ふぇいぶる

人事組織コンサル/公認心理士・臨床心理士・健康経営アドバイザー

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【Python】メンタルヘルスに関するアンケート結果から、精神疾患の治療必要性を予測する

メンタルヘルスに関するアンケート結果から、精神疾患の治療必要性を予測するモデルをPythonで構築しました。 開発環境PC:ASUS ExpertBook ブラウザ:Google Chrome Pythonのバージョン:3.7.15 Google Colaboratory 使用したデータ今回はkaggleのデータセット「Mental Health in Tech Survey」を使用しました。 このデータは2014 年に行われた調査から得られたもので、労働者のメンタ

    • 「共震」の時代-3

      前回は、共震が起こっていると思われる例を2つ挙げましたが、今回は共震そのものや、共震に至る心理的なメカニズムが引き起こしていると考えられる弊害について考えてみます。ポイントとなる共震のメカニズムは、第1回でも言及した「無意識的」に起こるということ、加えて「脊髄反射的」に起こるという2点です。  ここでまた一つ例を挙げたいと思います。  小学生の子どもを持つ母親(Aさん)の家で、同じクラスのママ友会が開催。会話の中である母親が「うちの子、家帰ってきてもテレビばっかり見て全

      • 「共震」の時代-2

         前回は、現代社会において共感を得られる事物こそが価値あるものであり、人が自分の価値を高めようとした結果、無意識の自動的・受動的共感をし続けている状態、つまり「共震」の状態にあるのではないか、ということについて書きました。今回はもう少し具体的に、「共震状態を表していると思われる事象」について考えていきたいと思います。    私が特に象徴的だなと感じているのは、「当事者の代わりに怒る人々」です。例えばTwitterやFacebookなどのSNSを眺めていると、「国のせいで、農家

        • 書きなぐり読書感想文~宇田川 元一『他者と働く』

          年末年始読書マラソン、3冊目の感想文です(2冊目はガチお勉強本だったので書くの見送り)。 今回の読マラは組織論系の本を中心にセレクトしているのですが、今回の本は副題に『「わかりあえなさ」から始める組織論』とあったことが購入のきっかけ。 自分が普段仕事をしている中でも、「絶対このほうがいいよ!」と自分が思っていても、お客さんには中々そうは動いてもらえない。そのモヤモヤをここ最近ずっと抱えていて、でも相手にも「動けない理由」があるんじゃないか、と思っていたところに本書との出会

        【Python】メンタルヘルスに関するアンケート結果から、精神疾患の治療必要性を予測する

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        • 「共震」の時代
          3本
        • ユビキタスな「信仰」社会
          3本

        記事

          書きなぐり読書感想文~プリヤ・パーカー『最高の集い方』

          新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。 長期休み恒例(2019年お盆休みから)、読書マラソンはじめました。相変わらずの遅読ですが、1/5(日)までに5冊読み切る!の1冊目。 普段から組織を相手に仕事をしたり、プライベートでも集まりを企画したりが多いので、タイトルにピンと来て購入してみました。 著者はプリヤ・パーカー(Priya Parker)。「プロフェッショナルファシリテーター」として、MITで組織デザイン、ハーバード大学で公共政策

          書きなぐり読書感想文~プリヤ・パーカー『最高の集い方』

          「共震」の時代-1

          ○○の~~な姿が、多くの人々の共感を呼んだ こんな言葉、一度は聞いたことがあるのではないでしょうか? いつの頃からか、世の中における物事の価値は「共感している人の多さ」で示されるようになりました。 テレビや映画では冒頭のような売り文句を掲げますし、その他イベントや物品といったコンテンツでも「SNS上でどれだけいいね・シェアされたか」が評価の一部となっています。 たしかにマーケット(物の売買)に関わることは、「どれだけ売れたか」に最も価値が置かれるため、そのような評価基準に

          「共震」の時代-1

          書きなぐり読書感想文~古谷田 奈月『神前酔狂宴』

          いきなりだけど、今年のお盆休みは「夏休みの自由研究」と題して本6冊と論文数本を読むことにした。 本に関しては読むだけだともったいないのでこうして記録として残してみることに。 ーーーーー ※読了時間:約7時間(サクサク読める) 感想に入る前に、まずこの本を読むことになった経緯を説明させてほしい。 唯一聞き続けてる「文化系トークラジオLife」のBBQ(オフ会)が7月に開催され、出演者の書評家・倉本さおりさんとお話することができた。その中で、最新回「ポスト熱狂の組織論」が面

          書きなぐり読書感想文~古谷田 奈月『神前酔狂宴』

          時間、目的、"仕向ける"ということ~よのなかゼミ2019年7月回 感想

           以前より度々参加している「よのなかゼミ(詳細はこちら)」という集まりがあるのですが、2019年7月回にテーマ提案・企画として関わり、先日無事開催に至ったので、その内容と感想レポートを書いてみました。  参加者は私を含め5名で普段よりやや少なかったのですが、濃密な話ができてとーっても楽しかったし、日常に繋がる回だったなというのが率直な感想です。長文ですが宜しければご一読ください。 ------- テーマタイトル: 「教えること/教わること~“ちょっと違うんだよな”のその先

