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3rd Door 『支援』が目指すところ。

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 前回に引き続き『支援』の全体図について触れていきたいと思います。

 私たち支援者が所属する機関の多くは『福祉施設』と呼ばれ、また2006年に障害者自立支援法(現 障害者総合支援法)が施行されて以降は、私たちの業務が『福祉サービス』と呼ばれることも多くなりました。

 辞書をひけば『福祉』=『幸福』となっていますから、私たちの所属する機関の存在意義や、私たちが行う業務の目的を(最大公約数的に)言うならば、“独力で幸福を追求することが困難な方々を支援すること。”と言えるのだと思います。

 その、私たちにとっては重要な商売道具のひとつである『幸福』について、実は私たち自身がよく知らない、そして結論を出せていないということはないでしょうか?

 それもそのはずで、『幸福』というワードで思い浮かべる像は十人十色、百人百様、千差万別、さらには当人のライフステージやその時々の置かれたシチュエーションによっても変化するでしょうから、まさに『幸福』の姿は“無限”と言ってもいいかもしれません。

 しかしその姿は無限でも、『幸福』が“芽生える”ための条件についてはいくつかの共通項を見つけることができます。
 それは…、

1.ストレス(緊張状態)を回避(予防)できること。

2.ストレス(緊張状態)を軽減(対処)できること。

3.リラックス(解放状態)へ移行できること。

4.チャンス(機会と可能性)を確信できていること。

5.自らのニーズ(欲求)に適応できること。

6.エキサイトメント(興奮状態)を経験できること。

 などです。

 ですが上に挙げた項目のうち6.のエキサイトメントを提供する場所やツール、コンテンツ(私にとっては居酒屋や映画館、演芸場がそれにあたります。)は世に溢れていますので、私たちが敢えて取り扱う領域ではないと思っています。

 ですから私たちは1.~5.のストレスやリラックス、チャンス、ニーズへの適応などの領域で『幸福』の実現可能性を高める、つまり当人が自らの能力や周囲にある有形無形の資源の存在に気づき、扱い方を学び、増やすことで『幸福』の実現可能性を高められることを支援するのだと思います。

 ちなみに5.を『ニーズ(欲求)の達成』ではなく『ニーズ(欲求)への適応』としているのは、ニーズは現実的には達成出来ないもの、してはいけないもの、そしてそれを持つ当人自身が見誤まるものも多々あり、建設的な妥協や断念、違う方向性の模索などが必須となるからです。

 では私たちはどういう支援を行えばそこに貢献できるのでしょうか。

 次回は精神機能や行為・行動といったフィールドに舞台を移して、私たちがヒトの様々な機能がどういう状態にあれば、ストレスやリラックスやチャンスといったものをよりよい状態にしていけるのかについて話を進めていこうと思います。

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