雑感記録(243)
【ツッコミ処が満載な罠】
スマホを機種変更してから迷惑メールが引切り無しに届く。
別に従前利用していたスマホにも届いていた訳で、実際問題全く以て気にしてなどはいない。ただ自分で削除したりとそういった手間暇が増えるということだけである。大概キャリアメールの方にそれは届き、「迷惑メールフォルダ」というものがあり、極々稀にそちらにメールが振り分けられる。何だか機能しているようで機能していないみたいな感じで1ユーザーからすると「むむむ…」と考えどころである。
毎日来るので実は結構面白かったりもする。ただ、それは明らかに、どこからどう見ても「これは迷惑メールだ」と判断できるメールだからである。これがもし本物というか、実物にかなり似せて作られているとしたら恐ろしいものである。これを見極めるには仔細にメール文面を読まねばなるまい。しかしだ。最近の人たちはどうもメールですらしっかり読んでいないような節がある。仕事のメールなどは置いておくとしても。
それで、この間、イオンに似せた詐欺メールが届いた。これが非常に巧妙だったもので危うく引っ掛かりそうだった。いくらネットリテラシーがあったとしても引っ掛かるものは引っ掛かるんだなと感心した。いや、そんな場合ではなくて、最後まで行かなくて良かったと思った訳だ。あれでもしカード番号とか諸々入力していたら大変なことになっていたはずだったからである。ぜひ気を付けたいものである。
それで、最近の迷惑メールっていうのは本当に寄せに行っているんだなと思ってやはり関心してしまう。普通に騙されるなとも思う。しかし、その一方で「いや、何言ってんの」みたいなメールも中には届く訳だ。
例えば、つい先程届いたもので言えば警視庁からだ。そもそも警視庁が個人宛にメールを送ってくるとも思えないが、その最初の1行で「これは違うわ!」となった。メール文面を書いてみよう。
一応、実際の番号とかは伏字にしたが、具体的な数字が書かれている訳だ。実際に警視庁のホームページ下部に記載してある住所と電話番号は一致していた。しかしだ、これは調べる調べない以前の問題として、通常あり得ないことである訳だ。
まず、そもそもこんな雑な文面で送ってくる訳無いだろ。しかも、件名が「警視庁について」って何それ…。この本文は全くもって警視庁について何も語られていないではないか。そもそも件名とは1番大事な部分ではないのか。これはビジネスシーンでは当たり前だが、このメールの内容が簡潔に示されなければならない訳だ。今回のメールの目的としては一応「メールを受け取った人に賠償金を払わせたい」ということにある訳だ。それが全く分からない。件名については落第点だ。
もし仮に件名を付けるとしたら何が良いだろうか…。例えば「【重要】警視庁より 賠償金320万円に係るお支払いの件」とか?って待て待て、ここで書いて真似されちゃ困るな…。いやいや、大概こういうことしている人って本当に頭が悪いからどうせ真似も出来ないか。添削してあげた所で別に良くなる訳でも決してないんだから。
あと、これは本当に文句を言いたい。改行しろ!