          時間、目的、"仕向ける"ということ~よのなかゼミ2019年7月回 感想

          速度、手間、コスト、正確性、価値〜よのなかゼミ2018年10月回 感想

          2018年10月28日、よのなかゼミに参加してきました。 ※よのなかゼミの詳細はこちら 今回のテーマは「私たちとインターネット〜2018秋〜」。 私が発案したのですが、特に解決したい疑問やたどり着きたいゴールがあったわけではありませんでした。 ただ、「ネットが世界を変えた」「ネットは怖い」など、なにかと大きい物語で語られがちなインターネットというインフラを、個々の生活史レベルに落とし込んで語ってもらいそれを聴いてみたかったというふわっとした好奇心によるものです。 ただ実際

          速度、手間、コスト、正確性、価値〜よのなかゼミ2018年10月回 感想

          若手のメンタル不調とアイデンティティ形成に関する一考察〜加えて、未だ消えることのない 「キラキラ」の呪い

          「最近の若者は打たれ弱い」と言われて久しいですが、働く人のメンタルヘルスについて考える仕事をしていても、やはりよく上がるトピックスの一つです。「やっとの思いで採用したのに、職場不適応を起こして、試用期間中にやめてしまった」とか。 打たれ弱い若者代表の僕としては確かに耳が痛い話ではあるのですが、果たして、昔の若者は本当に打たれ強くて、今の若者は打たれ弱くなったのでしょうか? ちょっと訳あって、大学生が職業選択をするにあたっての心理状態について考えることがありました。 僕は大

          若手のメンタル不調とアイデンティティ形成に関する一考察〜加えて、未だ消えることのない 「キラキラ」の呪い

          ユビキタスな「信仰」社会(3)−信仰心の揺らぐとき、そして「ほどほどに信じてみること」−

          ((1)、 (2)も併せてお読みください) 今回議題として挙げたいのは「信仰心を試されるとき、人はどんなことを感じるのだろうか」という点です。 僕はTwitterをやっているのですが、大学3年生くらいの頃から、社会学者の古市憲寿さんをフォローしています。 その頃の僕はTBSラジオで隔月最終日曜(実際に聞いていたころはまだ毎月でした)の深夜にやっている「文化系トークラジオLife」というを聞きまくっていました。 そこに、「新進気鋭の若手社会学者」と評されて登場した古

          ユビキタスな「信仰」社会(3)−信仰心の揺らぐとき、そして「ほどほどに信じてみること」−

          ユビキタスな「信仰」社会(2)−始まりはいつも「信じる」ことから−

          (前章「ユビキタスな「信仰」社会(1)」はコチラ) 前回は、「信じる」ことはつまり「手放す」ことであると言えるのではないか、という話をしてきました。 この話は、パソコンの「メモリ」に例えるととても分かりやすいです。 パソコンにおけるメモリの大きさは、よく「作業台の広さ」と表現されます。 どんな方でも経験したことがあると思うのですが、一度にたくさんのアプリケーションやプログラムを開いたり同時並行で動かそうとすると、パソコンの動きが遅くなりますよね。 あれはつまり、作

          ユビキタスな「信仰」社会(2)−始まりはいつも「信じる」ことから−

          ユビキタスな「信仰」社会(1) −「信じる」ことは「手放す」こと?−

          いきなりですが、「信仰」という言葉を聞いて、どんなことをイメージするでしょうか? 神様や○○教など、宗教的なことをイメージするのが一般的かもしれませんね。 もう少しカジュアルで形で言えば、特定のアーティストやアイドルを好きになること、肉や魚を食べない「菜食主義」、身の回りをアップル製品で固める「アップル教」なども、一つの信仰と言えるでしょう*1。 このように、仏教やキリスト教といった本物の宗教から、「何かに特別な思い入れを持つ」といったレベルの「宗教」まで、現代社

          ユビキタスな「信仰」社会(1) −「信じる」ことは「手放す」こと?−

          部外者が観た芸術界隈~「アート」と「デザイン」

          「部外者」っていうことで距離をとって責任を取らないようにしてるようにしてる感が出てるかもしれないですけど笑、ちょっと考えたことをつらつらと。 先日、大学時代に知り合ってから仲良くさせて頂いてる芸術系の人(ってどんな人だ)とお会いする機会がありまして、その時に日頃芸術界隈について考えてることを伝えてみました。 というのも、以前芸大の先生とお話する機会がありまして。曰く「自分の考えを社会に対して訴えるもの」はアート、「依頼を受けて、報酬を対価として制作するもの」はデザインであ

          部外者が観た芸術界隈~「アート」と「デザイン」

          TBSラジオ 文化系トークラジオLife 2014年8月回「ソーシャル、レジャー、リア充」感想、そこから考えたこと

          初めてのテキストです。どうかお付き合いください。 文化系トークラジオLifeの説明は省かせていただきまして、雑多な感想です。 ①放送前に抱いていた印象は「リア充話って、“リア充爆発しろ”以上に話すことあるの?」っていうことでした。正直放送を終えた今でも「ですよねー話」がほとんどで、発展的な話があったとは思えてないです。 ②さて、自分の体験に基づいて考えてみる。FBの投稿の内容には大きく分けて3つあるのかなと。1つ目は今回のテーマである「○○と~~行ってきたよー!楽しかっ

          TBSラジオ 文化系トークラジオLife 2014年8月回「ソーシャル、レジャー、リア充」感想、そこから考えたこと