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なぜに彼女は出世できなかったか?な話し。


閲覧ありがとうございます。劇場など、多数のいろいろな人が集まる場所に行くと、「あー、ああいう人いたなぁ。」とか、「ちょっと個性的な方だったなぁ」とか、過去に出会った人物を思い出す私です。


今日は、学生のときに、バイトしたホテル内で出会った人の話しを書いておこうと思います。


学生の時、わたしは、ホテルの飲食部門で働いていました。いつも、ロビーのティールームや、独立している和食部門、洋食部門で、シフトを組まれていましたが、結婚式や、何かのパーティー、決起集会などかある場合は、ホールに配属されて、多数のバイトや社員さんたちと仕事をしていました。


社員さんの中でも、仕事ができて、私達、バイトに優しく、忙しい時も暇な時も「態度が変わらない」方は、人気でした。そういう方とシフトが同じだと嬉しく感じたものです。


わたしが良く学ばせていただいた方は入社5年くらいの女性の方で、フルコースのテーブルセッティングも素早く美しく、サービスの仕方も流れるような動きで、わたしは、見とれたものです。


「お飲み物はいかがいたしましょう。」

ある団体さんの夕食のとき、テーブルごとにお飲み物をお聞きすると、

「ペリエをお願いします。」

一人のご婦人がオーダーしたら、「こっちも!」と、隣の年配男性が言ったので、

グラスで、お持ちしたら、

「ちょっと!三矢サイダーなんか頼んでないよ!」


と、男性が言うので、

「泡はガスでございます。」と、返したら

「なにぃ!?ガス入りなんか飲めるか!ガスが入ってないペリエ持ってこい!」

と、怒れられ、(ガス抜きペリエ?、最初から、ミネラルウォーターと言えよ)と、未熟な私はいらっとして、なんと、返そうか、パクパクしていると、社員さんがスッとやってきて、

「申し訳ございません。」

と、スッと炭酸抜きの水と取り替えました。

「え、ペリエって水のこと?ワインかと思った!」

声を張るペリエおじさんの席から遠ざかりながら、

「お客様には、炭酸って言った方がわかるよ。うちらは、ガスって使ってるけどね。」と言われました。

「はい。すみません。」

また、ある時はビュッフェで、ローストビーフの皿の前にずっと立って、取り皿に分けずに直接大皿から、肉片をひょいひょい食べてるギャル曽根みたいなお客様がいたので、(他のお客様にご迷惑だし、牛に失礼だ。てか、痛風は大丈夫か)


ひとこと、注意してやろうと、鼻息あらく、行きかかけたら、その先輩が

「お客様!気が付きませんで、申し訳ありません。
取り皿を追加いたしました。どうぞ。」と、

取り皿を持たせました。

大食いチャレンジを店から断られた風な顔をして、ギャル曽根は、肉片を二、三枚、皿に載せると、離れていきました。


「RIAさん、お客様をやり込めよう、意見しようとか、思ったらダメだよ。お客様の言動は肯定するのが鉄則だよ。」


「はい、わかりました。。」(かたじけない。。)


(ホテルの仕事は大変だ。。本業にはできないや)

わたしたち、バイトから見ても、あの先輩は、素晴らしいホテルマン。ホテルウーマン?でした。


しかし、優秀なのに、チーフ職が空いても、その先輩は、出世しません。年次でも、上の方なのに、管理職のポストからは離れているようでした。

(優秀なのになぜチーフにならないのか。この会社に問題があるのではなかろうか。。)

わたしは、密かにそう断じていました。


しかし、なぜ、彼女が、中々上がらないのか、その
理由がわかる日が来ました。

それは、ある団体のフルコースの日。
フルコースは、テーブルセッティングが大変だし、準備に神経を使います。

みんな、無言で、グラスやらカトラリーやらを慎重にセッティングしていました。

準備が整い、お客様が勢揃いで席につき、わたしたち、サービスする方も、脇に並びます。

「あっ!」

心の中で叫びましたが、向こう側に整列している
スタッフの中にあの先輩がいましたが、みんなが
軽く手を添えて立っている中、一人だけ
腕組みをしていました!


こんな感じ。

まさに仁王立ちで、弟子の稽古を見守る親方のようです。
すぐに、気が付いたチーフに注意されていましたが、、

あとで聞くと、あれは、彼女のクセらしいです。

大きな宴会とか、パーティーとか、緊張を強いる仕事のとき、気合い入れるのか、よくやるそうで、
お客様からしたら、気分が良いものではありません。

直そうとしても、気が緩むと、出てしまう、クセ。


日頃、どんなに仕事ができても、その一瞬で、積み上がったものが崩れたり、違う方向から、見られたりする個人のクセは、やっかいだなと思いました。


あの社員さんは、私がバイトを辞めるまえに、お辞めになりましたが、どこかで、彼女の長所をいかし、活躍されていますようにと、願ってます。



こういうのがあったらいい



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