唄うようにピアニカが踊るVIDEOTAPEMUSICの音楽と映像の世界
素敵なセットだなぁ…
会場BGMもゆったりとした世界各国の音楽が流れていてとても優雅
スクリーンに映る間接照明の光と観葉植物、ソファー
間近にセットがあると、まるで映画の中に入ってしまったような空気感に包まれています。
そして山積みのビデオテープ…
そう、
VIDEOTAPEMUSIC One Man Show "アマルコルド"
【※2021年8月6日(金)延期公演】
間もなく開演します。
【ライブ配信】
https://kakubarhythm.zaiko.io/item/341227
2022/03/27 23:59 まで
VIDEOTAPEMUSIC / ''Funny Meal'' 【OFFICIAL MUSIC VIDEO】
まずはビデオさんが律儀な一礼
ピアニカの音と共に映画さながらのオープニングロール
メンバー紹介から始まるライブだなんて、なんて粋なのでしょう。
Amarcord
VIDEOTAPEMUSIC(Pianica/Video)
エマーソン北村(keyboard)
松井泉(Percussion )
潮田雄一(Guitar)
mmm(Vocal/Flute)
高橋一(Trumpet)
増田薫(Sax)
ロボ宙(Rap)
冒頭の文は開演前、ステージの隅にあるセットをぼーっと眺め、会場の緊張感に埋もれてドキドキしながら書いたものです。
そんな思いを抱き、ステージのセットを眺めていたのですが、
「プランを立てたのが1年くらい前な気がして、なんで置こうとしたか分からなくなって(セットを)今日はちょっと途方に暮れちゃって、二人が座ってくれて良かったです」
と、ビデオさん。去年の8月から延期になってしまったライブなので、
そりゃあ一年も前の事は忘れてしまいますよね。本当に今日という日が訪れて良かったです。
松井さんとエマーソンさんがセットのソファーに腰をかけ、ビデオテープを眺めながら休憩しているところがチャーミングでした。
そしてゆっくりとバンドの演奏が始まる。
穏やかな森に居るのか、はたまた海に居るかのような波の音、風の音。
配信で観ると暗闇の中で演奏して、オープニングロールが流れているところがとてもクールですね。
「こんばんは、ビデオテープミュージックです。古今東西、様々なビデオテープに記録された断片を繋ぎ合わせた目眩く映像と音楽の世界。その魅力をを皆さまと共に味わいたいと思います。それでは短い時間ですが、しばしお付き合いください。」
というアナウンスが流れる。このフレーズがとても好きです。
「どうも今晩は、ビデオテープミュージックです。お久しぶりでございます」
とビデオさんが丁寧にご挨拶。
会場は日本橋三井ホールで映画を観ているようなゆったりとしたライブになるのかと思いきや、アップテンポな曲が多く夏を感じられるセットリストでした。その訳は去年の8月に予定していたのが延期になり、そのままのセットリストで演奏したからだそうです。
「2022の夏を先取ったという事で」
と、ギャグを飛ばすビデオさん。まだ春がやっと来たくらいですが、
私たちは完全に2022~夏~を先取りです。
個人的に私もキーボードを演奏する事もあり、ビデオさん、エマーソン北村さんサイドで観ていたのですが、クレイジーケンバンドの「南国列車」のカバーと"Speak Low"の潮田雄一さんのギターの新種の楽器かのような音が格好良すぎて、配信で観れて本当に良かったです。左手の指に金属のようなものを付けて演奏していますね…。
この曲のピアニカのメロディーも心地良いです。
ゲストボーカルにはロボ宙さん。独特なリズムの取り方、ビデオさんと時間の流れ方が似ているのでしょうか。小説のようなリリックの奥行き、メロディーのあるラップがバンドとの相性もとても良く、独特なリズムを保たれていてとても気持ちよかったです。
ラップを聴いていると柄にもなくピース+親指のラップポーズをとって「YO」と言いたくなる気持ちに駆られるのは私だけでしょうか…
