薬剤師実務実習

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6/07、抗不安薬

本日の実習では抗不安薬を主に取り扱って学習した。本薬局で出される抗不安薬で代表的なものはデパスとコンスタン、リーゼである。デパスは一般名エチゾラム、コンスタンはアルプラゾラム、リーゼはクロチアゼパムである。これらはいずれもベンゾジアゼピン系抗不安薬であり、機序は脳のベンゾジアゼピン受容体(BZD)に作用することでBZD受容体を刺激し、主にGABAの神経伝達を亢進することで催眠・鎮静作用をあらわす。ベンゾジアゼピン系は不安障害、けいれん発作、睡眠障害の適応がある。 これらのベン

    • 4/15、帯状疱疹、単純疱疹

      今日は、帯状疱疹及び単純疱疹について教わった。 帯状疱疹患者: アメナリーフ錠200mg/2T/分1/朝食後/7日分、ゲンタシン軟膏0.1%/1日3〜4回の処方。アメナリーフ(アメナメビル)は抗ヘルペスウイルス薬で、症状が良くなったとしても原則7日間飲み切ることとなっている。皮膚症状や痛みがあっても、7日より長く飲んでも効果がなく、保険適応上7日より長く飲むことは認められていない。またアメナメビルはCYP3A4で代謝されるので、リファンピシンのCYP3A4誘導作用により作用が

      • 4/16、利尿薬

        今日は、利尿薬について教わった。 心不全患者: アゾセミド30mg/2T /分1/昼食後の処方。この患者さんはR5.6までアゾセミド30mgを1.5Tで飲んでいたが、R5.7.5に脱水と診断され1Tに減量、8.3には体重50〜51kg以下のときは飲まないという条件付きで0.5Tに減量された。その後12月に0.5T→1T→1.5T→2Tと増量していき2Tを続け、現在に至る。アゾセミドは心性浮腫、腎性浮腫、肝性浮腫に適応のあるループ利尿薬であるが、急激に利尿作用が現れて脱水をきた

        • 4/17、点鼻薬使い方

          今日は、花粉症に用いられる場合点鼻薬について教わった。 点鼻薬には鼻噴霧用ステロイド薬と第2世代抗ヒスタミン薬、ケミカルメディエーター遊離抑制薬があるが、処方薬としては前者が多い。内服の花粉症薬である抗ヒスタミン系は眠気が出る場合があるが、点鼻薬は直接鼻の症状(くしゃみ、鼻水、鼻詰まり)を抑えるため副作用の心配が少なく、鼻症状に対して強く効くとされる。代表的な鼻噴霧用ステロイド薬には、フルナーゼ(フルチカゾンプロピオン酸エステル)、ナゾネックス(モメタゾンカルボン酸エステル水

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        • 2024、1期
          11本
        • 2024、2期
          15本

        記事

          4/18、19、OTC

          ウエルシアにて、OTCの患者対応について教わった。 ウエルシアにてOTC実習を行い、患者からの聞き取りや症状に見合った薬の勧め方を教わり、実践した。

          4/22、ピロリ菌除菌

          今日は、ピロリ菌除菌療法について教わった。 患者①: ボノサップパック及びラックビーRが処方され、7日飲みきったが薬疹が出たため、プレドニン5とアレロック5が2T分2で処方された。ボノサップパックの処方では、抗菌薬による腸管刺激作用や腸内細菌のバランス変化等で下痢や軟便になりやすいため、ラックビーRが同時に処方された。また、ヘリコバクター・ピロリ除菌後に生じる皮疹として、1)薬剤終了時または直後に生じるアレルギー性薬疹による皮疹、2)薬剤内服終了数日後に生じる治療効果に伴う皮

          4/22、ピロリ菌除菌

          4/23、マクロライド、長期投与

          今日は、マクロライド長期投与について教わった。 患者: クラリス200/35日分の処方。この患者さんは2月に、鼻水•たんの症状を訴え、クラリス200を33日分処方され、現在まで処方が続き、3ヶ月目となっている。クラリス長期投与であることや、鼻水の症状であることから、この患者さんは慢性副鼻腔炎であることが伺える。 通常、抗生物質は耐性菌の出現を抑えるため、長くても2週間程度の処方であるが、マクロライド系の長期投与はびまん性汎細気管支炎や慢性副鼻腔炎、気管支喘息やCOPDに対して

          4/23、マクロライド、長期投与

          4/24、MRA、ケレンディア

          今日は、選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)であるケレンディアについて教わった。 患者①: ケレンディア10mg/1T/分1を追加で処方された。この患者さんはこれまで、エゼミチブ•バイアスピリン•タケキャブ•ビソプロロール•アトルバスタチン•アムロジピン•シュアポスト•トラディアンスが処方されており、脂質異常症•胃障害•心疾患•高血圧症•2型糖尿病に罹患していることが考えられる。 患者②: ケレンディア10mg/1T/分1の追加。この患者さんはH30.6.12から

