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長期的な目標や計画を立てるのが苦手な人にオススメしたい「ライフデザイン論」〜その方法について解説している著者4名の意見を並べてみた〜


はじめに

先月、書籍『メモの魔力』を読んだ際に「モチベーションの2つの類型」について書いてありました。
 
この分け方と特徴に対して、既視感があった私は覚えている範囲で似た説を提唱している著者の見解を並べてみようと思ったのがこの記事の主旨です。
 
その著者は4人です。

パイオニア的な2人とここ数年でブレイクしている2人でしたが、共通項があり、面白かったです。
 
・中長期の将来を描くのが苦手
・目標に日付をいれてもモチベーションが上がらない

 
という方に特に参考になる記事かと思います。

ベストセラー 「メモの魔力」著者、前田裕二氏の見解

モチベーションの2つの類型

(1)トップダウン型
コンパス(価値観の軸)との関連度が重要度を決める。
目標、ゴールから逆算する。
 
(2)ボトムアップ型
「自分がワクワクする度合い」で重要度を決める人。
自分が一番血湧き肉躍る、ワクワクすることを選べばいい。
目の前の面白そうなことに飛びつくことで日々の行動が決まっていく

本人補足/解説

上記2つの中間であるハイブリッド型があるということも言及している。
 
本人は、基本的にはゴールが先にある「トップダウン型」だが、最近は少し変化しつつある。ベースの性格としても、ゴールに向かって走ることに喜びを覚えるタイプ。ただ、仲の良い友人たちにボトムアップ型の人が多くなってきたため、引きずり込まれてきているとのこと。以前は楽しいかどうかは関係なく、目標達成にどのくらい貢献度が高いかで優先順位を決めていたが、変わってきたとのこと。

参考書籍

ベストセラー 「転職の思考法」著者、北野唯我氏の見解

仕事における「楽しみ」について2つのタイプ

人間には、「何をするか」に重きをおくto do型の人間と、
「どんな人でありたいか、どんな状態でありたいか」を重視するbeing型の人間がいる。

(1)to do型
仕事の楽しみを「コト」で語るタイプ。「何をするか」に重きをおき、物事を考える。明確な夢や目標を持っている。
 
(2)being型
仕事の楽しみを「状態」で語るタイプ。どんな人でありたいか、どんな状態でありたいかを重視する。最終的に重要なのは「やりたいこと」より「状態」。そのため、心から楽しめることは必要ない。ある程度なら好きなものを見つけられる。そのためには、得意なことを好きなことに近づけること。前提として、このタイプの人間にとって好きなことは見つけるものではなく、見失うもの。

being型にとって重要な2つの状態

(1)自分の状態
自分が適切な強さを持てているか。自分を信頼できているか。
(2)環境の状態
自分に合った「緊張と緩和のバランス」の環境か。

being型がやりたいことを見つける方法

(1)他の人から上手だと言われるが「自分ではピンとこないもの」から探す方法
(2)普段の仕事の中で「まったくストレスを感じないこと」から探す方法

補足

99%の人間がbeing型、99%の人間は心からやりたいことという幻想を探し求めて、彷徨うことが多い。なぜなら、世の中に溢れている成功哲学は、たった1%しかいないto do型の人間が書いたものだから。両者は、成功するための方法論が違う。

参考書籍

累計800万部ベストセラー作家本田健氏の見解

願望達成2つのタイプ

(1)目標型
当然のように目標を立てる。目標型は前しか見ないんです。友達が飲みに行こう、いや仕事があるからというタイプ。恋愛でも、絶対この人だ!といってアプローチしていく。落とし穴は、計画を達成するために、無理をしがちになる。ときには、自分だけでなく、家族やチームにまで無理を要求してしまう。
 
目標型の上司は、展開型の部下を「ガサツだ、段取りが悪い」と責め、不良品の烙印を押してしまいがち。展開型の部下は、目標型の上司を「融通がきかない、クリエイティブじゃない」と責める。特に、実績を出している人ほど、自分の基準で物事を考えて、相手に押し付けがちです。親子、夫婦の場合にも、同様。

(2)展開型
目標を立てると人生は制限されてしまう。人生は自由に展開するから楽しい。色々やってたら誰かに人を紹介されて、そこにいったらまた新しい出会いがあってというタイプ。落とし穴は、漂流型タイプの人もいるということ。ただ流されていてもダメ。展開型の人は、お任せすればなんとかなると思うが、それだけだと弱い。漂流したときにエンジンが1つついてたらどこでもいける。漂流型の人はただ帆を張って早く風よ来いという人なので、展開型の人もエネルギーを変えるためにも自分からしかけるのが大事。

補足1 大事なことはどちらも使いこなせること

本田健氏自身は、方向性には目標型。世界的ベストセラー作家。プロセスは、展開型。10年あったとしても同じ仕事だけしていたら成長がない。自分が無理だっていう目標を立てないとそこから出れない。両方ないと本当に面白い人生は生きられない。
 
例えば、目標型の人は友達の飲みの誘いにいくとそこで契約が取れたりする。実はもっと早くいけるようになる。
 
今まで使ってない方のエネルギーを使ったらいい。目標の人はリラックス。展開の人はこっちから提案してみようというのも大事。それによって仕事の幅が広がったり、恋愛の幅が広がったりする。

