本文に入りますね。もしいじめの渦中の子がいたら無理しないでね。自分を大事にしてしすぎることはありません。いじめている側の子もそれが面白い?本当に?と自分に聞いてみてくださいね。



「ケチャ、ケチャ、くすぐったいわ。」
山あいの草原に、幼い女の子の笑い声が聞こえる。1匹の龍が女の子の周りをふわふわと飛んでいた。 ケチャと呼ばれた龍が言った。
「もう君に会いに来れなくなった。」
「どちて?どちて来れないの?おうちが遠くなったの?」
龍は微笑んで女の子の頬をなでた。
「ごめんよ。」戸惑う女の子が再び口を開こうした時、
「この石は僕の故郷の石さ、君にあげたくて持ってきた。」
みどり色の爪先に慎重に持たれた小さな石は、幼い手に乗せられて日の光を通した。
「わあ!きれい。」女の子はその石を両手で包んだ。
その時、龍の後ろにすでに妖精がいた。
妖精はワンドをふるった。
それきり女の子の頭の中には、龍と遊んできた日々の記憶がすべてなくなり、龍の故郷の石だけが手元に残った。



始まり始まり


ヤムジャがベッドで本を読んでいた時、腹の底で血がどくどくとうなっているのを感じ た。ヤムジャは立ち上がり、黄金の剣を構えた。すると剣は、命を得たように動きだし、 龍の尾を一刺しした。龍がこちらを振り返った。『決して目を見られてはならない。』主人 公がそう言っていた通りに、ヤムジャはその閃光を盾で遮った。と、その隙に龍が逃げた。ベッドか ら飛びおり、龍の尾を追って階段を駆け下りた。尾がシュルシュルと音を立ててキッチン をぬけて外へ出ていった。庭では母が洗濯物をとりこんでいた。乾いたシーツが走るヤムジャ の顔にふわっとかかった。そのシーツの柔らかさはヤムジャを空に運ぶ風に変わった。剣 を握った掌はザクッと鱗を貫き、ヤムジャは龍の背にまたがり空へと舞い上 がった。
「ヤムジャ、どこへ行くの?」母、ミンシャはヤムジャが隣家の畑の方へ駆けていく姿を 目で追った。
「あの子はいつも一人であそんでばかりいて、大丈夫かしら・・・。」

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