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ソースプリンシプルを活用するということは、カリスマ的なリーダー・権力者の体制に逆戻りなのでは?

はじめに

Leadermorphosisというポッドキャストがあります。

こちらは、ホストのLisa Gillが「新しい働き方」「指導方法」などの最先端にいる世界中の実践者、作家、思想家との話をお届けするものです。過去には、「ティール組織」著者のフレデリック・ラルーも出演したことがあります。

Lisa Gillのプロフィール(ポッドキャストから引用)

リサは、セルフマネジメントチームとの取り組みが評価され、Thinkers50 Radar 2020 に選ばれており、『Moose Heads on the Table: Stories About Self-Manageing Organisation fromスウェーデン』(2020)の著者でもあります。彼女は組織自己管理コーチ、タフ・リーダーシップ・トレーニングのトレーナー、そしてReimaginaireの創設者です。

今回は、「ソースプリンシプル」提唱者のピーター・カーニックが出演した時のものから、「ソースプリンシプルを活用するということは、カリスマ的なリーダー・権力者の体制に逆戻りなのでは?」というテーマについて語っている箇所を引用・翻訳してお届けします。

ソースプリンシプルを活用するということは、カリスマ的なリーダー・権力者の体制に逆戻りなのでは?

番組のホストであるリサギルはこんなテーマを投げかけます。

『自律分散化とは、従来型のヒエラルキーを脱却する方向性に位置付けられているにも関わらず、ソースプリンシプルは、否定すべきカリスマ的なリーダー・権力者を想起させるのではないか

こちらについて補足すると、ソースが自身のイニシアチブ(フィールド)に対してある種の創造的な権威を持っていることが「カリスマ的なリーダー・権力者」を想起させるのでは?と言っている模様。

ここで言われている避けたいカリスマ的なリーダー・権力者とは、言ってみれば近代化において大量生産が最適解だった時代に適した工場パラダイム(上司・先輩・その最たる人物が経営者が正解を知っていて、現場は上に従っていた方が効率がいい)に基づく組織における人事権・決裁権を持つ役職者のことを指していると言えるでしょう。(言い換えれば、現場とのギャップがあっても覆すことが困難な組織)

また、リサギルは

ソースが、「フィールド内において、ある種の権威を持っていること(強さ)」「謙虚、傷つきやすいビジョナリーであること(弱さ)」という相反するように思える2つの側面を持つというのは矛盾のように思えるし、受け入れるには、パラダイムシフトが必要だ

というようなことも言っていました。

そんなコメントに対するピーターのコメントはこちらです。

『あなたが言うようにこれは矛盾しています。なぜなら、私たちはある意味でヒエラルキー(階層)と呼ばれるものを依然として可能にしているから。ですが、これは異なる種類の階層です。

これは古いヒエラルキーではなく、同時に、イデオロギー的に亡くなった人たちが理想とした組織のフラット化を、私たちは実際に実現しています。

このパラダイムシフトを理解する意識を持つことによってのみ、それを本当に理解することができます』

このピーターのいう「異なる階層」とは、ソースプリンシプルのプラクティショナーであり、書籍『すべては1人から始まる――ビッグアイデアに向かって人と組織が動き出す「ソース原理」の力』の原著者であるトムニクソンが、書籍の中で紹介している「Creative authority (創造的な権威)に基づく階層」のことを指していると思われます。

さいごに

今回のテーマ(リサギルの言う懸念)は、同様の感覚を持った人がこの「Creative authority (創造的な権威)に基づく階層」によってもたらされる恩恵が体験を通じて実感することができれば、自然に解消されるものだと思えます。

では、そのためにはどうすればいいのか?という問いに対する答えは、私の個人的な考えとしては、自身がソースとして始める経験をしてみることなのではないでしょうか。


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