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昔、ピーターラビットに会いに行ったお話
1991年の夏休み。
イギリスの語学学校に通った最後の週末に、ピーターラビットの故郷、湖水地方のニア・ソーリー村に行きました。
思えば、これが私のひとり旅の原点。
これで味をしめたのだと思います(笑)
当時の旅の記録も、長い年月の経過と共にだいぶ傷んできたので、デジタル化して残そうと記事にしてみました。
文章も、当時書いたものを使っています。
読みやすいように、若干手を入れてますが…。
どうぞ今回は、まだ純粋で乙女なころの、雪花の旅行記をお楽しみくださいませ(笑)
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ピーターラビットが住んでいるのは、ニア・ソーリーという小さな村です。そこへ行くには、まず湖水地方の玄関口であるウィンダミアに行かなくてはなりません。
ケンブリッジ(当時のホームステイ先)からは、何度も列車を乗り換えての長旅です。ですから、朝早く出発したのに、ウィンダミアに到着した時は、もう夕方でした。
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まずは、泊まるところを確保するため、駅のそばのツーリスト・インフォメーションへ。
ヒゲもじゃのおじさんに、宿を探してもらいました。手数料を£3取られてしまいますが、安心して泊まれる所であるのも事実です。
結局、ボーネスの町にあるホテルに決まりました。テクテク、15分ほど歩いて到着です。
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ウィンダミア行きのレイルパス
ホテルと言っても、ごく小さなもので、大きめの普通の民家といった感じです。窓辺には花が飾られ、中でお茶を飲んでいる人の姿が見えます。
期待に満ちてドアを開け、ベルを鳴らすと、ホテルの女主人が、にこやかに笑いながら出てきました。まるで昔からの友人のように、親しげにいろいろ話しかけてくれます。
部屋はこじんまりとしてますが、清潔で、バスももトイレもTVもあります。これで5000円もせずに泊まれるのだから、イギリスって本当に良い国です!
私の部屋の窓は非常口も兼ねていて、階段がついてました。ですから、ドアにはルームナンバーの代わりに、緑色で非常口と書かれているのです。
もし火事でも起きたら、みんなが私の部屋の中を横切って逃げることになるのだなぁと、ちょっと不安な気持ちになりました。
(でも、1番に逃げられますね。)
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朝食付きで£18だったらしい
夕食を食べに、散歩がてらウィンダミア湖の方へ下りてゆきます。
道の両端には、お土産屋さんやレストランなどが並んでいます。家族連れの人が多いのは、やはり観光地だからでしょうか。
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湖は、夕日を浴びてとてもきれい。
水鳥たちがたくさんいて、誰かエサをくれないかとウロウロ歩き回っています。
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狙われている…
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夕食は、チキンとポテトとグリーンピースの一皿盛りに、コーラ。The イギリス定食、といった感じでしょうか。(なかなか、おいしかった。)
翌朝。
いよいよ、ニア・ソーリーに向けて出発!
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ボーネスの町をぬけて、フェリー乗り場まで、フットパスと呼ばれる小道を歩いて行きます。
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小道沿いに、牧草地が広がっています。
羊たちは、のんびりと草を食べたり、木かげで昼寝をしたりしています。
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いよいよフェリーに乗って、対岸に渡ります。
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フェリーといっても、まるで巨大イカダのようなもの。人も車も自転車も、全部乗せていってしまいます。
人間1人は、片道20p。
湖を吹いてくる風が気持ちよく、景色を眺めているうちに、あっという間に向こう岸に着いてしまいます。
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パノラマ風にしてる(笑)
アーサー・ランサムの物語に出てくる湖が、このウィンダミア湖。たくさんある船の中に、ツバメ号やアマゾン号も混じっているかも…?
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フェリーの乗り降り場といっても、何があるわけでもありません。ベンチがポツンとひとつ。屋台のようなアイスクリーム屋さんは、まだ開いてません。
とりあえず、日本人の観光客は先に行かせてしまいましょう。トイレに行ったり、カメラのフィルムを取り換えて時間つぶし。
そして、さあ出発!
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角を曲がれば、もうそこは木々に囲まれた道。
ここからは、車道をテクテク歩いて行きます。
バスも一応あるらしいのですが、週に1便(!)なので、あてになりません。
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ファー・ソーリー
道には人気がなく、たまに自動車が通る程度です。心細かったでしょうって? とんでもない!うれしくて、楽しくて、鼻歌まじりに歩いてましたよ。
しばらくは、湖沿いの道が続きます。それから坂道になり、ハァハァ言いながら丘を登ってゆきます。坂はけっこうきついのですが、美しい景色に見とれながらなので、気になりません。
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気ままなひとり旅の楽しみのひとつは、寄り道が自由にできることでしょう。
だらだら坂に疲れたら、ポツンと置き忘れたようなベンチでひと休み。面白そうな脇道があったら、すかさず試してみるのも大事です。
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道のすぐ脇に、馬がいました。コンニチワと挨拶すると、ニヤリと笑いかけてきました。頭をなでてやると、「もっとして」とでも言いたげに、目を細めました。
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丘の上からの景色は、まるで時が止まったかのような美しさです。
幾重にも丘は連なり、それが見渡す限り続いています。そこでは、羊たちがのんびりと草を食べています。
私はあまりの素晴らしさに、何度も胸が詰まっては、満足のため息をもらしてしまいました。
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緑が美しい
今日は、ここまで。
旅はつづく…
つづきは、こちら
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