デンマークで冬のお祭りを
2月のデンマークは、フェステラウン(Festelavn)というお祭りで盛り上がります。
・・・なかなか更新ができず、もう3月!
なんとも間の抜けたタイミングになってしまいましたが、今回は、日本ではあまり知られていないフェステラウンについてご紹介します。
1.フェステラウンとは?
ファステラウンとは、キリスト教にまつわるイベントの一つです。
復活祭(イースター)の49日前の日曜日に行われ、子供たちが仮装をして、お菓子が入っている木製の樽をバットで叩いていきます。
無事に樽を壊したら、中に入っていたお菓子はみんなでわけっこ。
思い思いに仮装するので、さながらハロウィンのような雰囲気です。
*ちなみにデンマークのハロウィンは、かな~りリアルなゾンビや骸骨が飾られていて、不気味でした・・・
古くは、この木製の樽の中に、黒猫を入れたそうです。
黒猫が飛び出してくるまで、棒で樽を叩き、厄払いをする意味合いがあったそうです。
あまりにも可哀そう。。。
今はもちろんそんなことはしません。
が、変わらずフェステラウンのモチーフとして、黒猫のイラストや切り抜きはたくさん飾られています。
2.もちろん大人も楽しみます
デンマークの冬は、長くて暗いです。
日照時間も短く、クリスマスと年越しが終わると、なんだか静かで物悲しい雰囲気。。
そのせいもあるのでしょうか。
1月に入るとにわかにフェステラウンモードが漂い始め、お祭り準備の盛り上がりを見せます。
おもちゃ屋さんや雑貨さんでは、仮装グッズや木製の樽・バッドが売られ、パン屋さんやカフェでは「フェステラウンボーラー」と呼ばれる甘い甘いパンが所狭しと並びます。
フェステラウンボーラーは、パンに生クリームやカスタードクリーム、ジャムなどがぎっしりと詰まった菓子パン。
日本でも最近、スウェーデンのセムラが人気と聞きました。
そのデンマーク版です。
3.幼稚園でのイベント
我が子の通う幼稚園でも、フェステラウンのイベントが開催されました。
やることは伝統的な内容のとおり。
みんな仮装して登園し、お菓子の入った木の樽を叩き壊して、お菓子をもらいます。
そして、特別なおやつとしてミニサイズのフェステラウンボーラーも配られたそうです。(いいな!)
わたしが少し驚いたことは、イベントの前に、幼稚園から親へ「フェステラウンを幼稚園で開催する目的」の説明があったことでした。
内容はこんな↓かんじです。
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この伝統的なお祭りを幼稚園で催すにあたり、以下のようなことを子供たちが学ぶ・身に着けることを目指します。
・コミュニティの一員となること
・お互いに助け合うこと
・自分の順番を待つこと
・誰かが話していることを静かに聞くこと
・挑戦する勇気を持つこと
・自分に自信を持つこと
・行動を言葉で説明すること
・(フェイスペイントをやるので)色や形を識別すること
==
実はわたし自身は、フェステラウンというお祭りの存在を知ってから、「ハロウィンのようなものだから、子供の気に入った衣装を買ってあげよう!」ぐらいにしか思っていませんでした。
一方で、先生方は、子供たちが楽しむことはもちろん、そこからどんな学びを得るか、ということも考えながらオーガナイズしてくれている。
教育に携わる方にとってはもしかしたら当たり前なのかもしれませんが、わたしにとっては、とても大きな発見でした。
日々の遊びや食事、人との関わり合いのすべてから、子供たちは学ぶことができる。
そんなことを感じつつ、幼稚園への感謝はますます深まるのでした。
つい、バタバタと余裕ない日々を送りがち。
そんな中にあって、家で送る生活のひとつひとつにも、これはどんな学びや経験となる可能性を秘めてるのかな、と思いを巡らせてみる。
すると、なんだか前向きに、家族に協力を求められるような…気がします。(精進精進)
***
話が全然違う方向に行ってしまいました。
とにかく、初めてのフェステラウンは、大人も子供も楽しむことができました!
総括すると、約2か月間にわたり、甘いパンとお菓子、そして仮装を楽しみつつ、春を指折り数えて待つイベントです。笑
フェステラウンが終わると次はイースター。
イースターは国の祝日ですので、休暇を取る人も多くいます。
長かった冬ももうすぐ終わり。
早く暖かい日差しを思いっきり浴びたいものです。
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今回もお読みいただきありがとうございました!Tak!
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