4/22、ピロリ菌除菌

今日は、ピロリ菌除菌療法について教わった。
患者①: ボノサップパック及びラックビーRが処方され、7日飲みきったが薬疹が出たため、プレドニン5とアレロック5が2T分2で処方された。ボノサップパックの処方では、抗菌薬による腸管刺激作用や腸内細菌のバランス変化等で下痢や軟便になりやすいため、ラックビーRが同時に処方された。また、ヘリコバクター・ピロリ除菌後に生じる皮疹として、1)薬剤終了時または直後に生じるアレルギー性薬疹による皮疹、2)薬剤内服終了数日後に生じる治療効果に伴う皮疹の例は少なくなく、特にアモキシシリンによるアレルギー性薬疹は、可能性を知っていなければならない。
患者②: ボノピオンパックの処方。ボノサップパックを7日間飲みきり、問題もなかったが、除菌に失敗しており、今回ボノピオンパックが処方された。
ピロリ菌除菌療法を行う患者さんは、まず内視鏡検査または造影検査で胃潰瘍や十二指腸潰瘍であるかなど、除菌療法対象の疾患があるか調べる。対象疾患である場合、胃生検や尿素呼気試験などでピロリ菌の感染があるかを調べ、検査の結果、ピロリ菌に感染している場合は、除菌療法を受ける。一次除菌療法は、1回分として、ボノプラザン20mg•アモキシシリン250mg(3T)•クラリスロマイシン200mg(1Tor2T)の計5(6)錠が1日2回分で1パックになったボノサップパック400(800)を、7日間服用する。7日間飲み終えた後、もとの疾患(胃潰瘍や胃がんなど)の治療を行い、4週間以上開けて再びピロリ菌の検査をする。除菌が成功していた場合はもとの疾患の治療を継続するが、失敗していた場合は二次除菌療法を行う。二次除菌療法は、1回分としてボノプラザン20mg•アモキシシリン250mg(3T)•メトロニダゾール250mgの計5錠が1日2回で1パックになったボノピオンパックを7日間服用し、4週間(以上)後再度ピロリ菌検査をする。一次除菌について、ボノサップパックには400と800があるが、クラリスロマイシンの1日量が400mg又は800mgという違いがある。この違いによる除菌率の差はないとされているが、喫煙者では800の方が効果が高いとの報告もある。また、パックに含まれる薬の効果は、胃酸抑制•抗菌•抗菌であり、これは胃内pHを上昇させることでピロリ菌の繁殖環境を奪い、抗菌薬の効果を高めるためである。ボノピオンパックの特徴は、ボノサップパックではクラリスロマイシンであった抗菌薬が、メトロニダゾールに変わっている点である。両パック共に7日間中止せず、飲みきりとなっているが、これは耐性菌の出現を抑えるためである。すなわち、一次除菌で除菌に失敗した場合、クラリスロマイシン耐性ピロリ菌が出現していることが考えられるため、抗菌薬がメトロニダゾールに変更となっている。
ボノサップやボノピオンにはボノプラザン(胃酸抑制薬)が含まれるため、他に胃薬を服用している場合には、それらを中止しなくてはならない。また、酒やタバコは胃内pHを下げ、除菌率が下がるため、除菌療法中は控えるよう指導する。
薬の飲み方や、効果を下げないための注意点、現れやすい副作用やその予兆などの知識を持ち、様々な面から患者さんをフォローすることで適切な治療が行われると学んだ。

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