そして"amazing world"のとても可愛い映像はなんとロボ宙さんの私物のVHSの映像との事で、ついにロボ宙さんの可愛いさが明るみになってしまいました。
「さっき座ってゆっくり観るのもいいと言ったんですけど、せっかくの曲なんでこのあたりだけ、立ちたい人たってください。ここだけ、ここだけなんで…」
と、とても控えめなビデオさん。
"Kung-Fu Mambo"でラテンのリズムで手拍子をする観客。
「いいです、いい感じです」と優しいビデオさんの一言。
カンフー映画(すみません存じ上げません…)と"Dirty Dancing"がリズムに合わせて行き交う映像はファニーでロマンチック。
"Dirty Dancing"とても好きな映画なのでまた観たくなりました。
この曲の凄まじい破壊力。
そして松井さんのパーカッションが格好良い。
激しく、そして様々なツールや楽器を用いて繊細な音もつくり、何よりも楽しそうに演奏されていました。
このときもサングラス越しには何も見えてなかったのでしょうか…
打ち込みに合わせているのに、皆さんここまでグルーヴが出せるのが本当にすごくてとても感動しました。楽器を心から愛しているような素晴らしい演奏でした。
エマーソン北村さんの持っているスタイルの多さ、振り幅にも知性を感じました。
ジャズ、ラウンジ、ダブ、ラテン…「南国列車」の時のジャズ感"Kung-Fu Mambo"の激しいラテン系のソロパートなど、何度も鳥肌が立ちました。
そして個人的にとても嬉しかったのは、"Cocktail Moon"のmmmさんバージョンが聴けたことです。
mmmさんの歌声は透き通っていて、それでいて力強く、ここかしこハスキーボイスなところ、1オクターブを上げた音階が心地よくて、本家の"Mellow Fellow"とのデュエットなんかも聴いてみたい。
"Yo La Tengo"の"Our Way to Fall"のカバーも素敵でした。
「戦争反対」と言葉を放った高橋一さんのトランペット、増田薫さんのサックスはオープニングの曲で繊細な演奏や"Fiction Romance"のゆったりとしたユニゾンなど、思い出野郎Aチームのときとは、まったく違った顔を魅せてくれました。
ビデオさんのタイム感といいますか、時間の流れ方がゆっくりと丁寧でとても穏やかな時間を過ごせました。
そうかと思えばエキゾチックでダンスチューンで彼自身も楽しそうで気持ちよさそうに演奏してくれて、つい私たちまで笑顔になってしまう魅力があります。
なんとも歌うように吹くピアニカの音はエモーショナルでグルーヴがあって繊細な音がしますね。繊細な息づかいや抜き差しの上手さは、センスというか天性のものですね。
そしてライブはあっという間に終わってしまいました。
各楽器のソロパートになるときに、何度も何度もバンドメンバーを紹介するところも印象的でした。
今はまだ余韻に浸っていますが、この余韻が段々と薄れていってしまうのは勿体ない。
そして会場に観にきた皆さんは帰り道、VIDEOTAPEMUSICの曲を聴いて帰ったのではないでしょうか…
中にはそのままスマホで配信を観て帰った強者もいるかも…
「頑張って続けます」
とMCでビデオさんがおっしゃっていましたが、辞められてしまっては自身を含めた沢山の方が途方に暮れてしまいますので、ご多忙かとは思いますが、お身体に気をつけて、末永く続けて頂きたいです。
ライブは一度きりの清く美しいことろが良さでもありますが、
こちらの配信のカメラワークやVJがとても素晴らしいものでした。
27日でこの配信が観れなくなってしまうのはとても寂しいですね。
【ライブ配信】
https://kakubarhythm.zaiko.io/item/341227
2022/03/27 23:59 まで
あまりにも感動して長く退屈な文章になってしまいましたかね…
また必ずライブに行きたいと思います。
いや、早速こちらにも参ります。
「今日はいい日になったから幸いです」
素敵な時間をありがとうございました。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?