2023.1月(10冊ログ)
毎月、読んだ本から「10冊」紹介しています。
1. #彼女 #戸田恵梨香
私かと思いました。外見じゃなく思考です。心理学、哲学を持って自分を成長しつづけることを選んで、生死について考え続け、脳が休まらない、突然孤独感に苛まれる日々こそが。
厄介な自分を内省しながら、他人の救いを探してきた彼女の経験と学びから今導き出した次の1歩の答えは、私にとってとても勇気になりました。大きなヒントを見つけて私ももう一歩前進してみようと思います。
これを読んで共感いただける方がいたら、この本はあなたの救いになるかもしれません。多分、あなたが今そっちに向かっていることは信じていい。大丈夫。
優しさと愛情、女性であることを知ること、知ってもらうこと、運と縁を信じること、彼女の考え方をよくぞ言葉にして世に出してくれたなって思います。
私自身が運よくありがたいご縁で人さまに拾ってもらって生きてきたので、その時々の誰にどう振る舞えば生きていけるかって考えたことが、そのまま彼女の演じる役への想いや関わる人たちへの感謝を通じて自分を投影したセラピーみたいな感覚でした。
2. #おつかれ今日の私 #ジェーンスー
しんどいとか、自信がないとか、そんな気持ちを雪崩のごとくドンピシャで代弁してくれます。しかもその流れる感じが癒しに思える文体です。
本書にある“「頑張り」と「報い」は正比例しない”これぞまさに。これを感じるからこそ、おつかれさまを言うのかもしれません。そうじゃないと報いが足りないのかもしれません。だったらもう頑張るのはやめてしまってもいいのかもしれない。頑張ってしまう人にお勧めの本です。
3.#The Way of Nagomi #茂木 健一郎
「和」これを説明することができますか?私はこの本を通じて、日本人の感覚の中に散りばめられているスピリットだと思いました。日本人の粋を広めてくれているなんて、すばらしい良書です。
実際は深い理解で生活したり、和食を作り、お弁当を作り、居酒屋に行ったり、腹八分やカワイイという言葉を使ったりしていないはずなんですが、でもそれは考えることがなかっただけで、日本人魂の中にそれが仕込まれているのかもしれないと思いました。
4. #我々人間とは何か
人間は1人では生きることができない、その理由は人間が生きるためには、他者とエネルギーを交換し続けることが必要だからかもしれません。
人と関わると苦しいこともある、でも人と関わらないとそのエネルギーすらもらうことができなくて、火が消えていく感覚になるみたいな。
気力を失っている時はエネルギーが弱っているのかもしれません。攻撃的なエネルギーを発散することはそのエネルギーを交換して違うエネルギーを取り入れたいと願っているのかもしれません。どんなエネルギーを持ちたいですか?それが色になり、そこに同じエネルギーが集まります。
5.#ベトナムで起業した男
日本製品のベトナム販路を開拓している日本人が著者で、10年間ベトナムに住んでいて知りえた生活習慣、価格相場感、特有の指向性、そしてビジネスノウハウを伝えた本です。
ベトナムでその製品を売るなら誰に、どんな広告展開で売ることになるのかが事細かにわかります。成功法というより、無駄なトライをしなくても良い可能性がわかるのでベトナム進出を考えているなら一度読んでみることをお勧めします。
6. #TRIP TRAP #金原ひとみ
蛇にピアス、マザーズ、の金原ひとみさん。女であることの生きづらさの赤裸々さがすごい。女性は解放されたり、女性であることを嘆いたりするものなのです。
背徳感をバリバリに感じながらも、女性が無銭スタートから生きるため男を渡り歩いていくことが女でよかった何かを手繰り寄せようとしているようにも思えます。救いがなくて、逃げることもできなくて、諦めてるように見えて、実はとてもバイタリティを持って進んでる金原ひとみさんの描く主人公は今回もかっこよかったです。
7.#家族シアター
家族が一番安心することも、強くなれることも「守る」ことかもしれません。守られている、守ってくれた、きっと守ってくれると信じることができるかどうか。その時に絆が強くなり、それができなければ家族は崩れていくものなのです。
「あなたが思っているような私じゃなくてごめん」というセリフが、どの立場や関係の家族にも書かれていて、それはやっぱりいざという時に一番に守ってもらえる存在でありたいと願っている、そのポジションにいるのは自分だと思っている、その関係がとても強いものだと感じました。
8.#名探偵のままでいて
レビー小型認知症(幻覚や記憶障害)の祖父が、孫娘の周りで起こる事件を解きます。認知症への理解は深まるんですが、やっぱりもう一つの世界は本当にあるんじゃないかなと思ってしまいます。
この世にいない人が目の前に現れる現象は、幻覚じゃなくて、見えていない方がおかしくて、会話することで生前伝えれなかった事や大切な記憶を届けにきたんじゃないかなぁと。事件を解決しながらも手繰り寄せる記憶にあたたかさがありました。そしてとにかくストーカーには気をつけましょう。
9.#川のほとりに立つ者は
女だからとか、男だからとか、誰が好きとか、誰の方が好きとか、ずっとみんな葛藤しているのかもしれません。ただ言わないだけなのかも。
“花なら全部好き”という女性の不器用で周りを傷つけていく姿に華がありました。そして男性が社会からの目を気にせず、それぞれの価値観をストレートにぶつけることができる恋愛関係がスタンダードに描かれているのがとても魅力的でした。みんな一生懸命今を生きていることが美しかったです。
10. #とんこつQ &A
驚きのおもしろさでした。ダークなのか?ユーモアなのか?深刻なのか?幸せなのか?笑っているのか?泣いているのか?が、全然わからないんです。
文学作品独特の雰囲気で、衝撃的な内容と展開なのにそこに感情が引っ張られない感じで。でもあとに残るのは、こわっ!ってなるんです。めちゃくちゃ面白かったことが全然伝わらない表現で恐縮なんですけど、この作風は文学好きにはたまらんと思います。
おわり。
今月も読んでくださってありがとうございました。来月も書きますので良かったら遊びに来てください。