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2020年8月の記事一覧
久留米青春ラプソディ vol.8
(汗と涙の野球部物語 編 最終話)
いよいよ、最後の大会前日。
僕は興奮と不安で落ち着かなかった。
今までの歩みが不思議と頭をよぎる。
入部初日、同級生がたった3人だったこと。
一つ下の経験者メンバーの入部に喜んだこと。
そして、僕が暴力という最低の形でそのメンバー全てを失ったこと。
その後の辛い時期。3年生3人と入学したばかりの1年だけのチーム。勝てない日々が続いた。正確に言うと、
久留米青春ラプソディ vol.7
(汗と涙の野球部物語 編 第6話)
ウメが入部してから、野球部は一段と野球部らしくなった。
特に1年生は<抜群君>のセンスあるバッティングとフィールディングに目を輝かせ、<俊足君>のセフティバントを度肝を抜かれた。ジャンボ君の打球は、はるか対面のソフト部女子を何度も直撃した。
僕はウメとブルペンで久しぶりのバッテリー練習を開始した。小学生時代からから20センチ以上背の伸びた僕のストレートを久
久留米青春ラプソディ vol.6
(汗と涙の野球部物語 編 第5話)
中学校を出るとすでに日は暮れ、少し肌寒い風が僕を通りぬける。
いつもとは違う帰り道。鈍行しかしか止まらない地元の小さな駅をすぎると、長い下り坂が見えてくる。
その坂を降りると右手にウメが住む小さなアパートが見える。
小学生の時に何度か遊びにきたことがあるこの場所にこうして訪れてみるとなんだか不思議な気持ちになった。
僕は自転車を止めると2階の部屋の窓を
久留米青春ラプソディ vol.5
(汗と涙の野球部物語 編 第4話)
いざ、最後の大会まで残り3ヶ月。
元少年野球メンバーに「もう一回野球やろうぜ大作戦」決意するもどこから初めていいかわからない。
どうしたもんかと思いながらチャリンコで学校へ向かっていると、まさにドンピシャのタイミングで<元センターの俊足君>が僕の前を走っている背中が見えた。
彼は僕の家から徒歩1分の場所に住んでいて、少年野球時代、自主練をいつも一緒にやっ
久留米青春ラプソディ vol.4
(汗と涙の野球部物語 編 第3話)
大会までまだ残り3ヶ月。
本来なら最後の追い込みと練習試合での実戦。
それを繰り返し、チームを仕上げていく。
そんな段階で僕らは一つ下の主力6名が退部。残るは3年生3人、入部したばかりの1年生が12人。
1年生の中にはもちろん経験者もいるが、言うてもこの前まで小学生。
到底戦力とは言えないレベルだった。
飛車も角も、桂馬さえもいない。
歩ばかりのチ
久留米青春ラプソディ vol3
(汗と涙の野球部物語 編 第2話)
新チーム発足早々、何となく不穏な空気を感じながらも、僕らは練習を始めた。
やはり1年生中心のチームなだけ、身体も小さく、パワーがない。
どうやったら勝てるか、僕は唯一の経験者として練習メニューを考えた。
ちょこちょこ練習試合をするも、結果は勝ったり、負けたり。
要は強いチームにはちゃんと負けるし、弱いチームにはちゃんと勝てる。
中途半端なチームだった