文章が繋がっててもうごちゃごちゃしている。内容は物凄く簡潔で分かりやすいのに、どうしてこうも分かりにくくしちゃうかな…。改行すれば文章ももっとスッキリすると思うんだよ。例えば1文1文で改行してみるとかさ。
どうよ!さっきよりは分かりやすくなったでしょ。改行するだけで文章がこんなにスッキリするんだよ。だけれども、これじゃ失礼だよな。まだ。だってさ、「私たちは警視庁です」っていきなり書かれたら凄く高圧的な感じがしない?僕は何だかこの1文に凄く腹が立ったのね。例えばだけどさ、「国民の皆様へ」とかさ会社じゃないからあれだけど「平素よりお世話になっております」とかワンクッション入れてくれよって思うんだよね。
いやさ、毎日毎日お世話になっているのはこちらなんだけれども、一応僕らの税金で何とかなっている訳でしょう。だから……ねぇ…。あんまり強くは言えないけれども、紋切型でも良いから一言は欲しいよね。
あと、これがめちゃくちゃ失礼だと思ったんだけど、僕結婚もしてないし、子供もいないのよ。「まさか、自分結婚して子供いるの?」って疑っちゃったけど「そんな訳あるかい、アホがッッ‼‼」ってなったよ。架空の子供が何しでかしたらそんな320万円も払うことになるんだよって段々面白くなってしまった。だから、実を言うとこの時点で前提として既にこのメール自体が成り立たない訳なんだね。既に僕に届いてしまったという時点で破綻している。残念だったな。
例えばさ、これが「親戚」とかいう表現だったら万人には通用するよね。本当に1人ですっていう人は除くけれども。だから「子供」じゃなくて「親戚」って表現すれば良かったかもしれないね。加えて1番の問題点は「どうして賠償金が320万円になったか」という理由が書かれていないよね。いきなり何の説明もないままに「アンタの息子が加害者になった。賠償金払えよ。」って強引過ぎない?だからちょっとこう書き替えてみる?
手直しするとこんな感じか?いやこれが正解かどうか良く知らないけど、大体こんな感じで丁寧に書ければいいんじゃない?とも思うんだが、よくよく調べたら、大きな間違いがやっぱりあるらしい。それは簡単な話で、そもそも「逮捕してすぐに賠償金を払う」ということはありえないということである。まあ、当たり前っちゃ当たり前なんだよな。
試しに調べてみたんだが、そもそも損害賠償請求って方法として3つでさ、これ読むまでもなく思ったんだけれども「逮捕されてるのに、どうやって交渉とか調停とか訴訟が出来るん…。」って思ってしまったんだよ。これは僕が知識不足のせいかも分からないけど、逮捕されたら留置所に行くじゃん。それで拘留される訳でしょ。その間に本人とどうやって話し合うのかな。それに「当事者による話し合い」が原則でしょ。関係ないじゃん、僕。
ということを考えると、おやおや…
そもそも、このメール添削するまでもなく実は破綻しているな…ということが分かる。いや、「あなたなのお子さんが」って言う時点で分かれよ!って話なんだが…。まあ、そんな冗談はさておいて…。色々と詐欺メールを機ね繰り回してみたんだけど、もう大前提が間違えてしまっていては添削というか、手直しの仕様もない訳だ。最初から実は既に完結していたのである。
何だか馬鹿丸出しのようなことをしてしまった訳だが、本当に詐欺メールにはぜひ注意してほしい。これはあくまで面白い馬鹿な1例として挙げている訳なので、非常に分かりやすいメールな訳だ。パッと見ただけですぐに分かる類の詐欺メールである。ところが最初の方でも触れたが、中には巧妙な罠のようなメールもある。
特に自分が登録しているサービスからのメールの時は身構えて欲しい。
まず、落ち着いてそのサービスに登録しているメールアドレスがこの届いたアドレスなのかを確認してみよう。大概、僕はそれで判別している。基本的に僕はキャリアメールで登録していない。だから自分が登録しているサービスからメールが来ることはまず以てない訳だ。だが、それでもメールの文言は煽ってくるような文言ばかりだ。「早く何とかしろ」みたいな文言だ。
こういう詐欺メールはどことなく「急かしている」感じがする。何となくそういう雰囲気を感じたらすぐさま疑うべきだ。それと、これがやはり何だかんだで1番大切なんだが、しっかりメール文言を読み込んで自分自身の中での検証を怠らない事であると思う。落ち着いて調べることが肝心だ。それこそ今はスマホに届くんだから、スマホでそのまま調べてみればいい。読みながら調べればいい。そうすると先程僕が指摘したようなことも分かり、そこに書かれていることが真っ赤な嘘であることが分かる。それに子供いないし…。
まあ、ネットリテラシーも大切だが、やっぱり僕はそれ以前の問題として「読む力」ってのは必要だと思うんだけどな…。
よしなに。
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