4/23、マクロライド、長期投与

今日は、マクロライド長期投与について教わった。
患者: クラリス200/35日分の処方。この患者さんは2月に、鼻水•たんの症状を訴え、クラリス200を33日分処方され、現在まで処方が続き、3ヶ月目となっている。クラリス長期投与であることや、鼻水の症状であることから、この患者さんは慢性副鼻腔炎であることが伺える。
通常、抗生物質は耐性菌の出現を抑えるため、長くても2週間程度の処方であるが、マクロライド系の長期投与はびまん性汎細気管支炎や慢性副鼻腔炎、気管支喘息やCOPDに対して治療効果を示す。特に慢性副鼻腔炎では、副鼻腔の絨毛の機能が傷害されており、以前までは絨毛の機能障害を回復させる手立てがなく、副鼻腔根治手術によってこの粘膜を完全に除去する治療が主であった。現在は慢性副鼻腔炎の治療として、ニューマクロライドと呼ばれるクラリスロマイシンやロキスロマイシンを常用量の半量を2〜6ヶ月投与する。マクロライド少量長期療法は殺菌作用ではなく、抗炎症作用、免疫系への作用、細菌のバイオフォルム形成や付着抑制作用により副鼻腔絨毛機能を改善する効果を目的として行われる。実際に、治療成績が除菌効果と無関係であることや、マクロライド耐性菌である緑膿菌感染例でも有効であることが報告されており、殺菌作用ではなく二次作用が効果を示すと考えられる。
クラリス=抗菌薬と座学的覚え方だけでなく、二次的作用に治療効果を期待する薬は少なくない。処方薬に限らず、二次作用や副作用を利用したOTCもあり、常に情報をキャッチすることを怠ってはいけないと感じた。

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