          4/24、MRA、ケレンディア

          4/26、Fantastic Four、SGLT2

          今日は慢性心不全に適応のあるSGLT2阻害剤について教わった。 近年では、心不全治療薬においてThe Fantastic Four という言葉がある。β遮断薬、アルドステロンブロッカー、ARNI(ACEI/ARB)、SGLT2阻害薬の4種が、現在の心不全治療の核となっていることからこのように呼ばれている。その中でもSGLT2阻害剤のは2019年に慢性心不全への有効性が証明されたばかりである。 患者: トラディアンス配合APの処方。トラディアンスはトラゼンタとジャディアンスの配

          4/26、Fantastic Four、SGLT2

          4/30

          今日は、服薬指導を行い、処方解析をした。 患者: カルベジロール錠2.5mg, ロスバスタチン口腔内崩壊錠2.5mg, ファモチジン口腔内崩壊錠20mg, フォシーガ錠5mg, アムロジピン口腔内崩壊錠5mg, エクア錠50mg, エリキュース錠2.5mg, ルネスタ錠1mg, クラリチン錠10mg, インスリングラルギンBS注キット/300単位/1キット/朝食前5単位 の処方。 この患者さんは、普段酸化マグネシウムを処方されているが、今回は残薬があるため不要とのことだった。

          5/01

          今日は、新患の服薬指導及び処方解析をした。 他院より転院の患者: エリキュース錠5mg, ノイロトロピン錠4単位, メチコバール錠0.5mg, エナラプリルマレイン酸塩錠2.5mg, カルベジロール錠10mg, プラバスタチンNa錠10mg, ベラプロストNa錠20μg, マグミット錠330mgの処方。 まず他院から転院してきた患者さんの場合、他院で出されていた処方と同じ薬である場合がほとんどであるため、お薬手帳を確認し、処方内容が同じであるか否かの確認をする。異なる薬になっ

          5/02

          今日は、薬が変更になった患者さんの服薬指導及び処方解析をした。 患者①: ラシックス錠20mg, ビソプロロールフマル酸塩錠2.5mg, リクシアナ錠15mg, タケキャブ錠10mg, クエン酸第一鉄ナトリウム錠50mg, ジャヌビア錠25mg, カロナール錠300mg, アマルエット1番の処方。 今回カルベジロール2.5mgが中止になり、ラシックス20mgとビソプロロール2.5mgが追加された。この患者さんは心不全を患っており、悪化したことが予想される。実際に不整脈の頻度が

          6/06、高血圧、処方変更

          本日の実習では本日来客され、処方が大きく変わった患者さんについて注目して実習を行った。本日の処方内容の変更としてはバルサルタンを中止し、エンレストとミネブロを追加すると言う内容である。過去の実習でも扱ったが、エンレストはネプリライシン阻害薬のサクビトリルとARBのバルサルタンの配合錠であり、ミネブロはミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MR拮抗薬)である。これらは新しい作用機序の降圧薬であり、より降圧効果を示すように変更になったと考えられる。 この患者さんの背景からだが、本医に

          6/06、高血圧、処方変更

          6/05、PPI以外胃薬

          本日の実習ではPPI以外の胃薬に注目して実習を行った。特にドグマチール、ドンペリドン、ムコスタ、ファモチジン、アシノンなどが本薬局で出される代表的なものである。 ムコスタは胃粘液などの防御因子を増強することで胃腸粘膜保護作用を示す防御因子増強剤と呼ばれる。ドグマチールやドンペリドンは化学受容器引金帯(CTZ)にあるドパミン受容体に結合することで、ドパミンによる刺激を阻害し制吐作用、上部消化管のドパミン受容体への結合の阻害作用により消化管運動を促進させて、飲食物の胃への滞留時間

          6/05、PPI以外胃薬

          6/04、PPI、詳細

          本日の実習では昨日に引き続き、プロトンポンプ阻害薬(PPI)の処方について深く学習した。本薬局ではPPIの処方は要因は様々だが逆流性食道炎の改善のためが多い。用いられる薬剤としてはパリエット、ネキシウム、オメプラゾール、タケプロン、タケキャプが代表的なものである。本日はこれらの使用法や性質などのの違いについて学習した。 本薬局に来客する逆流性食道炎の患者さんには長期的に服用している方が多い。PPIを逆流性食道炎へ用いる場合、初期治療と再発・再燃の場合で用量が異なることが多い。

          6/03、PPI

          本日の実習ではプロトンポンプ阻害薬(PPI)に注目して学習した。  PPIは酸で活性化し、胃粘膜壁細胞の酵素H+,K+-ATPaseを阻害し、H2受容体拮抗薬よりも強力に胃酸分泌を抑制することで消化性潰瘍や逆流性食道炎などによる胃痛や胸やけなどの症状を改善する。また、特にボノプラザンであるタケキャプは薬効は同様だか酸による活性化を必要とせず、カリウムイオンに競合する形でH+,K+-ATPaseを可逆的に阻害し、酸分泌抑制作用を示す。 本薬局ではオメプラゾール、ランソプラゾール