補足2 両方使いこなす上で邪魔するプライド

問題は、それぞれにプライドがある。逆をやるとプライドが邪魔する。これまでやってきたことに自信があるからやるけど、すごい中途半端になってしまう。展開型もそう。展開しているようだけど、同じ面をぐるぐる回っている。
 
目標型の人は俺はかっちりやってるからできてると思う。展開型の人は俺は売り込んだりとか目標立てたりしてないからうまくいくんだ。恋愛も。私は1回も好きってこっちからいったことがない。向こうから言ってもらうばっかりだったら本当の恋愛できなかったりする。本当に好きな人のところにいけなくなる。好きだと言われる人と付き合ってたら大した恋愛にならない。断れるかもしれない、ワクワクして絶対断られると思っていくといい。目標型の人は絶対この人だ!この人じゃないかもしれない。そういう場合にはちょっと目標外してみる。展開型の人は成り行きに任せてるけど、これは成り行きじゃなくてがっつりいってもいいんじゃないか。

参考動画はこちら

元オリンピック金メダリストコーチ 平本あきお氏の見解

成功に向かう2つの傾向

(1)ビジョン型
将来の夢や目標から発想したほうが動機付けられる人。未来への実現がやる気を引き出す。未来を決めて、そこから今を捉えるほうがいい人。5年後、10年後に、こうしたい、ということを発想してから今を考えていく方がやる気が出る。
 
何年後にあれを実現させたい、という場面をありありと思い描いてもらって、「それの何がいいのか、自分にとって何が大事か」と問いかけることで価値観が見えてくる。
キーワードは、「夢」「目標」。
 
(2)価値観型
自分のこだわりや価値観に沿って、日々それを満たしているうちに充実した人生を送れる人。今、大事なものを満たす方がやる気が出る。毎日毎日、自分の大事なものを満たして積み上げていくほうが、やる気がでる人。何年後どうしたいというよりは、「自分にとって今、何が大事か」という価値観を、日々の仕事で満たしているかどうかが大事。
 
この傾向が強い人にとっては、仕事の業種や触手を特定することは重要ではない。自分の価値観が満たされるかどうかが大事。

未来が浮かばない分、不安になってしまうことがある。その代わり、自分が大事にしたいこと(価値観)に沿って今の仕事ができているか、もし転職するとしたら、それを満たせるかどうかを基準にすること。
 
価値観型といっても、ビジョンが出ないわけではない。価値観傾向が強い人がビジョンを出すには、まず、充実していたことや楽しかったこと、やりがいを感じたときなど、過去の具体的な場面を掘り出していき、それの何が良かったか、そして自分にとって何が大事か(価値観)を引き出します。じゃぁ、そんな価値観が満たせる未来って、どんな未来だろう?と問いかけていくことで、将来のビジョンが出てきます。
キーワードは、「自分らしさ」「こだわり」「大事なもの」。

参考記事はこちら。

まとめ

これまで4名の見解を見てきましたが、大枠としては共通していますね。
 
まとめとしては、人には

「未来に叶えたいコトと計画性」を重視するタイプ

「自分の状態と不確実性」を重視するタイプ

という2つの傾向があり、まずは自分の傾向を理解し、それに合う方法を選んでいくこと。
 
その上で、

どちらかだけに偏るのではなく、場面によってもう片方の傾向もうまく活かしながらやっていくことが重要

ということですね。
 
本田健氏、平本あきお氏が(書籍で確認できる範囲では)この説を提唱し始めたのは2005年、2006年頃なので、おそらくパオイニアなのではないかと推測します。平本氏は、80%くらいの日本人価値観型と書いていました。
 
ちなみに、1996年〜1999年あたりで7つの習慣やナポレオンヒルの書籍が出版されています。これらは、まさにトップダウン/todo/目標/ビジョンタイプの成功哲学について書かれた書籍です。このカウンターとして、両氏の理論が発掘されたという見立てをしてみても面白いですね。
 
私は、ボトムアップ/being/展開/価値観タイプの人間だったのですが、夢ややりたいことについて目覚めた時(2006年頃)には自分ではそんな区分があるなど分かるはずもないし、
 
そういうジャンルといえば「トップダウン/todo/目標/ビジョンタイプ」の書籍に辿り着くので、どんなに書き出してみても5年後10年後の将来がイメージできない自分を責めたり苦しみましたね 笑
 
このあたりは別途、個人の経験談として書きたいなぁと思います。
 
最後に、一番情報が整理、体系化されてまとまっているのは平本あきお氏だと私は思っているので、トップダウン/todo/目標/ビジョンではないと感じている方は、ぜひ先に紹介した記事を詳しく読んでみることをオススメします。
 
ちなみに、平本あきお氏は、年始に1年のドリームキックオフというイベントを開催しています。

ドリームキックオフとは?
「価値観」と「ビジョン」を明確にし、現実のアクションプランに落とし込んでいくことで、その1年をデザインする半日の大型セミナー。

私は一度参加したことがありますが、ボトムアップ/being/展開/価値観タイプの傾向に合わせたワークの設計になっていて、この手のイベントに参加した中でもっとも納得度の高いアウトプットを出すことができました。(もっと早く知っていればと思ったほどです)
 
また、転職という文脈では書籍「転職の思考法」が、ボトムアップ/being/展開/価値観タイプがどうすればいいのかを具体的に紹介しているので、より「転職」を意識している方はそちらも合わせて読むのがいいかもしれません。
 
参考になれば幸いです。

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