「リモート同居」という考え方
老齢の親の暮らしとなると、同居か別居か、はたまた施設か、という選択で語られることが多いもの。私とmy母(83)が実践している20年前では考えられなかった新しい暮らし方、それが「リモート同居」です。
コロナ禍のリモートワーク問題にソックリ
このコロナ禍のリモートワークにおいて非常に近しい話題が繰り広げられています。ささいだけどストレスフルな問題、それは、
ちょっとした雑談ができない。
このちょっとした雑談ができないというのは、ものすごいストレス。愚痴を言うまでもないのだけど、軽く気持ちを吐き出して笑いたい。ちょっと話を聞きたい。
最近ではそうした問題解決機能も加味したweb会議ツールが出現しました。
キャッチフレーズは「業務中にちょっと話せます」..... roundz
わかる!このちょっと話すができる、ということがどれだけ人には必要な機能か!
(しかしこのサービスを使ったことがないので、おすすめのほどは不明です)
私自身も完全リモートワークで最近は仲間とできるだけ雑談時間をもうけています。しかしこの状況よりも先に、母の独居でこの課題に気がついていました。
my母も一人暮らしを実践するものの、やはり孤独感を募らせる時がありました。音楽を聴いたりテレビをみたりデイサービスに行ったり友人と話したりしていても、何かがたまっていく。。。
そんなときに、なんてことはない話ができる幸せって大変重要なのであります。そのような機会は同居人がいると自然に発生しますが、独居だとゼロ。
それに気がついて「ちょっとした会話」を実践するようになって、my母のストレスは格段に減り、情緒が安定しました。
というわけで、実践している3つの手法をご紹介します。
①家事の時間をダラダラトークタイムに
my母が家にいてくつろいでいる時間にあわせてスマホから連絡をして、会話を楽しみながら自分の家の中の家事をしています。
スマホのスピーカーをオンにするか、またはワイヤレスイヤホンを装着するか。どちらかにして会話をしています。
家事のときは声のみ、画像はオフでOK。
床掃除などしているとどちらにしても画面から顔がオフになってしまいますし。
基本は母が話し、しかももう100万回くらい同じ話きいたな、ということがほとんどですが、こちらも家事をしながらなので、めんどくさくなったら聞き流します。
そこがまた、ストレスがたまらないよいところ!
家事が終わったら「じゃそろそろ、またね」と言って切ります。
②日常のムダニュースを配信
そして1日に本当にどうでもいい話題を5〜10本くらいでしょうか、母にメールしています。Twitter感覚です。
例えば、
「今通り雨があったよ」
「ちょっとお腹すいたからラーメン食べた」
「ワンコが洗面所のマットにうんちした」
「今日は仕事が終わらないなあ」
こんなメールやLINE等のメッセージが友達から1日10本も届いたらうっとうしくて即ブロックですが、一人暮らしの高齢母にとっては微笑ましいニュース。
一方母からも
「庭の石ころをどけた」
「氷川きよしがまた歌ってる」
「まだ起きてるけどもう寝る」
などのムダニュースが届きます。
たまに100万回くらい同じ愚痴のセリフが届くことがありますが、その時はノールック削除でこちらもできるだけあちらの怒りの直撃を受けないように気をつけています。
そして愚痴の気持ちがおさまりそうな頃合いを見計らって
「お疲れさま、たいへんだったね!」とメール。
すると向こうも愚痴を吐き出してスッキリして終了となります。
③たまにはAlexaで顔を見て話す
夕方食事の時間前後や寝る前など、2〜3日に一回くらいAlexaで顔を見ながら話します。
Echo Spotをもう2年ほど使っているのですがもう廃盤のようで今だとEcho Showが売られていますね。
特に母が「食欲がないな」という話題の時は、母の顔をあわせつつ何か食べていると、
「つられてお腹すいた、やっぱりご飯食べようっと」
という時があります。
母もご飯食べながら話せばいいよ、と伝えるのですが、どうもそれは慣れないようで一度通話を切ります。
このようにして、あまり気負わずにちょこちょこ接点をもって、お互いの存在を途切れさせないでいるので、まるで同居をしているような存在感が生まれています。
また、お互いにストレスをためないという意味での距離感も保てています。
こうした状況がわれわれが実践中の「リモート同居」なのです。
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