宮浦宜子/Life on the table

宮浦宜子/Life on the table

    マガジン

    • 釜ヶ崎イタリアまかない

      大阪西成の「釜ヶ崎芸術大学」(通称釜芸、旧称ココルーム)のカフェにて、月1回「釜ヶ崎イタリアまかない」と称して「まかないごはん」を担当しています。 つくるのは、あるものを活かし、時間をかけて美味しくするイタリア家庭料理。食卓を囲むのは、旅人、ふらりと立ち寄った人、近所に暮らす人、インターンやスタッフなど様々。そんな食卓の備忘録。

    • 日々の食卓

      日々の食卓の記録や雑記。皿の上と頭の中はつながっていたり、いなかったり。

    • 茶事懐石での学びの備忘録

      2016年9月から1年間、もてなすとはどういうことか、日本料理とは何か、を学ぶために通った、半澤鶴子先生による茶事懐石講習会(東金教室)の備忘録。

    • 食べられる旅

    • 【往復書簡】遠くの食卓 II|兵庫/栃木

      • 12本

      栃木で「スープ・ポタジェ(菜園)」を営み、育てたハーブや野菜を使ったスープを提供するいがらしさん(五十嵐洋子)と、札幌から兵庫に引っ越し、新しい土地で改めて、豊かな食卓づくりを試みるみやう(宮浦宜子)の往復書簡です。遠くで暮らす相手に、ぜひ食べてもらいたい、と思う一皿を言葉と写真で贈り合います。「【往復書簡】遠くの食卓|栃木/札幌」に続く第二章。2020年11月〜

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    フリッタータの匂い

    ほんの短い間だが、イタリア料理店で働いたことがある。イタリア留学していた料理好きの友人に、東京でイタリアそのまんまを味わえる店がある、と勧められて食べに行ったら、まさにその通り。感激してシェフと話していたら、当時住んでいた神楽坂に、店を移転する予定と聞き、その場でカメリエーラ(サービススタッフ)として働くことに決まった。 店はオープンキッチンのつくりだったが、仕込み時間に出勤すると、毎日本当にうっとりするような匂いがして、それだけでここで働けて幸せという気分になった。イタリ

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      • すべて食べたい|エンドウ豆のリゾット

        エンドウ豆が普通に買える関西に越してきて、食べるたびに思うのは「鞘も食べたい」ということ。 だって、ものすごく生命感にあふれていて、色もきれいで、細胞もふっくらピチピチしていて、これを迷いもなく捨てられるってどういうこと?って思う。 先日、たまたま隣駅のこだわり八百屋「オガクロ」に立ち寄って、朝採りのエンドウ豆を買う。品種が違うのか、見たこともないくらい大きなエンドウ豆で、当然鞘もボリューミー。ああ、これを捨てるのはできないよ、と思った。 イタリアには「クチーナ・ポーヴ

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        • 釜ヶ崎でイタリア家庭料理を

          2016年に釜ヶ崎芸術大学(釜芸)代表の上田假奈代さんから「やわらかい食をテーマにした講座をやってみない?」と言われときに、最初に考えたのは、私が食を文化としてとらえるきっかけとなったイタリア家庭料理をテーマにすることだった。ただ、釜ヶ崎のおじさんたちにとって、馴染みのないイタリア家庭料理がふさわしいのか迷ったし、いろいろリサーチした結果、おかゆをテーマにすることにした。講座「おかゆのしあわせ」は今も続いていて、先日、10回目を迎えた。最初の頃に参加していたおじさんたちの多く

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          • とうもろこし豆腐

            茶事の実習会で、とうもろこしの葛豆腐の煮物椀を担当する。 葛を使いこなせるようになりたくて、吉野の本葛を買ってあるのに、まだ葛湯以外に使えていない。 やはり料理は一度やったかどうかが分かれ目だ。 一度やってしまえば、どうしてこんな簡単なことやらなかったんだろう、と思うものも多い。 だから、一度担当してみたかった。 白くて、ゴツゴツした小石のような葛を、水出汁で溶かす。 すりおろしたとうもろこしの汁と水出汁を加えて、シノワで濾す。 鍋を火にかけ、30分、木べらで練り上げる。

