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富士山お中道を歩いて自然観察

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富士山の中腹を巡るお中道は火山荒原や森林を横切りながら歩ける遊歩道です。富士スバルラインの奥庭〜5合目駐車場までのお中道の自然を生態学的な視点で解説します。 週1、2回の更新で、…
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#環境教育

【富士山お中道の植物観察日記】 2023年11月8日

晩秋のお中道10月中旬に7合目以上は真っ白になった富士山ですが、11月になって暖かい日が続き…

【富士山お中道の植物観察日記】 2023年10月16・17日

黄葉・紅葉の季節秋も深まり、カラマツの黄葉も見頃となりました。ただ、風当たり・日当たりの…

【富士山お中道の植物観察日記】 2023年9月27日

夏から秋へ大勢の登山者でにぎわった登山シーズンも終わり、本格的な秋を迎えようとしているお…

【富士山お中道を歩いて自然観察】 持ち歩き版&A3版マップができました!

カラマツやダケカンバの新緑が美しい季節となりました。 これからの時期はお中道の両サイドで…

【富士山お中道を歩いて自然観察】18 森のとろろ昆布 

植生遷移が進むと、コケ・地衣ともに、より乾燥に弱く暗い場所を好む種類に替わる。終点の5合…

【富士山お中道を歩いて自然観察】17 常緑広葉樹の越冬 

お中道に生育する広葉樹で、冬でも葉をつけたままなのはハクサンシャクナゲとコケモモだけであ…

【富士山お中道を歩いて自然観察】16 ぐにゃりと曲がったダケカンバ

ダケカンバが遊歩道にせり出すように曲がって生えている。なぜだろう? お中道の東より(5合目駐車場付近)では、風は弱いが雪が風に吹き寄せられて積雪が深くなる。わずかに低くなっている谷のような場所には雪が吹き溜まる。 雪が深く吹き溜まる場所で、ダケカンバは雪に押しつぶされたような樹形となる。ダケカンバの幹は柔軟で容易に曲がって、雪の重みに耐えることができるのだ。

【富士山お中道を歩いて自然観察】15 紅葉と黄葉。 しかし例外も・・・

紅葉と黄葉落葉樹は秋になると、クロロフィルの分解が始まり、葉柄のつけねに離層が形成され始…

【富士山お中道を歩いて自然観察】14 光環境と形態変化

ハクサンシャクナゲの場合お中道を歩いていると、多様な生育場所でハクサンシャクナゲを見るこ…

【富士山お中道を歩いて自然観察】13 表層雪崩

表層雪崩は、冬、雪の表面だけに被害をもたらす。水分の少ない軽い雪が多量に降り積もると、積…

【富士山お中道を歩いて自然観察】12 ミヤマハンノキの窒素利用

遷移初期は、土壌がなく、栄養が乏しい。特に窒素は、雨水にわずかに含まれるだけで、これを根…

【富士山お中道を歩いて自然観察】 はじめに

富士登山では、荒涼とした登山道の登りが続くが、お中道は豊かな自然にあふれている。 山頂を…

【富士山お中道を歩いて自然観察】 お中道とはどんな道か?

お中道は、富士山の中腹(標高2,300 m付近)にある遊歩道である。 古いガイドブック「富士登…

【富士山お中道を歩いて自然観察】1 溶岩上の遷移

石畳が始まり少し進むと、道は右に曲がっていく。曲がってすぐの左手側は溶岩流跡のため全体がこんもりと高くなっている。 ここでは、溶岩上で植物の定着が始まっている様子がみられる。溶岩上には土壌がなく、栄養(窒素など)も乏しく乾燥しやすいので、その様な環境でも生育できるパイオニア植物だけがみられる。 富士山のパイオニア植物は、カラマツ、ダケカンバ、ミヤマハンノキ、ミネヤナギであるが、栄養に乏しいため成長は遅く、発芽して20年ほどたっても数センチ程度の高さにしか育っていない。