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父と殴りあった日と、父から学ぶ自分の心のレベル。

年が明ける何日か前、父と初めて殴り合いの喧嘩になった。 原因はとても些細なこと。
口論になった時、俺が父に向かって「お前」呼ばわりしたのがきっかけで殴り合いに。

今思えば俺が悪かった。

 父はとても頑固で自分の意見が絶対に正しいと思っているような人だった。

父は中卒で職人の道へ進んだ。
今ではその業界の中である程度名前が知れ渡るほどまでになった。

父が学生の時の家庭環境はあまり良いとは言えなかった。
父の母はその時、既に離婚しており、独り身で深夜まで働いていた。
父は中学生の時から自分の妹の面倒を一人で見ていた。

父は親に頼らず、ずっと自分の力だけで何とか生きてきたという自負があり、その経験と過去が今の頑固な性格を創り上げたのかもしれない。

俺は幼少期からそんな父のことがそんなに好きではなかった。

そのため、父とまともな会話を交わしたことはとても少ないと思う。

口論になった最初のきっかけは
「大学が無駄か無駄じゃないか」
の言い争い。

中卒で、今ではかなりの額を稼げている父にとっては当然、大学は無駄だと考えているようだった。

俺は大学でしかできない経験、大卒と中、高卒の平均的な生涯収入の差などの観点から大学へ行くことを選んだ。

俺は三人兄弟で三男だが二人の兄はどちらも高卒で、兄弟で大学へ進学したのは俺だけだった。
父は兄達のように高卒で働くことを勧めていた。

そこに俺は疑問と反抗心が芽生えた。

父と俺は親子であるにも関わらず考え方は正反対だった。

自分の直感で物事を判断する感覚的な父と、
色んな視点から物事を分析して物事を判断する論理的な俺。

気が合わないことは過去にも多々あった。

しかし、殴り合いにまで発展したのは今回が初めてだった。

俺はずっと

「絶対父みたいな大人にだけはなりたくない」

と心に留めていた。

父は既に40代後半であり20歳の俺とは力の差が歴然としていた。

俺は血を流す父を見て家から飛び出し、友達の家でその日は過ごした。

俺は父に怒りを感じる一方で 親に手を出してしまった という罪悪感もかなりあった。 

翌日、父と話し合うことになり俺は謝るため、自分の家に戻った。

父は笑いながら

「お前が俺に反抗するのはまだ早い、自分の力で飯を食っていけるようになるまでは我慢せんといかんぞ」

とだけ言い残して自分の部屋に戻って行った。

俺が今まで感じたことのない男の優しさと懐の深さを父は持っていた。

父とは20年の関係だが初めて見えた父の意外な一面であった。
父はカッとなりやすい性格ではあるが過去のことはすぐに水に流すような人でもあった。

俺は父に対して初めてこんな感情を抱いた。

「こんな大人になってみたいかも」

と。

俺は今まで父より自分の方がしっかりしていると思っていた。

しかし、俺と父の心の余裕の差、人間的レベルの差は想像の何倍も大きかった。

冷静に考えれば俺の2倍以上長く生きている父に精神面で俺が勝るはずもない。

親子関係、友人関係、仕事関係、皆さんの中には様々な人間関係でのトラブルを経験したこと、目にしたことがあると思う。
自分の意見を伝え、時にはぶつかることだってあると思う。

しかし、誰かがこのようなことを言っていた。

「争いは同じレベルでしか起きない」

と。

どちらかの心が広ければそこで争いが続くことは無い。
そして心が狭かった方はいつか自分の間違いに気づき反省する。

世の中にはその間違いに気づくスピードがとても遅い人間がかなりいると思う。

俺は今回の喧嘩でこの文面では表せないほどの大きな何かを学んだ。

大人から見るとまだまだ未熟な俺は今後、社会で活躍するために頑張る。

いつか両親には恩を返す。

新年を迎えほんの少しだけ自分の成長を感じた。

人間関係で悩んでいる人、
友人と上手くいっていない人、

みんな今が成長のチャンスなのかもしれない。


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