アルファポリスで小説書いてます。(第9話)
タイトル変えました。
『かつて魔女だった君へ~異形の怪人と殺戮の乙女~』➡『妖魔祓いは、異端の少女につき。~炎の魔王の子と殺戮の乙女~』
★あらすじ★
人の心の闇に巣食う、 人に害を成す妖魔。
「 私は、 ただのハンターだよ。」
その、少女 は孤高の存在であった。 孤独と 戦いながら妖魔を斬る少女の心 の闇とは? そして青年の心に潜 む妖魔とは?
不老不死で孤高な美少女ハンターと、心の傷を負った青年が戦うダークファンタジーです。
ーその青年の心の中には、怪物が眠っていた。しかも、いつ暴走するか分からない怪物がー
『ダークネス』は、人間に擬態しながら人を養分とし人間界を支配しようと目論んでいた。
★9話1部抜粋↓★
ルミナは、マコトの事が気がかりであった。彼女はメリーに頼み、こちらと向こう側の世界の境界に仮想空間を作り、そこに例の少女のアストリアンを誘導したのだ。メリーにマコトの保護を要請し、彼の住居は仮想空間に転移されたのだった。しかし、どうやらそれは手遅れであり、彼の街は殆どの人間がドールにされてしまい、事態は危機的状況であった。しかし、ドールにされた人間はドール化の進行が30%以内なら、まだ助かる見込みはある。そう思い、サラに頼んで元に戻して貰う事にした。
ルミナは悶々としながら、公園の林の中を歩いていた。特に何かする訳でもなく、かと言って、無駄に動くと、自身やマコトの身が危うい。最近、風の噂でクロスの動きが、怪しくなったと聞き、それは魔王石目当てにマコトに接近しているのだと考えていた。もし、マコトの前世の記憶が蘇り魔力が戻ったら、自分がわざわざ保護する必要もなくなる。ーが、クロスの魔力はとてつもなく強いー。魔王石を奪われ、固有の力スキルを失っても、余裕でマコトを殺傷する事は容易いだろう。マコトの魔力が戻ったら、クロスやその仲間に気配を感じ取られやすくなる恐れがあるのだ。
暫く歩き、池の前まで来ると、ふと、かつての親友が姿を映した様な感じがした。長年共に戦った旧知の間柄ー、それはルミナが唯一長い間、心を許した無二の存在ー。
「なぁ。お前は、どうして欲しい?お前の仇だぜ?」
不意に独り言が出てしまい、ルミナは軽く溜息をした。
何分位、経過したのだろうかー。自分はベンチでうたた寝をしていたらしい。太陽はとっくに沈みかけ、辺り1面を鮮やかな緋色に染めていた。ルミナは、ズボンの右ポケットから懐中時計を取り出すと、時刻は30分程経過していたらしい。針は午後五時を指していた。
すると、エメラルドの閃光が視界を包み込み、眩しさでルミナは目を瞑った。
「こんにちは。ルミナさん。お久しぶり。まさか、こんな所でお会い出来るなんてー。」
近くの大木の枝の上には、つばの傷んだとんがり帽子に季節外れのスカーフ、ブカブカのローブを纏った少女が座っていた。
「お、お前はー、クロスかー?」
ルミナは眼を皿のように丸くし、かつての親友のー、そして好きだった男の仇をまじまじと見ていた。
「あの時はよくも邪魔してくれたわね?天野マコトに私を近づけない算段だったんでしょう?そして、固有の結界を張って私達、アストリアンと呼ばれる存在が、入り込めない様にした訳ね。でも、残念でした。」
クロスはねっとりとした甘い声で優しく語りかける。
「ーふっ。何言ってるんだ?私には他に強力な仲間がいてね。そいつに全て元通りにしてもらったさ。」
ルミナの心臓はバクバクしている。恐怖と怒りとが入り混じった混沌とした不安定な心情で、彼女の身体は沸騰したお湯の様に熱くなりつつあった。
ーコイツだ。コイツが全てをムチャクチャにしたのだ。ー
胸の高鳴りと高揚感、ジリジリした燃えたぎる熱い何かが、ルミナの頭の中を支配していたのだった。
「あら、この右眼は見覚えあるわ。お友達の眼とそっくりー。」
クロスは臆する事なく、無邪気に眼を輝かせた。
「黙れ!お前のせいで、ルチアとカムイはー。」
ルミナの胸の奥から、フツフツとマグマの煮えたぎる熱い感情が、湧き上がった。全ての憎しみが湧き上がり、最早ブレーキが効かない状態であった。
「あら、私のせいじゃないわ。あの子は自ら貴方を助けたのよー。それに、殺したのはあなたよー。」
クロスは小馬鹿にする様な感じで、目を細めている。
「ー黙れ、それもどうせお前が得意に誘導したんだろ!?」
ー殺したのは私ー?ーふざけるなー!ー
ルミナは激昂し、大太刀を構えた。
「あら。やっぱり心当たりがあるのね。ーそうだわ、貴女に良いこと教えてあげる。だからこっちにおいで。」
すると、少女は体全身が、両腕は鞭のようにクネクネうねり、ルミナ向って伸びていった。
「うるさい!」
ルミナは大太刀を構えると、フツフツ煮えたぎる怒りを全開にし、少女に突進した。
「あら、聴き分けのない子。」
クロスの表情が一瞬、能面の様になり、その瞬間ー、枝の先端が、ルミナの額を直撃する。
「ー!?」
ーと、向こうから、ホリゾンブルーのオーラを纏った弾丸が視界を遮った。
木の枝は光を纏いながら爆発し、そして消失した。
ルミナが振り返ると、背後にエリアムとベロニカの姿があった。
★9話全編はこちらから⬇️★
https://www.alphapolis.co.jp/novel/21268198/479656347/episode/6005206
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