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事業再生の実際

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実体験として事業を再生した経験に基づいて、その時に得られた学びや実際の出来事について書きます。
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2022年11月の記事一覧

事業再生のこと−38

事業再生のこと−38

●広報宣伝の効果

グラフィックデザイナーをしていた時、自分たちの仕事の支払いが各クライアントの「広報宣伝費」から捻出されていることは分かっていましたが、実際のところ広報宣伝費がどこからどうやって捻出されているかはあまり分かっていませんでした。
ただ、広報宣伝の仕事が企業全体の売上に関係していることはわかります。
ではどのように関連しているのでしょうか?また、広報宣伝費は売上の何%位使えるのでしょ

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事業再生のこと−37

事業再生のこと−37

●実際に起こった問題について

「バブルの崩壊」

最初に起こったのは「バブルの崩壊」。
前兆はありました。
私はその頃グラフィックデザインの仕事をしていて、大手上場企業の入社案内などのリクルート関連の制作物を作っていました。
平成元年に独立した頃はまだバブル景気が残っていました。
皆が浮かれてボーナスの額は跳ね上がり、DCブランド花ざかりで数万円もするジャケットやボディコンのドレスを身にまとい皆

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事業再生のこと−36

事業再生のこと−36

実際に再生をしている私たちの現実をお話ししたいと思います。
2011年に開業したカフェを事業転換して菓子製造販売に集中し、順調に事業を拡大してきました。
現在の私たちは事業拡大のための岐路に立っています。

●決断すること

「決断する」と言ってもポジティブな決断だけではありません。
ネガティブな「決断」もやはり決断には違いありません。
皆さんは現在の景気の動向をどう予測しているでしょうか?
円安

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事業再生のこと−35

事業再生のこと−35

ここからは近未来の話。
つまり私たちのこれからの事業活動について書きましょう。
皆さんもこの3年は激動の日々だったと思います。
感染症の蔓延による顧客の喪失、他国の侵略戦争による円安、物価高による経営の圧迫。
残念ながら来年にかけてこの状況が好転するとは考えづらい状況です。

●デジタル化による経済の変化

日本のデジタル庁もようやく動きそうな気配ですが、
しかし、まだまだ公共サービスの分野での導

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事業再生のこと−34

事業再生のこと−34

駅ナカでの催事出店が最良の方法だと考えた理由はいくつかあります。
私たちの店舗周辺の商圏はすでに私たちが望んでいる商圏ではなくなっていました。店舗は移動できません。だったら私たちが私たちに合った商圏に出向くしかない。その方法として「駅ナカ」での催事を選びました。

●駅ナカという商圏の特性

「駅ナカ」という立地は商圏として幾つかの条件が整っていました。
●私たち出店者側が準備しなくても
クライア

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事業再生のこと−33

事業再生のこと−33

マクロな話がメインになってしまっているので、
もう少し地面に足がついた話に戻して書いてゆきたいと思います。

年商160万円程度の零細事業をどのようにして立て直したのかについて、
順を追って説明したいと思います。
2019年、私たちは二つの事業を行っていました。
一つは2007年より始めた「レザークラフトスクール」の事業。そしてもう一つは2011年より始めた「カフェ」の軽飲食の事業。
レザークラフ

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事業再生のこと−32

事業再生のこと−32

小さな会社に出来ることは限られています。
現在小規模事業者は6万件を超え、全体の99.5%は中小企業だと言えます。
年商が5,000万円程度の会社で事業転換しなければならなくなった時、それにかかる費用は馬鹿にならない金額になるでしょう。

●事業の転換に必要な費用

●売上高-外部コスト=限界利益
●限界利益-固定費=経常利益(限界利益×20%)

例えば事業転換のために海外向けのECサイトを立ち

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