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令和版 現代落語論

「立川流四天王」の一人、改作の達人・立川談笑さんが書き下ろす「落語家による落語入門」の決定版。もともとの噺の概要と、改変版のポイント解説がある。

そして本で紹介される改作落語の演目がQRコードから動画で視聴でき、この高座がびっくりおもしろかった。かなり稚拙で恐縮だが、『文七元結』の噺が好きだった。

『落語は自己肯定の宝庫』『上なんか目指さない』と本書にあって、だいたい主人公が頑張らない。頑張れない。そこに夢があって、男の浪漫の意味を知った気になる。それでいい気がしてくる。

たぶんだいたい、人間は得てしてその程度なんだろうと思える。ここにそんなにイライラ、わーわー、そんなん言わんと、笑ってたらいい気がしてくる。

落語は本を読んでいる感覚にすごく近い。「要するに」と言ってしまえば、登場人物が現実に複数人出てきてしまえばあっという間に終わってしまう噺を、一文を読むように、ページをめくるように追いかけながら、自分の頭の中で想像して展開させていく。かなり集中して聞き入ってしまう。

本を読み、動画を観て、もう一度、改変ポイントを読み直す。何となくわかるものもあるし、全く予想がつかないけれど、確かにそこは改変されたことでスーッと入ってきたんだ、ということを知ることができてニヤニヤしてしまう。

日本の文化、エンターテイメントの中で継承はもちろん、ここまでの噺に聞き入って愉しめる人たちを途切れさせないって大事だな、とも思った。

噺は、日本語じゃないとむつかしい。噺特有のペースと言い回しのおもしろさを理解できる奥深さは人間味につながっていく。

いやはや、すごく、おもしろかった!
笑った笑った、初笑い。

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