モンステラ

浜松市在住。3年間妊活治療に励み、2つの命に恵まれましたが、いずれも流産となりました。…

モンステラ

浜松市在住。3年間妊活治療に励み、2つの命に恵まれましたが、いずれも流産となりました。 ここでは詩を書いていきたいと思っています。日常のこと、景色のこと、溜め込んだ気持ちなど、好きなように描ければと思います。

最近の記事

高野辰之「朧月夜」

 季節外れの歌を口ずさんでいた今日この頃。唱歌「朧月夜」は、美しい日本の風景を美しい言葉で歌った、とにかく美しい曲である。調べてみると、「朧月夜」の作詞をした高野辰之が、故郷の長野県の菜の花畑の光景を歌ったもので、彼はこの他にも「故郷」「春が来た」「春の小川」など、多くの名曲を残している。春の曲が多いように思うが、寒さの厳しい長野県の冬を越して、春が来る喜びは、暖房に頼りっぱなしの私には想像もつかない。暖かい春を喜び、その景色にほっこりする作者の想いが感じられる。  現在の

    • 幸せな妊娠にするために

      <妊娠中> 妊娠を喜ぶ 検診は夫婦2人で行く。心拍を一緒にきく。 何かあればすぐに病院へいく。納得がいくまで質問する。 <赤ちゃんの心拍が止まっていると言われたら> まずは自分の命を一番に考える 痛み止め、夜用ナプキンの準備 一人で病院から帰らない <自然排出> ナプキンから落ちないように慎重に 写真を撮る 袋・ポリ手袋を持ち歩く 検査に出さない場合どうするか病院と相談する <流産手術> 手術前の最後のエコーを夫と見る あめを持っていく ひまつぶしを持っていく YouT

      • お家に布小物

        今日はカタカタ ミシンのおしごと お久しぶりのミシンさん 寸法測って 布を選んで 印をつけてチョキチョキチョキ そしていよいよミシンの出番! かと思いきや アイロンかけるの忘れてた なんて長いのミシンまでの道のり 気を取り直してミシンさん 細い糸をセットして まっすぐ丁寧に縫いましょう 布を抑える手の感触 ミシンを踏む足のさじ加減 カタカタのリズムで布を刺し続ける針 ああ、ああ、これこれ! バラバラな布たちが形になるこの快感 めんどくさい工程もこの瞬間のため さあて、出来上

        • 父親

          帰省したときに、実家の父にはついキツく当たってしまう。幼少期からの恨み、世代間の価値観の違い、男女の視点の違い、いろんなことが溜まっているのかもしれない。その辺にいる70歳のおじさんと思えば流せるのに、父親だと思うといろんな感情が入り混じる。きっと、わかってもらいたいとか、理解してもらいたいとか、まだ心の奥では思っているからだろう。本当に諦めが悪いし、わかってほしいなら話をすればいいのに、その根気はない。 「うちはおじいちゃんが夕飯を作ってくれていた家庭だから、お姉ちゃんも

        高野辰之「朧月夜」

          栃木に帰省

          地元は離れてみないとわからなかったことだらけだなぁとしみじみ思う。今住んでいる浜松に移り住んで早4年。適度に都会で、適度に自然もあり、東にも西にもアクセスが良く、仕事や病院にも恵まれ、かわいい遠州弁を話す優しい人にも恵まれ、快適に過ごしている。けれども、この土地に慣れるほどに地元のことがわかってくるのだから不思議な気分。 栃木は関東平野の端っこにあり、周りは山で囲まれている。私の実家がある鹿沼市では、どこまでも平らに田んぼが広がり、遠くの遠くには山、というより山脈が見える。

          選択

          昨日の夜、おすすめにあがっていたこの題名に目が止まった。なぜなら、2度目の流産をしたとき、真逆の感想を持っていたから。 題名を読んだ時、この記事を読むかどうかとても迷った。とてもとても気にはなるけれど、子供を産んだことに対する幸せに、私が傷ついてしまうかもしれないと思ったから。それでもやっぱり気になって、勇気を持って読んで良かった。 2度目の稽留流産が判明した後、夫は私を道の駅までドライブに連れて行ってくれた。赤ちゃんの心臓は止まっていたけれど、まだ私のお腹の中にいて、つ

