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オープンダイアローグの誕生から紐解く、対等に対話をするということ

2022年に実施した森川すいめいさんとの対談のダイジェスト版です。

『オープンダイアローグの誕生から紐解く、対等に対話をするということ』というテーマでお話を伺いました。

話し手:すいめいさん(森川すいめい)
聴き手:なりたか(戸田周公 りすにんぐファーム)

《ゲスト》
森川すいめいさん
主な著作
『オープンダイアローグ 私たちはこうしている』医学書院 2021年
『感じるオープンダイアローグ』講談社現代新書 2021年
『その島のひとたちは、ひとの話をきかない』青土社 2016年

【内容の要約】

1・オープンダイアローグは「ただの対話」


オープンダイアローグがどういう誕生の仕方をしたかを理解し、実践の中で起きた失敗や気づきを、
オープンダイアローグの始まりの場所ケロプタス病院の試行錯誤から紐解いていきたい。

2・オープンダイアローグ前夜

当初は、ケロプタス病院でも、患者や家族がその症状を伝え、医者が意思決定をして診断するプロセスだった。
上下関係が、意思決定という点で、医療の中であった。
ケロプタス病院もかつてそうだった。

3・オープンダイアローグの始まり

その中で、ちゃんと患者さんたちの声を聴こうという運動が、1960年代からフィンランドで始まった。
それが、1980年代にケロプタス病院でも勉強会を積み重ねる中で、大きな意思決定を生んだ。

1・「本人のいないところで、本人の話をしない。」
2・「一対一で会うのをやめよう」~こちら(医療者側)は複数名、必ず家族も招こう~

みんなで話そうということを始めた。

4・実践して、失敗からから気づき始めること

最初ケロプタス病院は、話を聴こう、家族を招こう、対等な関係でしゃべる運動から二つの決め事をして始めた中で、家族療法を導入した。

家族療法を病院全体で導入した時に、それがうまく行く時もあるが、多くの場面でうまくいかないことに直面していく。

家族療法の理論に基づいて会話をするという「方向性」が生まれてしまった。

特に1980年代の家族療法は、今と比べて「方向性」をつけるのが強かった。

患者がこの家族療法に合うか合わないか、技法としての家族療法をやってしまっていた。

つまりは、まだ上下関係がそこにはあった。

家族療法という名前を使った上下関係に気づいていく時代を経て、それだとうまくいなかいということに気づいていく。


5・対等に対話をするということ

様々な理論を脇に置いて、対話をしよう。
対等な立場にまでなってちゃんと対話しよう。
そこにいる人全員が対等に対話する。

対話なので、どっかの方向にもっていこうとか、目指そうとか、ゴールはこっちだとかそういうことではなく、
何が起こるかわからないけれど、とにかく対話をしようというところに、段々落ち着いていった。

対話することによって、今まで語られなかったことが、言葉になっていく。
今まで勝手に解釈して診断していたのとは全然違う、ものすごく豊かで幅の広いアイデアや考えや、どういう行動をしたらいいか、どんな助け方をしたらいいか、様々なことが見えてくるということが起こっていった。
そういった実践に後で名前をつけた時に、「オープンダイアローグ」が現れてくる。

6・上下関係に影響を与えるオープンな対話

対話をしようとしても、もし、そこに上下関係があれば、対話じゃない。
いかに対等になるかという努力をすごくした。

「オープン」というのは、開かれた場であり、高度に開かれた「民主主義」。ひとりひとりが意思決定を持ち、自由に考え行動するための対話の場。

「対等な対話」
「開かれた対話」

という思いで、「オープンダイアローグ」が作られている。
「オープンダイアローグ」は、対話の場が開かれているマインドそれ自体。


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