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『エアー~不思議な空の旅~』ラルンベ・ダンサ(シアタートラム)

せたがやこどもプロジェクト 2023《ステージ編》。スペインのダンスカンパニーによる、子ども向けのダンス×3D映像シリーズの舞台。

ラルンベ・ダンサは、マドリードを拠点とし、2021年に設立50周年を迎えたダンスカンパニー。社会問題などを取り入れた子どもや若者に向けた作品を発表している。本作は「環境問題三部作」の一つ。

同じマンションに住む顔見知り程度の仲の2人がエレベーターに閉じ込められる。不安に駆られるが、エレベーターの隙間から流れてくる空気に気づき、その空気に乗って大空へ飛び出す。自然がいっぱいの場所から都会へ。2人がそこで見て感じたものとは?

出演者はダンサー2人で、シンプルなセットの舞台に、映像が投影される。エレベーターなどの役割を果たす簡単なセットは面白い。ダンサーたちの衣装がキュート。

劇場入り口で開演前に配られた紙製の3D眼鏡をかけると、3D映像が見られるという仕組みだが、映像が目の前に飛び出てくるように見えるシーンはほんの少しで(たぶん)、3Dならではの臨場感や利点はそれほど感じられなかった。

せっかく子ども向けなのだから、もっと観客に直接関わるような演出があってもいいのではと思った。観客は親子連れが多かったが、子どもたちが特に興奮してわくわくしている様子も観察できなかった(気づかなかっただけかもしれないが)。

特にルシーア・モンテスというダンサーの動きがよかったので、ダンサーたちの踊りがもっと見たかった。

環境問題のテーマもちょっと見えづらかった。自然についても単にきれいな風景の映像という感じがしただけだったし。もちろん、メッセージ性を強く打ち出せばいいというものではないのだが、全体的に何がしたいのかぼやけている印象だった。

このカンパニーのほかの作品を見たいという気分にはならなかった。

作品情報

【構想・振付・演出】ダニエラ・メルロ、ファン・デ・トレス(ラルンベ・ダンサ代表)
【出演】マド・ダレリー、ルシーア・モンテス

日程:2023/7/28(金)~ 2023/7/30(日)
会場:シアタートラム
上演時間:約50分(休憩なし)

チケット(全席指定):
一般 3,500円
高校生以下 1,000円
親子ペア 3,500円


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