          生きる目的

          お盆は北海道へ旅行に行こう 流産後にやっと見つけた生きる目的 実父の喜寿のお祝いを断って お盆は私たち夫婦、家族に時間を使おう 意気込んで買ったガイドブックに たくさん付箋を貼って 飛行機、ホテル、レンタカーを予約する あと、空港の駐車場の予約もとらなくては ご飯は何たべる?予約は必要? このルートで大丈夫?時間は間に合う? どのくらい歩くのかしら 北海道の夏は暑いの?暑さ対策は? 準備のために調べれば調べるほど 旅行の楽しみが増えていく ひとまず北海道に向かって生きてみ

          初々しさ

          初々しさが大切なの 人に対しても世の中に対しても 人を人とも思わなくなったとき 堕落が始まるのね 堕ちてゆくのを 隠そうとしても 隠せなくなった人を何人も見ました    汲む―Y・Yに―   茨木のり子 私が「新卒」だったときに励ましてくれたこの詩は、今でも私の心を癒してくれる。 私が「新卒」だったとき、堕落を隠せなくなった人とはどんな人だろうと想像した。 血も涙も表情もなく、自分の損得だけで生きている人?サイコパスな経営者のこと? いつも怒鳴るあの人?みんなに嫌われて

          生理前

          生理前になると落ち込みやすくなる。 落ち込んでいた感情に気づけと言わんばかりに、私の頭の中で、嫌な記憶が脳内劇場を始める。繰り返し繰り返し、嫌と言うほどに。泣ける動画なんか見たりして、Googleにきいたってわからない悩みを検索したりして、どうしようもなく不安で悲しい気持ちを逃がそうとする。 私、大丈夫?心が壊れてる? とっても心配になって、夫まで振り回して。 なんて思っているうちに、生理が来る。 あー、そういえば生理前だったのか、と私も夫も安心する。 全ては生理のせいで

          他人の五感

          「雨の匂いがする」 と言う人がいる。 「雨に匂いなんかあるの?」 と言う人がいる。 「あの人、機嫌悪そうね。」 と言う人がいる。 「え?全然気づかなかった」 と言う人がいる。 自分の五感が届く世界はとても狭い。 そして他人はこんなにも違う世界を生きているのかと愕然とする。 「きれいな景色を見るのと同じように、  きれいな言葉を読みたいのです」 「きれいな言葉?ナニソレ?」 雨には匂いがあって、人には機嫌がある。 本当に?五感のどの部分で感じるの? 他人の五感が自分の世界

          シャボン玉

          シャボン玉の色は何色だろう。 虹色というほど派手さはなく、 透明というほど地味でもない。 艶やかに儚く浮かぶ、自由なシャボン玉。 庭の芝生の上でシャボン玉を吹く。 遠州のやんちゃな風に乗って、 予想外な動きをするシャボン玉。 腕に突然パチンと衝撃が。 シャボン玉がぶつかったのだ。 こんなに派手に壊れるなんて。 シャボン玉も生きている。 命を吹き込むようにシャボン玉を吹く。 生き生きと動くシャボン玉の生命力は、 庭の芝生や花や木によく馴染む。 それまでこの庭の主役だった植物

          流産

          あるとき私は流産をした。 流産 という言葉には、重苦しく辛い響きがある。  もっと生きていたかった赤ちゃんが、 無理矢理外に流れ出されてしまう響き。 抗うことのでにない流れに、 何もできずに呆然とする母親の響き。 確かに我が子は流れるように生まれてきた。 我が子の心臓が止まり、 私のお腹に鈍い痛みの波が始まる。 ずるりと出てきた我が子の感触。 可愛い我が子と対面し、 両親にお別れを言わせてくれた時間。 濡れたズボンを脱いでお風呂に向かう。 しばらくして胎盤がごそっと出

          やさしい木洩れ陽

          カーテンを開いて 静かな木洩れ陽の やさしさに つつまれたなら きっと 目にうつる 全てのことが メッセージ 松任谷由実「やさしさに包まれたなら」より  魔女の宅急便 エンディング 作詞:荒井由実 作曲:荒井由実 「才能は、出さないと体に悪い」と名言を放ったゆーみんの才能に惚れ惚れする。この言葉の裏の苦悩や喜び思うと、この曲を表に出してくれたことを本当に感謝する。 この曲を口づさみ、佐鳴湖公園の木洩れ陽の下を歩く。景色がとてもやさしく感じられる。 わたあめのような雲が

          やさしい木洩れ陽