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          • 釜ヶ崎イタリアまかない

            • 2本

            大阪西成の「釜ヶ崎芸術大学」(通称釜芸、旧称ココルーム)のカフェにて、月1回「釜ヶ崎イタリアまかない」と称して「まかないごはん」を担当しています。 つくるのは、あるものを活かし、時間をかけて美味しくするイタリア家庭料理。食卓を囲むのは、旅人、ふらりと立ち寄った人、近所に暮らす人、インターンやスタッフなど様々。そんな食卓の備忘録。

          • 日々の食卓

            • 31本

            日々の食卓の記録や雑記。皿の上と頭の中はつながっていたり、いなかったり。

          • 茶事懐石での学びの備忘録

            • 6本

            2016年9月から1年間、もてなすとはどういうことか、日本料理とは何か、を学ぶために通った、半澤鶴子先生による茶事懐石講習会(東金教室)の備忘録。

          • 食べられる旅

            • 1本
          • 【往復書簡】遠くの食卓 II|兵庫/栃木

            • 12本

            栃木で「スープ・ポタジェ(菜園)」を営み、育てたハーブや野菜を使ったスープを提供するいがらしさん(五十嵐洋子)と、札幌から兵庫に引っ越し、新しい土地で改めて、豊かな食卓づくりを試みるみやう(宮浦宜子)の往復書簡です。遠くで暮らす相手に、ぜひ食べてもらいたい、と思う一皿を言葉と写真で贈り合います。「【往復書簡】遠くの食卓|栃木/札幌」に続く第二章。2020年11月〜

          • 雲雀丘の食べられる庭

            • 2本
          • 食の書棚

            • 6本

            食にまつわる本や映画の紹介や感想。

          • あの日の台所で(仮)

            • 1本
          • 食卓記

            • 4本

            自分のために、誰かのために、用意した食卓の記録。

          • 【往復書簡】遠くの食卓|栃木/札幌

            • 7本

            栃木で「スープ・ポタジェ(菜園)」を営み、育てたハーブや野菜を使ったスープを提供するいがらしさん(五十嵐洋子)と、札幌で食卓ディレクターとして、豊かな食卓をつくるための試みを行うみやう(宮浦宜子)の往復書簡です。遠くで暮らす相手に、ぜひ食べてもらいたい、と思う一皿を言葉と写真で贈り合います。みやうが兵庫に引っ越し「兵庫/栃木」編としての第二章に続きます。2020年4月から10月まで、7通の書簡集。

          • 釜ヶ崎イタリアまかない

            • 2本

            大阪西成の「釜ヶ崎芸術大学」(通称釜芸、旧称ココルーム)のカフェにて、月1回「釜ヶ崎イタリアまかない」と称して「まかないごはん」を担当しています。 つくるのは、あるものを活かし、時間をかけて美味しくするイタリア家庭料理。食卓を囲むのは、旅人、ふらりと立ち寄った人、近所に暮らす人、インターンやスタッフなど様々。そんな食卓の備忘録。

          • 日々の食卓

            • 31本

            日々の食卓の記録や雑記。皿の上と頭の中はつながっていたり、いなかったり。

          • 茶事懐石での学びの備忘録

            • 6本

            2016年9月から1年間、もてなすとはどういうことか、日本料理とは何か、を学ぶために通った、半澤鶴子先生による茶事懐石講習会(東金教室)の備忘録。

          • 食べられる旅

            • 1本
          • 【往復書簡】遠くの食卓 II|兵庫/栃木

            • 12本

            栃木で「スープ・ポタジェ(菜園)」を営み、育てたハーブや野菜を使ったスープを提供するいがらしさん(五十嵐洋子)と、札幌から兵庫に引っ越し、新しい土地で改めて、豊かな食卓づくりを試みるみやう(宮浦宜子)の往復書簡です。遠くで暮らす相手に、ぜひ食べてもらいたい、と思う一皿を言葉と写真で贈り合います。「【往復書簡】遠くの食卓|栃木/札幌」に続く第二章。2020年11月〜

          • 雲雀丘の食べられる庭

            • 2本
          • 食の書棚

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          • あの日の台所で(仮)

