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時間を売ることと資本主義│Notion AI小説

僕はメモを「Notion」で取っている。

Notionは一般的にはメモアプリだか、その性能は他のメモアプリと似て非なるほど群を抜いて凄い。メモの枠組みを超えて、まるで自分のデータベースを構築しているかのようにすら思える。(実際にデータベースも作れるだろう)

少し上品な言葉でまとめると、「Notion」はリッチメモアプリである。僕はこれを使って小説の下書きを書いたり、思いついた書き出しやタイトルなどをジャカジャカ書いてたりしていて、ネタ帳的な使い方でも活用している。
つまりNotionヘビーユーザーだ。

そんな中、Notion AIという機能が追加されているのだが、まぁうん、と思い検索くらいには使えるだろうと甘く見積もって使用する心にはあまりなれていなかったのだが、あるとき、暇ができたのでNotion AIで遊んで見ようと思い、「ほにゃららというタイトルで書き出しを描いてみて」と入力すると、驚くことに僕が書きそうな文で、僕の思っていたことに近い書き出しが出力された。

凄い、Notionは僕のメモを学習してそれらしい文を作ったのだろうか? とにかく驚いた。

同時に悔しさもあった。頭をひねり出して、そこから労力をかけて文章を書く僕と、僕のメモを学習してスラスラとそれらしい文章を出力するNotion AI。生産性という悪魔が僕の体を固まらせ、アイデンティティ・クライシスという金縛りにかかったみたいな気がした。

以下、Notion AIが作成した小説の一編である。(タイトルを与えて作成いただいた)


時間を売ることと資本主義

僕が目覚めたとき、時計の針が逆回りしていた。そう、時計だけではない。街中の人々の動きも、雲の流れも、すべてが逆方向に進んでいた。しかし僕だけは通常通りに時を刻んでいた。

僕は部屋を出た。廊下では隣人が後ろ向きに歩いていた。彼らの顔には奇妙な満足感が浮かんでいた。まるで時間を取り戻せたかのように。
エレベーターに乗ると、数字が逆順に点灯し、1階で開いた。ロビーでは、人々が逆向きに新聞を読んでいる。その新聞の見出しには「ネオ資本主義、時間を逆行させる」とあった。

街に出ると、さらに奇妙な光景が広がっていた。人々は給料を会社に返し、商品を店に戻していく。そして彼らの顔には喜びが溢れていた。

僕は立ち止まり、壁に貼られたポスターを見た。「時間を売って、幸せを買おう」。その横には小さな文字で「ネオ資本主義株式会社」と書かれていた。

突然、僕の肩を誰かが叩いた。振り返ると、スーツを着た男が立っていた。
「君は、まだ前を向いているね」と男は言った。「我々の新しい世界に参加しないかい?時間を売れば、君も幸せになれる」

僕は答えられなかった。この逆行する世界で、僕だけが孤独に前を向いて歩いていくのか。それとも、皆と同じように後ろ向きに生きるのか。

選択の時が来たのだ。僕は深呼吸をした。そして、ゆっくりと口を開いた。

「時間を売るとはどういうことですか?」

男は満面の笑みを浮かべた。「簡単さ。君の未来の時間を我々に預ければいい。そうすれば、君は過去に戻れる。若返り、やり直しができるんだ」

僕は周りを見回した。確かに、皆が若返っているように見える。しかし、同時に何かが欠けているようにも感じた。
「でも、それって本当の幸せなんですか?」

男の表情が曇った。「幸せとは何だ?未来の不安から解放されることじゃないのか?」

僕は黙って考え込んだ。確かに、未来への不安は大きい。しかし、それは同時に可能性でもある。「すみません」僕は言った。「でも、僕は前を向いて生きていきたいです」

男は肩をすくめた。「君の選択さ。でも、いつでも考えを変えられるからね」そう言って、男は逆向きに歩き去っていった。

僕は一人、人混みの中に立ち尽くした。周りの人々は皆、後ろ向きに歩いている。しかし、僕だけが前を向いていた。孤独だった。でも、何か大切なものを守れた気がした。

僕は歩き出した。逆行する人々をかき分けて、ゆっくりと、でも確実に前に進んでいく。これが僕の選んだ道だ。ネオ資本主義の世界で、時間を売らずに生きていく道だ。難しいかもしれない。でもきっと価値があるはずだ。

そう信じて、僕は歩み続けた。


以上がNotion AIにて出力された一編である。「時間を売ることとネオ資本主義」というタイトルは、僕がもともと資本主義の資本に提供する「労働」をまるっきり「時間」に変え、消費し浪費される、そんな新しい資本の形の世界を描いた小説の下書きである。

だが、人々が逆行するなんて思いもつかなかったし、ネオ資本主義株式会社なんてものも考えたことがない。これはNotion AIの飛躍的なアイデアであり、その源流がどこからきているか考えるのは中々に面白い。

Mr.羊

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