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Authencication v.s. Authorization (cont.) or Author

前回 authorization の関連語として author に行き当たりましたが、その author についてもう少し探ってみたいと思います。


中英語 (Middle English, ME)

Author は中英語においては <th> ではない <ct> あるいは <t> で綴る aucto(u)r, auto(u)r であったようです。

アングロフランス語 (Anglo-French, AF) - 古フランス語 (Old French, OF)

AF はアングロ=ノルマン語 (Anglo-Norman) とも呼ばれますが、<ct> と綴る aucto(u)r がこちらに由来するようです。
一方 <t> と綴る auto(u)r は OF 由来とのこと。
この2経路で流れ込んだ結果として中英語にもバリエーションがあるということのようですね。

ラテン語 (Latin)

KDEE には特に時代の記載がありませんが、さらにラテン語の auctor (物の存在をもたらす者) に遡れるようです。そして、それは augēre (augĕo) の過去分詞である auctus に由来するとのこと。それが意味するところは、増加/促進/創造させることにあるようです。KDEE も author の意味として、著者・作家のみならず創造者・創始者・張本人とか権威者とかが挙げられているので、ラテン語の原義は英語にまで継承されていたようですね。

印欧祖語 (Indo-European, IE)

ラテン語からさらに印欧祖語 *aug- (増加させること) に遡れるようです。
0→1 に増加させることが創造することにつながり、それがさらに作品や執筆へと連綿とつながっているということですね。
そして、権威を与えること (authorize) につながり、それが認可/承認/権限付与 (authorization) といった現代の技術用語にもつながっていると思うと、悠久の歴史を感じますね(凡庸な感想)。

結局違いは?

Authentication が *sene- = to accomplish, achieve つまり成し遂げること・達することなどを意味することから、例えばログイン認証もログインを成し遂げること、システム内部に達することとして理解できそうです。
一方、authorization は増加させること・権威を与えることとイメージすると、システム内部において利用できるサービスを増加させたり、利用することの正当性を権威によって認められたりすることとして理解できそうです。
これでもう混同したりしませんよね、たぶん、知らんけど。

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