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特別展「空也上人と六波羅蜜寺」東京国立博物館

東京で半世紀ぶりに公開されるという「空也上人立像」が展示された展覧会。その像は、重要文化財で、鎌倉時代(13世紀)に仏師運慶の子、康勝が作ったもの。 

ほか、京都の六波羅蜜寺から、「四天王立像」、定朝作とされる「地蔵菩薩立像」など、平安時代から鎌倉時代にかけての彫刻が来ていた。

展示室は広くはなく30分程度で見られるが、巨大な彫像たちは見応えがあった。木造ということに驚くが、間近で見ると確かに木で彫られている。

「空也上人立像」は小ぶりでガラスケースに入っていたが、仏教徒ではなくても拝みたくなってくる。写真で見るよりもさらに精緻な表現で、骨が浮き出ていて脚も細く、荷物を背負っている。腰を曲げ、口から小さな仏像たちが出ている。

ヨーロッパ中世の宗教画で、天使の口から金色のリボンのようなものが出ていて、そこにたぶんラテン語でせりふが書いてある絵があると思うが、彫刻でそれをするとは。

空也上人に南無阿弥陀仏と唱えてもらえれば極楽浄土に行けるかのような。

芸術表現が宗教的崇高さにつながる。世界の各地で宗教が美術などの芸術を発展させてきたのは、「実用」のアートともいえるのかな。

オンライン事前予約は埋まっていたが、当日窓口でチケットを買えてよかった。

常設展(総合文化展)も、特別展のチケットで見られるのだが、全部は行けなかった。大きな建物がいくつもあり、広い。裏手には広大な庭園もある。

異空間に浸ったようで、旅行に行ったくらいの充実感だった。


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