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いま「HSP」の研究者、エイレン・N・アーロン博士の「敏感すぎる私の活かし方ー好感度から才能を引き出す発想術(出版パンローリング株式会社)」という本を読んでいたところでした。1996年に発売の著書の新しい情報が加筆されて、日本語訳での発売は2020年8月。

なんだけど、家のダイニングテーブルにふと河合隼雄先生のユング心理学入門が置いてあるのが目に入った。

心理学の本なんて珍しい。だれか読んでるんだなーチラ見してみよう、、、河合隼雄先生なつかしい!高校生の頃読んでたな。

今読んでいるエイレンNアーロン博士も、そういえばユング派の人ではなかったかな?と思いながらめくってみる。確か、ユング自身がHSPだったともいわれていて。ユングは、人格や態度を「内向型」と「外交型」で区別した。これは有名。ユングには批判もあるけどなにしろ巨匠で古典ですからね。

アーロン博士はここからさらに発展させて、「内向性と敏感さは別物だから混同しないように」と言っている。HSPのうちの3割は外交的なのが確認できているそうです。

私はどっちなんだろう?

実家時代はたぶん内向型。目的とか目標がはっきり見えればわりと何処へでも行くし誰とでも話すし外向型で活動しているかもしれないな。それ以外は引きこもり万歳だったりする。飲み会とか集まって人とワイワイしたりとかも楽しめない。

ユングが構築した分析心理学では、「自己実現(個性化)」が人生の究極の目的とされていた。

ユング派が求めるのは、治癒ではなく内なる王国と対話を通じて生涯、個性化のプロセスに従事し続けることである。
ー「敏感すぎる私の活かし方 好感度から才能を引き出す発想術」(著)エイレン・N・アーロン

「ユングの自己実現」について河合隼雄先生は

まず自我を相当に強化し、その強い自我がみずから門を無意識の世界に対して開き、自己との相互的な対決と協同をつうじてこそ、自己実現の道を歩むことができる
ー「ユング心理学入門〈心理療法〉コレクション I (岩波現代文庫)」河合隼雄(著)

と言っています。無意識には価値あるものも、暗い面もあるけど、それに向き合って対決しましょうってことですね。

自我を強化するっていっても、これはたぶん自分ならではの、ブレない「優先したい価値」「ゴール(目標・目的」の「質」が高くて一貫してるっていうことなんじゃないかな。

こういう自分軸が無いと、玉石混合の無意識のフタをあけても収集つきにくい。

だから、目標とかゴールは受け身に与えられたものじゃなく、自分の頭でかんがえて吟味して自分で設定しつづないといけない。

私たちの無意識には、社会的に体系化されて共有されている信念(ビリーフシステム)が網目状にそのままインストールされています。網目状のネットワークだから、個人の思考パターンや行動、関係性まで支配している。だから、個人の意見とか希望とか命までうっかり無視されることが社会では起きるんだよね。

その刷り込まれた信念体系(ビリーフシステム)のせいで半自動的に疑いもせず行動したり発言したりする。頑張りすぎたり、人に合わせすぎたり、我慢しすぎたりするんですよね。

盲目的に信じていること、無批判に正しいと思ってきたことを捨てるのって「意識的」に「わざと」取り組まないとできないことだし、取り組み始めても結構たいへん。それまでの自分を捨てる選択も出てくるからです。

そのかわり「まるで別人になりたい人」にはとてもおすすめの作業。

河合隼雄先生の表現だと、自己実現は無意識に直面することだから、危険性が高いし難しいこと、と表現していました。

ユングの言葉であれば、自己実現は「人格の発展は最も高価なもの」。

自己実現ってなんなの

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ユングは当時

「自己」とは具体的に何なんですか?

という質問に「ここにおられる全てのひと、みなさんが私の自己」と答えたエピソードがのっていました。自己実現は、自分だけのことだけじゃなく、すべての人を含んでいるんですね。

素晴らしい〜。これってコーチングの概念そのもの!ユング先生が生みの親だったのかも。この発見嬉しい。

人が喜んでくれれば、私たちは何倍も嬉しい。だからこそゴール設定は社会も世界も世の中ごと含んで考えるべき。

自己実現は高くつく

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河合隼雄先生のユングと、アーロン博士の本の並行読みで、自己実現は簡単じゃないことなんだと改めてかみしめる。自分の中の信念体系を変えるには、自分の内面情報を操作する慣れも技術も必要だし、今まであった関係性が変える痛みとか怖さだってあるし、知識も必要だし、行動も必要だし、お金も時間もかかりますからねえ。

無意識の中身は、「知らないまましんだ方が幸せだったかもしれないこんな事実やあんな事実や記憶」このフタを開けないまま生きるのか、それとも、「可もなく不可もない現状をこえた質の高い充足感とか自由」へのフタを開ける覚悟を決めて直面するかっていうのも、選択。

いま現実なんの不都合も不便も感じていなければ必要無いし、何も知らないで現状維持のまましにたい人もやる必要のないこと。

HSPの天職

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アーロン博士の本の、人によっては毒舌に聞こえるかもしれないし、正しいから見逃したくないなー、と思ったのが

HSPは現実的なことを考えなくていいなら、世間との関係を断ち切り、誰も耳を傾けない空想家になる。だから私たちのようなタイプを財政的にサポートするのは大きな間違い

と言っていたところ。鋭い。

私の心あたりはnoteを書き始めるまで数年間、仕事もしてたけど本の活字の世界に埋もれてきたり、自分の内面カイゼンに没頭したりでした。たしかに私のいう事に耳を貸そうとする人も今よりも少なかったな。

その経験を活かして現実と歩調を合わせて「今という時間」を大事にできているっていうのが楽しい。その時間も確かに大事だったけど、HSPが関係を断ち切って世捨て人になるのはけっこうカンタンだよね。

アーロン博士は、内向型はもっと外へ出るように、とも言っています。

自分をいかして自立。現実に完全適応、だいじ!!その方が自分のためになるし楽しい。二十歳ごろだったか、無性に作曲(経験なし)がしたかった時期。趣味で没頭はじめそうになっていた時に読んだ本にかいてあったのが、、、

現実的に自分のためになっていく事をしろ、作曲なんかしてなんの役に立つのか

的な一行が図星。その言葉の意味に気づいて、即、通信制で勉強始めたんだっけ、なんていうことも思い出しました。

アーロン博士は天職でお金を稼ぐ方法についても言っています。

これはどんなビジネス書とかマーケティングでもいわれてるけど、「自分の好きと世の中のニーズの交わるところをやる」ということ。好きじゃなくても世の中のニーズに応えれば稼ぎは成り立つだろうけど、個人的に長続きするかどうかは「好き」や「得意」の要素が入ってるのと入ってないのは差があるよね。強みを見つける記事はこちら。五感を活かす記事はこちらで書きました。

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