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          • 食卓記

            • 4本

            自分のために、誰かのために、用意した食卓の記録。

          • 【往復書簡】遠くの食卓|栃木/札幌

            • 7本

            栃木で「スープ・ポタジェ(菜園)」を営み、育てたハーブや野菜を使ったスープを提供するいがらしさん(五十嵐洋子)と、札幌で食卓ディレクターとして、豊かな食卓をつくるための試みを行うみやう(宮浦宜子)の往復書簡です。遠くで暮らす相手に、ぜひ食べてもらいたい、と思う一皿を言葉と写真で贈り合います。みやうが兵庫に引っ越し「兵庫/栃木」編としての第二章に続きます。2020年4月から10月まで、7通の書簡集。

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            • 水無月の茶事(花あそび)

              今回は、裏方担当。 席入りの前に、花あそびをする。 先生が準備してくださった花々は、花屋さんでは見られないものばかり。苗を手にいれるたびに、知人の庭で育ててもらっているのだと言う。たくさんの花がいちどきに咲く時期だからこその、贅沢なあそび。それぞれ好きな花入れを選び、好きな花を選び、活けていく。花を活けることも、料理をつくることも、ともに景色をつくることだと気づく。 汁は、もろこしかのこの合わせ味噌仕立て。 とうもろこしは、実の芯が甘いので、できるだけ根元からほぐす。海老

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              • 卯月の茶事(観桜の茶事)

                4月10日、月曜日。花冷えの朝。 はじめての平日参加。都心への人の流れとは逆行して、東金の教室に向かう。電車の窓から見える里山に、山桜が見える。 卯月の茶事は、観桜の茶事。今回も、水屋(台所)を担当する。 汁は道明寺桜の合わせ味噌仕立て、吸口は、桜の花の塩漬け。 本来、茶事での汁の実は、旬のものをパッと使い、あまり手間をかけないもの。ただ、今回は観桜ということで、道明寺粉と大根おろしを合わせて、寒天寄せしたものを。桜の型で抜くはずだったが、うまく固まらず、矩形で。前日は

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                • 弥生の茶事(雛の茶事)

                  3月、弥生は雛の茶事。 雛まつりは終わってしまったけれど、桃の節句にあわせて。節句の時は本来ならお弁当スタイルに詰める点心に仕立てたいところですが、今日は懐石に、と。ただし、お料理は全て、点心として提供することもできるようなものになっている。もちろん、雛を意識した手の込んだものが多い。 茶事講習会では、参加者それぞれ、亭主、客、水屋(裏方)を担当する。これまでずっと、客役をさせて頂いていた。半年が過ぎて、茶室の中での流れが見えてきたので、今回は水屋を担当させてもらうことに

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                  • 如月の茶事(暁の茶事)

                    如月は、暁の茶事。 午前4時から準備、5時からの席入りのため、茶寮近くのホテルに泊まる。ホテルに向かう車中、大きな赤い月が東の低い空に浮かんでいた。 暁の茶事は、夜が終わり、朝が来る、その時の移ろいをしみじみと味わうもの。行われるのは、厳寒の時期。立春の前後が最も相応しいという。侘びの極地であり、先人が好んだ。茶室の突き上げ窓は、この暁の茶事を楽しむためにつくられている。今では、ほとんど催されることのないことから、幻の茶事とも言われる。 暁の茶事には、やはり茶飯釜が相応

                    • 睦月の茶事

                      茶事実習会の朝は早い。冬の光の中、駅へ急ぐ。乗り換えを間違えたおかげで、いつもは使わない特急に乗り、つかのま旅の気分を楽しむ。 外房の先生のお宅の前には菜の花が咲いていた。 睦月の茶事は、新年最初なので初釜と言われる。しかし、今年は表千家も裏千家も喪中なので、それぞれの流派のお教室では、単に稽古初めの会とされるでしょうという説明に驚く。家元制度の縁故のスケール感に圧倒される。 汁は蓬餅の白味噌仕立て。 蓬とスイバは、新年いち早く芽吹いてくるという。香りは梅雨前のものにか

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                      • 料理を持ち寄る食卓

