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FACTFULNESS(ファクトフルネス)を読んだら7つの習慣をオススメしたくなった。


書籍『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』を読みました。

分厚いですが、事例として紹介されている筆者の体験ストーリーが多く、文体も優しいのでとても読みやすい本でした。
 
この書籍では、私たちの持つ10の思い込みが「〜本能」という形で紹介されています。また、同時に思い込みから抜け出すためのヒントも書かれています。

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この10の思い込みを見ているときにふと思ったのは、これは効率至上の資本主義社会において、私たちが知らぬ間に教育されていた結果、強化された個々人の傾向なのではないかということです。いや、資本主義だけではなく統治者によるプロパガンダ、その他マスメディアの情報によっても上記の本能を刺激されてきたと思えます。
 
ということは裏を返せば、統治する側から見ると、これらを刺激すると民をうまくコントロールできるよというマニュアルでもあるのかもしれません。

私たち人間の脳は大きく3階層に分かれていて、脳幹から順番に進化していったそうです。(書籍『三つの脳の進化』ポール・D・マクリーン著参照)
 
■脳幹(爬虫類の脳)
 無意識に行う呼吸や血液循環など生命維持の働きを担当。反射の脳。

■大脳辺縁系(哺乳類の脳)
 快・不快といった感情、欲望が生まれる情動の脳。

■大脳新皮質(人間の脳)
 言語機能、学習能力、創造性、空間把握など理性の脳。

その中でも、爬虫類脳は、もっとも古い脳であり、反射的。また、縄張りに対しての防衛本能があったり、過去の経験則にこだわり、新しいことは嫌いという性質もあるそうです。おそらく、脳のこの部位が刺激され優位になっている現代人が多いのでしょう。
 
私が尊敬する教育者の方が「あなたは生息していますか?生活していますか?」という提起をしています。生息とは、息をして生きている状態。生活とは、自らを活かして生きている状態。上記の10の本能に振り回されているというのは前者の生息していることと同義なのではないでしょうか。また、言い換えれば、自身の動物的部分しか発揮できておらず、「自分を活かす可能性」を秘めている状態とも言えるでしょう。
 
数千年以上続いてきた「情報が非対称だったヒエラルキー(三角形)」の時代から、インターネットのおかげでポジネガ、広範囲の情報を手に入れやすくなり、円形の自律分散社会を実現していく要素が整ってきています。そういう意味で、この書籍は、私たちが気づかないうちに何に囲まれて生きているのか、何を感じさせられて生きているのかについて気がつかせてくれるものでもあると思います。
 
また、この書籍には10の本能それぞれの対策について書かれていますが、一言で言えば「情報・出来事に反応的に生きないようにしよう」ということなのではないでしょうか。
 
自己啓発書の世界的名著『7つの習慣』の第1の習慣で語られている「刺激と反応のモデル」という話があります。反応には刺激即反応と主体的反応という2種類があり、前者は出来事(外部からの刺激)に対して反射的に、反応を選びます。だからこそ、感情的な対応になり、かつその対応に対する責任をおう準備ができていません。後者は、出来事(外部からの刺激)に対して、スペース(間)をあけて、自分でどのように対応するかを判断し、選択する姿勢のことを指します。自分で選んだからこそ、責任をおう準備ができていると言えます。

第1の習慣は「主体性を発揮する」というテーマであり、このどんな出来事に対しても自ら選択できる、言い換えると、出来事の奴隷ではないということを意味しています。とはいえ、特定の感情が起こることに慣れない限りは、なかなかマネジメントしていくことができません。この点において、『FACTFULNESS(ファクトフルネス) 』は刺激と反応の間を拡張し、自ら選択することを助けてくれるものでもあるのではないでしょうか。
 
しかし、この書籍を読んだとしても「自分がどう選びたいのか?」はちっとも明確にはなりません。(当たり前だ!)
 
この書籍の内容だけでは、風邪を引かないようにするために気をつけているだけで、健康だったら何をしたいのか?は自分で何とかするしかありません。もし、この何をしたいのか?が明確ではない方が次に読むオススメ書籍は『7つの習慣』なのかもしれません。

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