                        先週末、我が家で持ち寄りの夕食会をした。食卓を囲んだのは、同じ町内のご夫婦おふたり。以前、別のご近所パーティで妻さんと恋人がご一緒し、同じ町内に住んでいることがわかって、今度4人でご飯でも、ということになったのだ。 妻さんがマカロニグラタン、夫さんがお肉を持参してその場で焼いてくださる、とのことだったので、私たちは、前菜になるような野菜料理をいろいろ準備することに。私はラディッシュバター、文旦のサラダ、恋人は山芋のフリットに、宝塚ネギのグリル。 トップバッターは、私のラデ

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                        • 涙のスパイスチョコレート

                          先日、記憶にある限り人生で初めて、トリュフチョコ(ガナッシュを丸めてコーティングしたもの。以下トリュフ)をつくった。昔から、世のバレンタインデー狂想曲には乗り切れないところがあって、そういう状況はなるべく避けていたのと、料理とは違って、きっちり計量、小まめに温度管理、順序が大事、途中で修復難しい、というトラップ多めのお菓子づくりはそもそも向いていないと、できる限り近づかないようにしてきたからだ。 去年は、恋人がバレンタインデーに留守していたので、近いタイミングにテリーヌドシ

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                          • 世界の家庭料理を食べられるお店ーカフェ・サパナ

                            半年に1回、大阪豊中のクリニックに通っている。この年になると、通わないといけない病院はいくつもあって、うんざりすることしかないのだけど、豊中のクリニックだけは違う。なぜなら、セットで通っている大好きなお店があるから。 お店の名前は「カフェ・サパナ」。地域に暮らすいろいろな国の人が、日替わりでランチを提供している。国際交流の会とよなかというNPOさんの運営。素晴らしい。豊中に行くときは、まずはFBページで公開されているカフェ・サパナのカレンダーを確認して、食べたい国の料理の日

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                            • チリメンキャベツのシンプル料理

                              5年くらい前に、東京の自宅で「水曜日の食卓」という、残業で外食が続いている人のための食卓/食堂をやっていたのだが、一番最初の日につくったのが、チリメンキャベツ(サボイキャベツ)でつくる、イタリアのロールキャベツだった。結局、その日はノーゲストで、近所に住んでいた妹とふたりで完食した。ゲストがこなくて残念だった気持ちが、あまりの美味しさでふっとんだ。 このキャベツの特徴はしっかりと煮ないと、全然美味しくないこと。一度、急いでいて、しっかりと煮込まなかったときには、別の野菜かと

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                              • ブロッコリーを煮崩す料理

                                私が人生で一番何度もつくった料理は、たぶんブロッコリーのパスタだと思う。理由は単純で、イタリアでその料理を知って、つくりはじめたのが20歳くらいで、一番長くつくっている料理だから。自分がその美味しさに感動して、長くつくっている料理が、食材ひとつだけでつくる料理というのは、なんだか運命的な気がしなくもない。 まあ、それは置いておいて、先日、インド料理店でこのブロッコリーのパスタに似た料理を食べた。梅田のグランフロントに入っているエリックサウスだ。4、5年前、東京で暮らしていた

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                                • 柑橘の塩漬け

                                  昨晩、ふと思いついて参加した、イタリア食文化のオンラインセミナーで、塩レモンが登場した。南イタリアのアマルフィで暮らすイタリア人の講師は、毎年庭で大量に実るレモンを塩レモンにするというのだ。 塩レモンは大好きな調味料だ。レモンと塩と時間さえあれば、他のものには真似できない味がつくれる。今使っているのは、もう何年も前に漬けた年季の入ったものだが、基本モロッコの調味料と思っていたので、モロッコ料理やペルシャ料理にしか使ってこなかった。なので、イタリアでも発酵調味料である塩レモン

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                                  • 白菜と豚バラの煮込み

                                    食材がひとつだけの料理が好きだ。理由は、たったひとつの食材で、こんなに複雑な味のものができるのか、こんなにいろいろな味が共存するのか、と毎度びっくりできるからだと思う。私がたぶん人生で一番つくっているブロッコリーのパスタも、ここ数年、私らしい料理とよく言われる蕪のまるごと焼きも、食材はひとつ。人参のオーブン焼きもそう。 どの料理も、調理はシンプルで、焼くだけ、煮るだけ、なのだけど、ひとつの食材を丸ごと使っているので、料理の中にいろいろな味と姿が現れる。葉や根や茎という部位の

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